YOU44さんの評価レビュー

»一覧へ

「オタクライフ」バイブス

観賞手段:ビデオ/DVD
昨日ゲオで『映像研には手を出すな!』
の漫画をチラ見した。
シンプルな絵で好感が持てた。
帰ったらこのアニメを観ようと思った。
その足でジムへ行き
帰り際、退会申請をした。
コロナ感染拡大でマスク着用が
義務化になる。
ジムでマスクは個人的に相容れなかった

さらにこの話にはオチがあって
家で観たのは『映像研』ではなく
この『げんしけん』だった。
『映像研』だと思って観てた(汗)

アニメを見出してすぐ
あれ?っと思った。
オープニングが萌え系なのだ。
取り出してディスクを見ても
間違ってない。
多分ほとんどの人が騙されるだろう。
作品中のアニメのオープニングなのだ。
しかもちょっと前時代的な古い感じのやつ。
さらに騙された感があるのは、
オープニングで一本取られた後
いま風の3D感のあるきれいな本編が
始まると思いきや、
やっぱり本編も前時代的なのだ(笑)。
(この辺は『現視研』と『げんしけん』が
ごちゃまぜになっている)
でもこれが実はいい布石になる

何だろう、このほのぼのとした
居心地の良さは。
背徳的と言ってもいい。
いわゆる「おたく」の空気感。
おさまりが良い。
なぜ「背徳的」なのか。
それはおたくのイメージが
ジムで体を鍛える自分の理想と対極だったから。
オタクはカッコ悪い。
そのイメージはミスチルが言うところの
「自分らしさの檻」。
自分の固定観念、先入観だ。
古いおたく像を描くことで
その愚かさが際立つ。
これが「布石」ということ。
第1話の最後に主人公はこう言う
「俺に足りないのは覚悟だ。
欲望のままに生きる覚悟」

サークル棟やキャンパスに
既視感があったが
案の定モデルは中央大学だった。
新入生のサークル勧誘って
確かにこんな感じだ。
ワクワク感、緊張感、不安、戸惑いを
きちんと描いている。
漫画研とアニメ同好会と現視研を
回るあたりかなりコアだ。
実物フィギュアのパンツを覗くとか
エロ本探しちゃうとか
思わず頷く身の丈感が好ましい。
エンディングはサークル室で
ただテレビが流れてるだけ。
毎回内容によって微妙に変わる。
好き者が凝りに凝った拘りの一品だ

サークルの先輩たちのおたくっぽさが
だんだん愛らしく思えてきたら
もうそっち側の住人だ。
その心地よさはまさに新世界

第9話は異質だが白眉だ。
登場するのは斑目と春日部のたった2人。
しかもほとんど部室内、斑目の独壇場。
観れたのは人生の収穫と言っていい。
過去にもこういうのあった。
『ハルヒ』で長門が一人でずっと本を読んでる回。
『ルパン三世』でルパンが銭形へのお返しに
ずっと刑務所に入ってる話。
『ゴルゴ13』でスープの塩分で鉄格子を
錆びられて脱獄するやつ。
こういう回が尊い

エンディング「びいだま」の
「歩き続けた 深夜の井の頭通り」
ってとこがいい。
この曲の影響は計り知れない。
「祭りの後」「夏の終り」感が
いつも底辺にある。
この時間が限られたものであることを
感じさせる。
青春ものの傑作だと思う
YOU44
YOU44
ストーリー
-
作画
-
キャラクター
-
音楽
-
オリジナリティ
-
演出
-
声優
-
-
満足度 5.0
いいね(0) 2020-09-29 16:05:01

ログイン/会員登録をしてコメントしよう!