にゃんたさんの評価レビュー

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運命について。

観賞手段:劇場
ネタバレ
とても素晴らしい映画でした。
新海監督の作品は、学生時代に「秒速5センチメートル」を観てから何本かチェックしてましたが、今回は間違いなく最高傑作だと感じました。

まずは配役。神木くんも上白石さんもとても熱量を感じる演技で、観ていて感情移入してしまいます。2人の中身が入れ替わるシーンの雰囲気は上手いなあと驚かされました。
他キャストも長澤まさみさん、市原悦子さんをはじめ悠木碧さんなどの豪華メンツ。安心して物語に入り込めます。

そして、この映画で特に新しいチャレンジなのが音楽です。全編をバンドRADWIMPSが担当するという試み。
僕自身、RADWIMPSにはここ1年くらいで丁度ハマっていたので、とてもタイムリーな抜擢で嬉しかったです笑
劇場で観る前に、主題歌系の楽曲はチェックしていたんですが映画を観た後では聴こえ方が全然違います。
予想以上に映像をマッチしているし、音楽の力で感動を覚えたシーンが幾つもあるくらいです。
RADWIMPSの振り幅の凄さと楽曲に込められた熱量も感じられる。そして何より、映画にこれ以上ないくらい合ってました。

新海監督の作品は映像美に定評がありますが、今回も期待を裏切らない、むしろ期待以上の仕上がりでした。
特に序盤からの、ティアマト彗星のシーンの美しさには圧倒されます。

そして今作からは物語に込められた強いメッセージ性も感じました。
ティアマト彗星が、後半の展開で街一つを壊滅させた歴史的事件を引き起こしていた事が明らかになります。このシーンは東日本大震災、熊本地震などの天災を思い浮かべずにはいられません。
その災害から三葉を救おうと奮闘する瀧の姿こそ、どんな事にも負けない、負けてはいけないというメッセージを感じます。
これから先も何が起こるか分からない中で、悲観するよりも瀧と三葉のように、前を向いて立ち向かう姿勢が大切だと思いました。

決して出会う事のない2人が、お互いの事を知っているはずなのに忘れてしまった2人が、ラストで声を掛け合うシーンでは涙が溢れて仕方なかったです。
ずっとなにかを、誰かを探している、と冒頭で瀧のナレーションが入りますが、そういう感覚を持ってる人は実は多いと思います。
そんな人達にこそ、「君の名は。」は観てほしいです。

運命を信じてみたいなと感じさせられました。
にゃんた
にゃんた
ストーリー
5.0
作画
5.0
キャラクター
4.5
音楽
5.0
オリジナリティ
4.5
演出
5.0
声優
5.0
5.0
満足度 5.0
いいね(0) 2016-09-01 02:25:39

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