子供の頃に観ていたアニメだから、詳細までは覚えてないけど、とにかく怖かった。不気味だった。でも大好きだった。そんなアニメ。よく考えると、あの頃は、デビルマンとか、そういう人外アニメって結構多かった。子どもはそういうのをまったく違和感なく観られるから。今のアニメはそういうところが、子ども向けじゃなくて、それがちょっと悲しい。
妖怪博士こと水木先生の訃報を聞いて、もう一度鬼太郎を見直してみたくなった。ちなみに、僕にとっての鬼太郎はモノクロの1期と、この2期のみ。3期?は、鬼太郎が人間の味方みたいになってて、それはそれで違うなと思ってしまったので観てない。鬼太郎はあくまで人間とは距離を置いた妖怪であってほしい。そういう地平からでないと見えてこない世界がある。鬼太郎は、強烈な文明批判の物語である。破壊され脅かされる自然が妖怪という形をとって、人間界に復讐しようとする。それを何とか押しとどめて、世界の均衡を保つ存在、それが鬼太郎だ。
声はやっぱり野沢雅子さんがいい。野沢さんは、この作品が主演デビューだそうだが、その後も「銀河鉄道999」の鉄郎、「ガンバの冒険」のガンバ、「ど根性ガエル」のヒロシなど、本当に名作の主人公キャラを素晴らしく演じていて、僕の子ども時代のいちばんの声優さんだった。
もう一度観てみたい、子ども達にも見せたい。そんな名作である。