「本格的ロボットごっこをしてほしい!」 開発者に聞いた「星と翼のパラドクス」の可能性

2018年11月06日 20:000
開発責任者の丹沢悠一氏

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「星と翼のパラドクス」は、8対8で対戦し、相手の陣地を奪っていくというゲームシステムになっている。1試合は約7分。プレイ中は撃墜されても一定時間経過すると再出撃が可能で、1クレジット300円、コンティニューは200円となっている。

 

 

戦闘をしながら相手の陣地を奪い、最終的にコアを破壊すれば勝利


「陣取り合戦にしたのは、比較的スタンダードなシステムなので今のゲームセンターシーンになじみやすいだろう、という考えがありました。対戦が8体8なのはプレイヤーひとりの責任をあまり重くしすぎないためです。対戦ゲームにおいてライトなユーザーさんが最初の1勝目をもぎ取るのはとても大変ですよね。たとえば格闘ゲーム初心者がゲームセンターで1勝するには、もしかしたら100戦でも足りないかもしれない。よほど根性がないと、続けられないです。そこで、ライトなユーザーも気軽に参加できるように、試合に参加する人数を増やしたほうが負担も緩和されるだろうと考えました。」(丹沢氏)


ゲームセンターのゲームは稼働期間が長くなると、次第にコアユーザー向けの傾向が強くなってきてしまい、初心者へのハードルが高くなるという悩みがあったらしい。

 

プレイ中は操作や状況確認でかなり忙しい印象。臨場感のあるごっこ遊びだ


「今まで私が担当してきたアーケードタイトルは、どちらかといえばコア寄りなユーザーさんをターゲットにしてきました。もちろん繰り返し遊んでくださるユーザーさんは、とても大切なお客さんではあるのですが、今回は体感ゲームとして、より遊園地感覚でやってもらいたいという思いがあります。お試しモードならNESiCA(ICカード)なし100円でプレイできますので、いきなり対戦ゲームだと構えないで、まずは気軽に体感してもらいたいな、ロボットの挙動を楽しんでもらいたいなと考えています。あまりゲームセンターに行ったことのない人に遊んでもらえたら嬉しいです」(丹沢氏)


このため、本作では、最初はシングルプレイでのマッチングプレイを重視していくそうだ。チームでのプレイが前提となってしまうと、「気軽に遊べる」という部分にも弊害があるかもしれないからという配慮からだそう。


「チーム戦は店舗大会や交流戦など、特別なときに遊べるようにしていこうと思っています。ランダムマッチングのソロプレイヤー8人より、8人のチームのほうがどうしても強いんですよ。それを解禁してしまうと『8人いないと遊べないゲーム』になってしまう。もちろんチーム戦の楽しさはあるので、それは時期を見て提供していきますが、稼働当初はひとりで遊べるゲームだということを認知してもらいたいと思っています」(丹沢氏)


ロボットアクションということで武装も気になるところ。本作では初期状態から12種類の武器のなから両椀1武装ずつ、換装も可能なので、最大4つの武器を装備してプレイが可能だが、今後これらの装備は、順次増やす予定があるという。

 

 

武装や機体のカラーリング変更などは、ゲーム画面やネシカカードを登録すれば
専用のコンパニオンアプリでも設定が可能になるそうだ


「武器に関しては、とにかく自由に作ろうという思いがあります。せっかく版権モノじゃないんだから、どんな魔法みたいな武器を出しても誰にも怒られないので(笑)。ですが、初めから特殊すぎる武器を出しすぎてしまっても理解が追いつかなく、なってしまうので、最初は比較的わかりやすいものに限定して、稼働後に順次増やしていこうとしています。実はもう、半年くらい先までの武器の準備はできています」(丹沢氏)


「アーケードはワンゲームプレイするのに必ずお金を投入していただくので、基本無料のゲーム的に言えば『100%が課金ユーザー』であると言えます。そのため、武器は毎試合終了後のアイテムドロップか、試合ごとにもらえるポイントでのショップ購入にし、プレイしていく中で無理なく入手できる設計にしています。稼働から何年か経って始めたユーザーさんが先行しているユーザーさんに追いつくため…などのニーズが出てきたらガチャも検討するかもしれませんが、今の所はまだ考えていません」(丹沢氏)


また、オフィシャルの大会なども企画中だが、本作ならではの独自の方法を考えているという。

 

1ゲーム終了後はリザルトやアイテムドロップの情報が表示される


「公式の大会などは、来夏くらいにやれればなと思っています。地方のゲームセンターを盛り上げたいなという思いもありまして、甲子園(全国高等学校野球選手権大会)っぽくしたいなと思っています。甲子園だと出身県の代表が頑張っていると、それほど興味がなくてもすごく応援するじゃないですか。そこで自分の所属する県代表が勝ち進むと、何らかのボーナスがもらえるような、みんなで盛り上がれる大会形式を考えています。」(丹沢)


eスポーツ的な展開も期待できる大会案だが、この方針になったのは、ゲームセンターというコミュニティで交友関係を作った丹沢氏の経験なども影響している。


「あの人はどこどこ店にいる何々さんとか、僕も昔アーケードゲーム勢だったので、そこに行かなきゃ会えなかっただろうという友達がいて、今でも大切な友人だったりします。ネット対戦などが主流になっている今こそ、そういったコミュニティを大切にしていきたいなと考えています」(丹沢氏)

 


しかし、47都道府県全てのゲームセンターで初日から稼働するということには残念ながらならなかったらしい。丹沢氏は「悔しいですけど、鳥取と島根にはないですよー」と話す。今後盛り上がりを見せ、本作が全国で稼働することに期待したい。

(斎藤雅道)

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  • 開発責任者の丹沢悠一氏

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  • 「星と翼のパラドクス」

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