こんな後出しじゃんけん、勝てるわけがない(涙的に)
観賞手段:テレビ
主人公の有馬くんがピアノの天才で、幼少時から女子をキュンキュンさせまくる存在であることは、まぁいい。注目されることに鈍感で、恋心に気づかないからハーレムが形成されてしまうことも、まぁいい。飛び抜けた才能と鈍感性は今時のハーレム物のテンプレートなのだから...
だが、そこに病気で死んだ母と最終回に病気で死ぬパートナー(宮園さん)の存在がお涙頂戴要素として出てくる。
とっても元気そうに登場したバイオリン弾きの宮園さんは、実は重い持病を持っていて、幼少の頃から主人公に憧れていた。彼女は、自分の残り人生がそれほど長くないと知ったとき、それを隠しながら主人公との出会いを演出し、最後の日々を歩んでいく。
回を進める毎に明かされていく物語の裏側。
明るさと暗さのコントラストが回を追う毎に徐々に変化し...
最終回、宮園さんの手術が始まり、有馬くんは演奏に向かう。
演奏中に有馬くんは宮園さんの死を覚悟し、宮園さんの死を乗り越えた有馬くんで終わる...
肉付け要素の音楽面が超本格で(脚本も映像も)、登場するキャラクター達もしっかり描けていて、作品を単なるハーレム物の主人公成長物語の域を脱している。本格の音楽アニメというつもりで見続けてきたのだが、ここまでくると、“弾かなくちゃいけない”とか“音楽でしか語り合えない人種だから”とか、音楽家としての矜持が出てきても関係ない。
こんな後出しされたら、涙無くして見終わることは出来ない。
音楽に真摯に向かい合う少年少女の物語という筋に
ここまで強烈なお涙要素は必要だったのだろうかと思う。
そういう意味で、ラストシーンの手紙もいらなかった。
こんな追い打ちくらったら、自分ならずっとウジり続けていく自信がある。
- ストーリー
- -
- 作画
- 4.5
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 4.5
- オリジナリティ
- 2.0
- 演出
- 4.0
- 声優
- 4.0
- 歌
- 4.0
満足度
2.5
いいね(0)
2015-04-02 16:18:20