CUDAさんの評価レビュー

リアル寄りのアプローチとは裏腹に、キャラクターの心の内を語らせすぎているようにも思えます。
そういった部分を指摘できるという意味では、この作品はリアルな世界観の構築には成功しているのでしょう。

映像面だけでなく、ストーリーの語り口も綺麗ですし、物語・演出・映像のバランスが取れています。ミュージカルの部分も含めて作品全体で「順」の物語を語っているようなプロットは良く出来ています。

「あの花のスタッフが贈る」と宣伝されていたので比較すると、あの花よりもリアルな作風でメッセージ性も強いですが、あの花のようなエモーショナルな演出はしていないといった感じです。

「心が叫びたがってるんだ。」はTVアニメシリーズとしてはやりにくい題材ですが、映画としてはぴったりの一貫したプロットになっていて、陳腐な表現に頼っていないという点でも評価できます。

しかし個人的には、もう一つなにかパンチの効いたストーリーあるいはキャラクターの掘り下げが欲しいような物足りなさも感じました。
それと・・・担任の先生が謎すぎます。