【「ウマ娘」チャレンジ! スマートファルコン編】ファル子の熱いウマドル活動、始まります!(前編)「芝とダートとアイドルの活動規模」

2021年05月23日 12:000

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ハルウララ有馬記念チャレンジからしばらくたった頃。「ウマ娘 プリティーダービー」プリティーダービーガチャに、新規ウマ娘・スマートファルコンが閃光のように登場しました。
ハルウララ有馬記念チャレンジ記事はこちらから!

お迎えできた人も、できなかった人もいると思いますが、ほかのウマ娘の育成ストーリーに時おり登場するスマートファルコンを見て、彼女がウマドル活動(=ウマ娘のアイドル活動)をがんばる姿が気になっていた人も多いのではないでしょうか。普段2次元~2.5次元のアイドルコンテンツを主戦場にしている筆者にも、彼女は見逃せない存在でした。

 

 

「ウマ娘」にはレースに参加したウマ娘たちが、ステージに上がってウイニングライブを行うという伝統があります。輝くステージのセンターに立つのは、そのレースで優勝したウマ娘。トゥインクル・シリーズとはウイニングライブのセンターに立つウマ娘を選ぶレースでもあるのです。

 

とはいえ、これまでの作品やシナリオでは、「ウマ娘」のメインであり本道はレースとされることが多かったです。過去形です。そう、「ウマ娘」というコンテンツにおいて、ステージの輝きに焦がれるウマ娘と、その向こうにいるファンとの関係性をメインテーマに据えて、真正面から描きだしていくのがスマートファルコンの物語なのです。スマートファルコンのウマ娘ストーリーの前半(第1話~第4話)では、誰もいない河川敷で孤独なライブを行なうスマートファルコン=ファル子との出会いから、自分に適性のない芝のレースに憧れていたファル子が、ダートにも熱い戦いと輝くステージがあることを知るまでが描かれます。

 

スマートファルコンのシナリオ構成が素晴らしいのは、クラシック三冠や有馬記念に代表されるような、注目度が高い芝のレースの世界と、どちらかといえば地味で地方レースも多いダートの世界の関係性を、トップアイドルと、時に地下と称されるようなローカルアイドルの関係性になぞらえている点です。

 

お客さん1人ひとりと目が合う規模のライブ、あるいは路上での密なコミュニケーションのライブにも素晴らしさはあります。でも、アイドル(ウマドル)になったのなら、いつか何万人というファンの前で歌ってみたいと一度も願わなかった人は少ないのではないでしょうか。

 

逆に、競馬に詳しい人であれば、ダートが芝のレースに比べて注目度が決して高くはない現状や、地方の競馬場から見た“中央”という華やかな世界に対する複雑なまなざしについてよく理解できるのではないでしょうか。「ウマ娘」世界における中央と地方の温度感については、「ヤングジャンプ」(集英社)で連載中のコミック「ウマ娘 シンデレラグレイ」でいい感じに描かれています。

 

ローカルなアイドル→トップアイドル、ダート→芝という2つのまなざしをリンクさせることで、アイドルに詳しい人、競馬に詳しい人、双方の理解を深められる構成なんですね。

 

編集A:そこまで書くなら、スマートファルコンでも記事やるべきじゃないですか?

中里:うーん、こればっかりはね、ガチャって縁ですからね。やれるものならやりたいですけど……(なんとなく10連ガチャ回す)。

ファル子:応援ありがとっ! 私のことはファル子って呼んでねっ☆

中里:出ちゃいましたが……?

編集A:DO it(それをやれ)。

 

というわけで、私とファル子の熱いウマドル活動、ファルカツ! 始まります。ほぼ全編ネタバレしていくのでご注意ください。

 

 

 

 

“ファン第1号”トレーナーがファル子をプロデュース!

 

出会いは、今日はひとりも観客がいない自主ウマドルライブ。そこで“ファル子”に目を留めたファン第1号が“私”でした。トレセン学園で再会した彼女はファン第1号がトレーナーであった運命を喜び、自分のトレーナーになってほしいと願い出ます。

 

ウマ娘・スマートファルコンのダート適性はA。学園屈指と言ってもいい天性のダート適性を持ったウマ娘です。対する芝適性はE。それでも彼女は自分に適性のない芝のレースにこだわります。その理由は、彼女がウマドルであり、夢見たステージが華やかな芝の世界のウイニングライブだったからです。

 

しかし、ダートのレース場で泥だらけになって競い合い、その後のウイニングライブでキラキラと輝くウマ娘たちの姿を目にしたファル子は、自分もダートの世界でのステージデビューを目指すこと、そして自分の輝きでダートの世界を芝の世界に負けないぐらい輝かせることを誓います。

 

 

 

 

 

デビュー戦であるメイクデビューは快勝するも、次戦のプラタナス賞ではトップを逃しました。そこで見えてきたのは、彼女の「キラキラ☆STARDOM」というスキルが先頭を奪われそうになった時に発動するものだということ。一度先頭に立てば、追いすがるウマ娘を爆発的な走力で突き放して勝ち切る地力があります。逆に言えば、それはスタートに失敗すればそのままウマ群に飲まれかねない諸刃の剣でもあります。「逃げのコツ」を最初に重点的に上げることでスタートが安定し、なでしこ賞、オキザリス賞を連勝することができました。

 

一度はダートに道を定めた彼女の心を揺らしたのは、観客のひとりが漏らした「ファル子が歌う『winning the soul』のステージを見てみたい」という言葉でした。「winning the soul」は皐月賞、日本ダービー、菊花賞というクラシック世代の芝の三冠レースに出場したウマ娘だけが歌える楽曲だったのです。1%でも可能性があるなら皐月賞に挑戦したいと瞳を燃やす彼女を止めることはできませんでした。出場した皐月賞の成績は、9着。掲示板には届かないけれど、全く勝負にならないわけではない。この絶妙な素質の配分が残酷な1%の確率を夢見させるのかもしれません。

 

 

 

 

 

一度皐月賞のステージに立ち(掲示板外に敗れたウマ娘も、バックダンサーとしてステージに立つことができます)、ふっきれたファル子はダート路線に専念。ジャパンダートダービー、JBCクラシック、東京大賞典を連覇して、クラシック世代のダート最強ウマ娘であることを示しました。

 

しかし、年末の有馬記念を観戦してから、どこかファル子の様子がおかしいです。10万人を超える観衆を集めた有馬記念、そしてかつて体験した皐月賞のウイニングライブの熱狂が、ダートの世界の頂点をどこか色あせたものに感じさせたのかもしれません。

 

自分が勝ち続けることでダートにお客さんを呼ぶと決めたファル子、スマートファルコンは、ダート主要G1の全勝を宣言。注目とプレッシャーが高まる中、フェブラリーステークス、帝王賞、JBCクラシックを連覇します。心はどこか焦っていても、レースには地力で圧勝し続ける彼女のダート適性はSに達していました。有言実行で勝ち続けることでダート界全体を盛り上げた彼女のことを、ウマ娘の頂点「七冠ウマ娘」である生徒会長・シンボリルドルフも称賛するほどでした。

 

 

 

 

ですが、勝ち続けるファル子の笑顔はどこか無理をしているように見えます。一度しっかりと向き合うために川辺で話しながら、彼女が目指していたものがレースで勝つことだったのか、本当のユメがなんだったのかを語り合います。出会いのあの場所でもう一度行なう、観客がひとりだけの路上ライブ。そこで彼女は誰も見ていなくても、雨の日も風の日もひとりで歌い踊り続けた日々を思い出してくれました。

 

スマートファルコンの、ファル子のユメはスポットライトに負けないぐらい輝くこと。自分はここにいると全力全身で叫ぶこと。想いを届けるべき相手すら見えなくなっていたことを自覚したファル子は、今度は想いを届ける人たちのために、もう一度全力で走ることを決意します。ファル子は「チャンピオンズカップ」でふっきれたような激走を見せてくれました。

 

 

 

 

 

年末の大一番・東京大賞典の前には、クリスマスのファンイベントが行われました。そこにはファル子がダートの世界を盛り上げたことに感謝したウマ娘たちが、自分からイベントを手伝ってくれる姿がありました。握手会でファンというあたたかな光に包まれていることを自覚したファル子は、最高のコンディションで最後の目標「東京大賞典」の日を迎えます。

 

シニアで迎えた2度目の東京大賞典は、見たことがないぐらいの観客であふれていました。その盛り上がりは、芝の世界の最大イベント・有馬記念にも負けないほど。クリスマスイベントでファル子の想いを受け取ったファンたちが、草の根で東京大賞典の宣伝をして後押ししてくれたのです。そして何より、記録的超満員の大井競馬場は、ファル子ががんばってきたことが間違っていなかったことの証明でした。

 

東京大賞典のゴールを全力で駆け抜けたファル子がどんな光景を見て、何を思ったのか。その結末は、あなた自身が見届けてくれると嬉しいです。

 

編集A:全盛期の浜村淳バリにほぼ全部しゃべりましたね。

中里:超ダイジェストですからね、実際にプロデュース……いや、育成したら100倍感動できるので、ぜひ!

 

その後、ファル子はURAファイナルを制覇して、温泉も行っちゃったりして、無事グッドエンディングを迎えたわけですが……個人的に微妙にもやもやしていることがありました。皐月賞に出走できるのはウマ娘人生で一度きり。だからこそ、ファル子は悩みながらもダートの世界をトップに高める道を選んだわけです。でも、ファル子にはもうひとつの道もあったはずです。皐月賞で勝利し、折れることなく彼女のウマドル道を歩んだ道が。皐月賞のターフを一番で駆け抜けた時、彼女は一体何を見るのか。そして何より、僕(私)も「winning the soul」を歌うファル子が見たい!

 

 

 

 

というわけで次回、もう一度ファル子をプロデュースしたいと思います。

 

続く!

 

(文/中里キリ)

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