ejmさんの評価レビュー

色々そぎ落とさなければならず、作品の持つ魅力が全て表現出来たとは言い難いのが残念。前半三話位目までのテンポの良さに感心すると共に、後半の皺寄せを懸念してたらまさにその通りだった。ハルやロウに起承転結に於ける転の部分で、重要な役割を担うサブキャラがカットされている為、微妙な心境の変化等を窺い知る事が出来ず妙に痛々しい。更にハルと母親との複雑なバックボーンもカットされているので、エキセントリックな彼女の言動の説明がほぼほぼなされておらず、色んな面でやっぱり痛い。作者公言の面倒くさい女である榀子の描かれ方は概ねブレがなかったので、彼女中心に構成を…って事だったのだろうか。歯痒いメイン処の面々に比べて、清涼剤的なサブの面々も福田夫婦以外は出番に恵まれず残念。バンド活動に悩む木下さんエピソードを入れろとは言わないが、一応熊さん案件で掠る彼の妹くらいは出して欲しかった。