ぶん630さんの評価レビュー

ふらっと立ち寄った映画館で試写会応募のポスターを見て、「友人が好きそうだな…」という軽い気持ちで応募しました。映画を観に行くことをしない人間だったので映画の情報なんてチェックしているわけもなく、実は試写会に行くまで話題作であることすら知らない時代遅れでした。
実際に『君の名は。』を観て、言葉にできないほどの感動を覚えました。糸守町ほどではないですけど、九州の宮崎の田舎に住んでいた私は三葉の東京に憧れる気持ちが結構理解できてしまって、雑誌やCDの発売も数日遅れるのが当たり前、入荷数が少ないからそんな数のない本屋を自転車を漕いで梯子するしかなかったり、今やってるスタンプラリーみたいな都会でしか行われていないキャンペーン情報をただ眺めることしかできない。常々「もうこんな町いややー！来世は東京のイケメン男子にしてくださーい！」なんて叫びたくなる日々を送ってきて、大学は都会に行こうと思っても勇気がなくて結局鹿児島止まり、それでも地元よりも都会な風景に目を輝かした思い出がよみがえりました。
東京という街に憧れをもつ我々田舎の人間は瀧in三葉の都会の雑踏を物珍しげに、それでいて楽しい、凄いというキラキラした目が「ああ、自分もこんなリアクションするなー」と頷きたくなるんじゃないかなーって思った。
そこ以外にも共感する事や笑ったこと、泣いたこと色んな思いをこの『君の名は。』という映画でして、それを言葉にする事が大切なのに、この感動を言葉にしようとすると薄れていきそうで現すことが出来ない感動が逆にもどかしくなります。
何回観てもその時その時で見えてくるものが違う、そんな作品に出会えたことが、この『ムスビ』に感謝です。