ありえない設定だけど、そこにあるのは日常の風景
観賞手段:ビデオ/DVD、VoD、動画サイト
ありえない設定だけど、そこにあるのは日常の風景。原作も読んだが、声優や主題歌など、文字だけの小説やマンガよりも、アニメは「具体的」に嬉しさや、哀しさなどの感情がナマに眼、耳から直接伝わる。紙の上だけの「ひとりよがりの想像の世界」から、アニメや劇場版では日々の暮らしのように素直に感じることができた。繰り返し襲ってくる「リバイバル」は、日々の暮らしで感じるデジャブのようだし、トラウマでもある。あらためて考えてみると、ストーリー展開のなかのイベントは、虐待、誘拐といった暴力ばかりなのだが、この暴力から主人公のみならず観客をもすくいだしてくれるのが、実社会では中々得難く理想ともいえる仲間や友情、というのが、現代社会で倦んでいる若い人にもなんとか受け入れられている理由ではないか。いずれにせよ、マンガ、ノベライズ小説、テレビアニメ、劇場用とどのメディアでも耐えられるストーリーは、枝葉で変っているものの、悟の強い意志とその周りの少女の思いで骨太に組まれており、このストーリもすごいと思う。さらに、マンガから劇場版への変遷のなかで、良質な作画が品質を落とすことなく、またキャラクター設定に合致した、声優のキャスティングなど、きめ細かい演出がされていることは、近年の作品群でこれだけの品質を維持できていることは稀有である。次の展開として考えられる実写(映画)の失敗で、原作がダイナシになることを、強く畏れる。
- ストーリー
- 4.5
- 作画
- 5.0
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 4.5
- オリジナリティ
- 4.5
- 演出
- 4.5
- 声優
- 5.0
- 歌
- 5.0
満足度
4.5
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2016-04-15 13:16:24