【ネタバレありの発売直前レビュー!】成長したエリーの壮絶な復讐劇を描くサバイバルアクション!PS4用ゲーム「The Last of Us Part II」を遊んでみた

2020年06月12日 17:580
【ネタバレありの発売直前レビュー!】成長したエリーの壮絶な復讐劇を描くサバイバルアクション!PS4用ゲーム「The Last of Us Part II」を遊んでみた

2013年に発売されたPS3向けサバイバルアクション「The Last of Us」は、200を超えるメディアにおいてその年最高のゲームタイトルを表す「Game of the Year」に選ばれた。それから7年が経ち、2020年6月19日(金)に、世界待望の続編「The Last of Us Part II」がリリースされる。今回、筆者は本作の製品版を先行プレイする機会を得て、クリアまでこぎつけたので、ネタバレを極力抑えつつ、レビューをしていきたい。

※本記事にはネタバレ要素も含まれておりますので、ご了承のうえご覧ください。

エリーを主人公にして描かれる、前作から5年後の物語



「The Last of Us」における世界は崩壊している。20年前に謎の菌が世界中に蔓延し、感染した人間は理性を失い、生存者を無差別に襲う。人類が存亡の危機に瀕したことで文明は日に日に衰退し、生き残った人々はコミュニティを形成したり、あるいはひとりで細々と暮らしている。前作で、主人公のジョエルは菌に対して免疫を持つ少女・エリーを連れ、アメリカ大陸を横断した。最初はぎくしゃくしていたふたりも、旅を続けるにつれて打ち解け、エリーの命と引き換えにワクチンを生成するかどうかを迫られた時、ジョエルは、人類よりエリーを選んだ。長い旅路で、生き残るために殺し、奪い続けたふたりは、ワイオミング州のジャクソンに行き、ついに静かな生活を手に入れる。


そこから5年後を描くのが本作である。主人公はジョエルからエリーに交代。当時は14歳だった彼女も19歳になった。公式サイトでも明言されている通り、ジャクソンで生活していた彼女を襲ったある出来事が、今回の物語の発端となる。エリーはジャクソンを後にし、復讐を決意する。


シビアなゲームバランスで展開するサバイバル



復讐のため、エリーはワイオミング州ジャクソンからはるばるワシントン州シアトルにおもむく(だいたい1390キロメートルの移動距離である)。「ノラ」という人物を見つけ出すためだ。物語の本題はここから始まる。


 

前作よりも映像表現に磨きがかかっており、自然と人工物が入り混じる荒廃した世界のリアルさもさることながら、ロードもセーブデータを読み込む際に1回あるくらいで、プレイパートとイベントシーンもシームレスに切り替わる。まさに「遊ぶ映画」だ。


いっぽう、本作には方位を示すアイコンや現在位置を常時映すミニマップといった、プレイヤーを無条件に助けてくれるような要素は、徹底的に省かれている。途中、地図を使うこともできるが、自身の今いる場所がわかるだけで、地形や建物の構造などは記されていない。廃車やがれきといった障害物も風景の一部として違和感なく配置されているためか、本作は基本的に一本道なのに移動可能なフィールドと行き止まりの区別がほとんどつかない。


だが、先がわかったら冒険は面白くない。「なにがあるのだろう」と思うから行きたくなる。個人的には、不利な状況から挽回するほうが好きだ。UI(ユーザーインターフェース)が簡潔になり、画面に表示される情報が少なくなればプレイヤーもよりキャラクターに感情移入でき、世界観にも没入しやすくなる。ちなみに、物語を進めるうえで謎を解く場面もあるが、立ち往生しているとヒントをもらえるので、謎が解けずに行き詰まることはほぼない。



探索は本作の魅力であり、要でもある。というのも、フィールドで手に入る銃弾などの各種アイテムが、非常に少ないのだ。私は難易度NORMALで遊んだが、アイテムの管理には終始悩まされた。弾薬もクラフトのための素材も、そもそも持てる数自体が少ないため、敵と戦っているとあっという間に枯渇してしまう。素材だけでなく、フィールドにはショットガンやボウガンといった一部の武器や、スキルを覚えるために必要な本も落ちている。新しい場所に着いたら、しらみつぶしに調べていくくらいの気概でいたほうがいいだろう。


探索していれば、当然敵にも出くわす。本作では感染者を始め、武装集団の「WLF(ワシントン解放戦線)」、相手の腹を切り裂いて「解放」と叫ぶカルト集団「セラファイト」が立ちはだかる。



「WLF」は軍隊のような感じで、統率された動きで銃火器を使いながら攻める。「セラファイト」は「WLF」ほどの戦力はないが、弓や斧といった原始的な武器を中心に使い、声を荒立てず、口笛で位置を知らせたり、指示を出したりする。彼らは基本的に複数人で固まっているため、エリーからすれば人数的に不利。エリーとともに戦ってくれる仲間は基本的にひとりなので、大量の敵に対して正面突破を図ったところでまず返り討ちにあう。


そこで、相手に忍び寄って攻撃する「ステルスキル」を活用したり、物音を立てて相手を誘導したりしてなるべく有利な状況に持ち込むのがポイントだ。「ほふく」や銃声を抑える「サイレンサー」など、ステルスキルのための手段が前作よりも増えており、さまざまな戦い方ができる。R1ボタンを長押しすると周囲の敵が白いもやのように浮かび上がる「聞き耳」も使えるため、位置を把握し、先手を打つこともできる。



とはいえ、それもこれも、すべては探索でどれだけ物資を集めているかにかかっている。その気になれば銃や近接武器を持っていなくても素手で戦えるし、ステルスキル自体も素手で可能だが、すべての敵をステルスキルで倒すというのも、また現実的ではない。プレイ中、私は最初こそステルスキルで敵をいなしていくものの、途中でバレて結局は銃撃戦になるというのがお約束だった。



敵はエリーを見つけると、増援を呼んだり、仲間に回り込むよう指示したりと多彩な行動を取る。こちらが使っている銃が弾切れになった状態で攻撃しようとすると、「カチ」という音が出てしまう。それを聞いた敵が「弾切れだ!」と叫ぶといった作りこみようは驚きだ。

また、敵との接近戦では、新アクションの「回避」が大いに役立つ。相手の動きに合わせてL1ボタンを押すことで、攻撃を避けられるのだ。極論だが、これさえマスターすれば、無傷でアイテムも消費せずにほとんどの敵を倒すことも可能だ。「ランナー」や「ストーカー」といった、一部の感染者にも有効な戦法といえる。ただし、遠距離攻撃には無力。横やりを入れられないよう、1対1に持ち込める状況で使いたいところ。


ここまで戦い方をあれこれと書いたが、ほとんどの戦闘はやり過ごすこともできる。目的地にたどり着くために邪魔な敵だけを選んで倒していくのもいいし、ひとりも手にかけず進めるのも面白い。探索や戦闘にどれほど時間をかけるかは、プレイヤーに委ねられている。

難易度は、NORMALのほかに「VERYEASY」、「EASY」、「HARD」、「SURVIVOR」が用意されており、プレイヤーや仲間、敵の強さ、隠れやすさ、物資の量の5つの項目が、難易度に応じて変化する。加えて、5つの項目は個別に設定することも可能。強い敵と戦いたいけど物資もたくさん欲しい、プレイヤーと仲間を強くし、弱くした敵を蹴散らしたい、といったことも実現できるのだ。ゲームが得意な人はもちろん、ストーリーを集中して楽しみたいライトゲーマーにも配慮した作りになっている。

 

復讐が生む新たな復讐



わずかな情報をもとに探索する不安感、限られた資源をやりくりしながら敵と戦う緊張感は、前作から堅実に引き継がれている。シビアなサバイバル要素も「The Last of Us」の醍醐味だが、本作の本質は、前作を踏まえた物語にある。前作では、血筋を超えた親子の絆や愛といったテーマが描かれた。



本作には、愛に復讐が加わる。詳細は明かせないが、平穏なジャクソンでの生活を捨ててまで復讐を決意するのだから、よほどのことだ。生き残るため、それぞれの掲げる信念や正義のため、軍や抵抗組織「ファイアフライ」といったさまざまな勢力と戦いをくり広げた前作も相当だったが、愛ゆえの復讐劇が繰り広げられる本作の物語はさらに重い。


ステルスキルした際に喉を切り裂く、バールやハンマーで頭を殴りつける。命乞いに構わずとどめを刺す。戦闘でエリーが敵に対して取る行動のひとつひとつにも、重さは現れている。本作のディレクターを務めているニール・ドラックマンさんによれば、登場する敵全員に名前が設定されているのだという。そのためか、エリーに殺された者の名前を味方が叫ぶことがあり、聞いていて辛い。激昂したり、泣いたり、罵声を浴びせたり、反応は敵によって変わる。だがエリーも復讐を遂げるために、そんな相手と戦わねばならないのだ。



物語を進めていると、「WLF」構成員をはじめ、街の住人たちの思い出や過去を垣間見ることのできるメモを、フィールドの各所で見つけられる。特に「WLF」は意に沿わない者は容赦なく殺す集団だが、そこに所属しているのはエリーと同じ血の通った人間で、単純な正義と悪の対決になっていないところが本作の肝であり、辛いところでもある。本作は敵を倒すことの爽快感を重視する類のゲームとはまるで異なり、登場人物たちの生きざまを切り取ったドキュメンタリーと言っていいかもしれない。



筆者がクリアまでにかかった時間は、約28時間。前作に見られた過酷で容赦のない戦いや重厚な人物描写は健在で、むしろよりブラッシュアップされている。第1作で物語は完結していたと思っていたが、本作を遊び終えた今では、ふたつの作品をもってひとつの「The Last of Us」という物語になっているように思えた。前作なくして、本作はなかった。復讐、正義感、愛など、さまざまな要素が絡まったエリーの旅はどういった結末を迎えるのか。発売まであと1週間。ぜひ、その目で見届けてほしい。

 


(文・夏無内好)

 

【作品情報】

■The Last of Us Part II

ジャンル;サバイバルアクション

対応機種:Playstation 4

プレイ人数:1人

発売日:2020年6月19日(金)

価格:7,590円(税込)※パッケージ、ダウンロード版共通

CERO:Z(18歳以上対象)

 

(C)Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Naughty Dog, LLC.

The Space Needleis a registered trademark of Space Needle LLC and is used under license. All trademarks are the property of their respective owners. Appearance in this game does not imply sponsorship or endorsement.

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