soiboshiさんの評価レビュー

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白昼夢のような、名作

観賞手段:テレビ、ワンセグ、動画サイト
ネタバレ
1話から最終話まで視聴しました。
現実に起こったら大問題になる難しい題材を組み込みながら、
それを非常にうまく扱った名作になっていると思う。

東京都庁の突然の爆破テロ。
事件まえに予告を匂わす動画が投稿されていて、
数年前に関わった政府要人の事件から閑職に追いやられていた
刑事・柴崎は、事件に興味を持ち始め、次第に核心へと
迫っていくことになる。

テロを起こしたのはスピンクスと名乗る少年ふたり。
ただの少年とは思えない巧妙なやり口で、警察を翻弄していく。
爆破テロという甚大な被害が出かねない事件。
しかし毎回必ず死亡者はゼロ、怪我人も最小限に抑えられるよう
緻密に計算されているのだった。

スピンクスと警察の頭脳戦。
そこに普通の女子高生リサや、スピンクスのふたりである
ナイン、ツエルブと呼ばれる少年たちの過去を絡めながら
物語は思わぬ方向へ大きく動いていく……

アニメとしてよく企画が通ったなぁと驚きを隠せない作品です。
それほどリアルにテロ行為や現実世界を取り入れたものになっており、
加えて、ナインとツエルブに深く関係している極秘事項、
『アテネ計画』と呼ばれる謎も下敷きになっている。
現実にあったら恐ろしいことです。

そうしたデリケートで難しい題材を取り扱いながら、
菅野よう子さんの素晴らしい音楽と、まるで白昼夢のような
リアルで美しい映像が相乗効果を生み、非常に面白く飽きさせない
『作品』として物語を締めくくれているのは賞讃にするに値します。

ナイン、ツエルブ、そしてハイヴの背負ってきた厳しい運命は
非常につらいものですが、かれらは自分の想いを遂げるために
一直線に生きてきたのだなと、愛着が湧きました。

また、作品の清涼剤であり重要な役割を担っていたリサと柴崎は、
最後までブレのないキャラで、好感が持てました。

物語の表面だけを見ていると物騒なアニメですが、
回が進むごとに明らかになっていく謎や人間関係が非常に魅力的です。
タイトルの『残響のテロル』も物語を深くよく表しているところです。

この作品を観ることができ、非常に嬉しく思いました。
レビューで初めてオール5をつけます。
毛嫌いせず、偏見は捨てて、まっさらな心で観てほしい作品です。
soiboshi
soiboshi
ストーリー
5.0
作画
5.0
キャラクター
5.0
音楽
5.0
オリジナリティ
5.0
演出
5.0
声優
5.0
5.0
満足度 5.0
いいね(0) 2014-09-26 10:55:29

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