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最近のアニメ動向について
―――今のアニメ業界を見渡して、「これは面白い!」「これは違うのでは?」という感触はありますか。
水崎氏:
同業から移ってきた先名さんはあるかもしれないけど、良かった点はありますか?
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先名さん: 前の会社はフルCGや実写が多かったのですが、「おおかみこどもの雨と雪」に参加していました。最近のアニメ動向は注意しているのですが、実写取り入れていたり、意識しているアニメが増えたなぁと感じていて、カメラに実写の知識を取り入れているような作品はとてもいいなと思います。
(C) 2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
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水崎氏:
それは(細田監督の)前作「
サマーウォーズ」でもやっていたんですか?
先名さん:
私は「サマーウォーズ」に参加していないので詳しくはわからないのですが、「おおかみこどもの雨と雪」は実写を参考にすることが多かったですね。お世話になったディレクターもよく実写を参考にされていました。
―――確かにアニメ監督を取材すると、実写映画を引き合いに出される方は多いですね。
水崎氏:
僕の世代とかアニメを見てアニメを作るのに抵抗がある世代なんです。でも最近ちょっと変わり、アニメを資料にする子も増えていて。僕はそれに対し、昔は「けしからん!」とか(
サザエさんの)波平みたいなこと言ってましたね。でも、今は結果できていればいいかなって感じです。
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先名さん: 私も、なるべく嘘をつきたくないので実写を参考にします。ぼけかたもカメラの事を考えてぼかします。最近でいうとTVアニメの「氷菓」はストーリー、撮影全てにおいて素晴らしかったです。神風はそういうところ、ちょっと意識が薄いなって感じはありますが・・。
(C) 米澤穂信・角川書店/神山高校古典部OB会 |
(一同爆笑)先名さん:
作品の傾向が違うというのもあると思いますが難しいですよね。必ずしもアニメを実写のようにするのもちょっと違うと感じます。取捨選択を考えていかないといけないのかなと。作りたい絵が明確じゃないとダメで、知識だけがあっても仕方がない。使う必要のある絵だけに使う。でも神風さんは――。
水崎氏:
神風さんって(笑)。
先名さん:
あ(笑)!神風は作りたいものが明確で、CGをツールとして作ってるところが魅力的。アニメは実写と違い、自分の好きなものしか置かない。いらないと思ったものは描かないし、あるものには意味があります。神風の作品は全部カッコイイ。それが魅力かなと思います。
水崎氏:
必要なものだけ置いてあるのは、リアリティがないかもね。テーブルが歪んでたり、ゴミが落ちてたり。たまたま写り込んじゃったものって、アニメだと描かないですもんね。
先名さん:
はい。そういうことを意識してやるのが面白いですよね。
水崎氏:
「
ガッチャマン クラウズ」は観ました? レイアウトが実写で、あれは立川を舞台にしたシリーズ。撮った写真にキャラクターを乗せているんですよ。
先名さん:
はい。見ました。実写をどう使うかは難しいですよね。実写を目指すわけじゃないですし・・・。自分たちの世界観を落とし込むのはアニメが一番表現しやすいのではないかなぁと最近思います。