大賢者さんの評価レビュー

終盤になるにつれ展開にはてながつく所がありましたが、全体としては人が紡ぐ歴史への思いが深まるような、そんなアニメでした。
ただ、内容の薄い日常系アニメばかり見てよだれを垂らす層にはおすすめできません。

ストーリー：全体を通して非常に面白くほとんど文句のつけようがありませんでしたが、最後に死後の世界を持ってきたり、突然16年後に飛んで、どうやって落語が再興を果たしたかが視聴者の想像任せになってしまった点が残念でした。特に死後の世界編？についてはいきなりファンタジーになったため違和感が拭えませんでした。夢だとか老人の妄想だとかで良かった気がします。
また、誰の子供かという話ですが、現実的に考えてそれはおかしいでしょう、と思います。

オリジナリティ：他の落語アニメとは違い、落語を真剣に取り込みストーリーが進む際のよいエンジンとしています。キャラクターは現実にいそうな人を設定していて、青い文学シリーズを思い出すような深い話になっているため、非常に新鮮に感じました。

作画・キャラデザ：作画は原作が少女漫画のため仕方ない部分もあるでしょうが、もう少し渋い絵であれば内容と合致してよかったと思われます。現状でもかなり渋くはしているのでしょうが、如何にも近代的なキャラクターデザインである点が惜しいです。

演出：如何にもな腐女子(女子)向けのサービスシーンが残念でした。

キャラクター：全員色っぽく、魅力的なキャラクターばかりでストーリーにのめり込むことが出来ました。

声優：お金がかかっているでしょうに、大御所の声優を多数起用し、見事落語アニメの完成形といえる本作を作り上げることが出来ています。一人でも違和感のある下手くそが居れば台無しになっていたと思います。声優のみなさんもかなり苦労されたかと思います。このアニメの見どころだと思います。


色々と不満な点を書きましたが、本筋にほとんど関係のない些細な事であって、全体としては素晴らしい出来だったと思います。