CUDAさんの評価レビュー

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原作を大きく改変しての試み

観賞手段:テレビ、CS/BS/ケーブル
通常、オリジナルアニメでないほとんどの作品には原作の著作権の一部を保有する出版社等の存在があります。
京都アニメーションの作品で言えば、氷菓は角川書店が、けいおん!は芳文社がそれにあたるわけですが、本作は珍しいことに、アニメーション制作会社である京都アニメーションがKAエスマ文庫として原作を出版しています。原作の絵師も京都アニメーションの元スタッフです。
スポンサーにも京都アニメーションがついています。

それらを活かしてか、シリーズ構成に花田十輝さんを起用し、ストーリー、キャラクターをはじめとして様々な設定の根本部分を原作から大きく改変することが容易にできたようです。
原作とは大きく異なるストーリーが展開されるため、原作を読んだとしても次の展開はわからず、ほとんどオリジナルとして見ることができました。

これはかなりチャレンジングだったかと思います。
アニメを見て原作を買ったら全然違うじゃないか・・・となるわけですから。
もしかしたら受け入れられないこともあるでしょう。
しかし、結果としてうまくできた。

12話という限られた話数の中で、ほぼ毎回大きな展開が用意され、テンポよく進んで、観ることに疲れることがなく、気づいたらあっという間に最終話でした。

ダークな部分を扱うのではなく、なるべく面白おかしく描いていこうという方針を放送前から監督が発表していた通り、コメディの部分が多かったのでこの「中二病」というテーマを扱っていても、ロマンスやシリアスのような要素にシニカルな観方をしなくて済みました。

個人的には、設定・展開的にやや強引な部分があるのと、いわゆる邪気眼系以外の中二病のキャラクターが出てきてほしいと思ったのと(冒頭の大塚芳忠さんのナレーションでは触れられていますが・・・)、くみんの存在が謎すぎるのと、勇太と六花以外の主要キャラクターをもっと深く掘り下げてほしかった、恋愛要素はもっと強くてもよかった、クラスメイト含めて皆あまりに"善人"すぎる、といったようなマイナス要素を考慮してストーリーとキャラクターの点数をつけときました。

映像に関しては、本作の一つ前の京アニ作品の「氷菓」に比べると全体的の品質がやや劣りますが、撮影や色彩といった部分は精細かつ大胆で良かったかと思います。
また、キャラクターの爪や唇にかなりこだわっている印象を受けました。

キャスティングは初めてキャストを見た時の予想以上にぴったりで驚きましたが、やはり一番の立役者は勇太役の福山さんでしょう。さりげない台詞の演技が素晴らしかったです。

歌ですが、ネット配信されていた"Lite"のエンディング「漆黒に躍る弧濁覇王節」をTVアニメのエンディングすればいいのにと思ったほど面白い曲でした。それだと後半でムードブレイカーと化しますが・・・

原作含め、この作品の今後の展開はどうなるのでしょうね。
CUDA
CUDA
ストーリー
3.5
作画
4.0
キャラクター
4.0
音楽
3.5
オリジナリティ
4.0
演出
4.5
声優
4.0
4.0
満足度 4.0
いいね(3) 2012-12-20 08:37:25

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コメント 1件
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[2012-12-22 01:36:24]
参考になるDEATH!フォローさせていただきまっすDEATHっヨ! (`・д・´)ゝ