YOU44さんの評価レビュー

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メイドとヤクザのハイブリッド

観賞手段:テレビ
この例えが適切かどうかわからないが
『ガルパン』を初めて観た時のような衝撃があった。
主人公のなごみじゃないが
何が起こっているのかわからなかった。
でも知っている。この感覚は極上のアニメ
作品特有のものだ。
落合陽一は『忘れる読書』の中で、
デジタル時代の真の教養として異なるものが「往き交う」
「とろけあう」ことのオリジナリティを語っている。
メイドとヤクザ、この「何が起こっているかわからない」
混在に新しい地平を感じたんだと思う。
冒頭1985年に始まり、1999年に。
アキバの街の様子、髪型にメイド服の変化。
時代考証が精確でアキバに詳しい人の作品だと分かる。
華やかで胸キュンの舞台とは相反する
血なまぐさいヤクザな話。この落差がすごい。
初めて登場した時のゆめち
「テンチョー、何か来たー」
あの豹変ぶり。店長もそう、ラーメン店主もそう、
キャラ立ち、小細工が完璧だ。
放送開始から掘り出し物の予感がぷんぷんする。
なごみの声は近藤玲奈。大好きな『陰の実力者』のイータ。
ちょっと幸薄い、貧乏っぽい声がいい。
嵐子は佐藤利奈。『ネギま!』のネギ、『とある魔術』の美琴だ。
第10話、パンダの御徒町がしゃべったのは驚いた。
しかも声は『ハルヒ』の平野綾だったのだ。
なごみが「カップル」を「アベック」と呼んでまたびっくり。
個人的に最も好きで印象的だったのが、最終話、店長が黙って
ドアを締めるシーン。この「間」「はずし」が素晴らしいと思う。
何気に店長と御徒町(パンダ)が真髄なのだ。
プーチンを彷彿する凪(なぎ)、諦念、まさかのラスト、
大団円じゃないのが渋い。
貫かれたカッコ良さにしびれる。
YOU44
YOU44
ストーリー
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作画
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キャラクター
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音楽
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オリジナリティ
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演出
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声優
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満足度 4.0
いいね(0) 2022-12-28 12:00:11

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