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填島聖護クンの最後

観賞手段:テレビ
ネタバレ
最近のクライムサスペンスもの※1の傾向でしょうか?ラストで犯罪者に後悔の念を抱かせません。最近みた「紙の月」の宮沢りえなんかは、小林聡美の見ている前で、斜め30度で見事安っぽい塀の角を抜け、その後ぬけぬけと○○逃亡です。(オチはつきますが。)例えば「天国と地獄」や「俺たちに明日はない」なんかは、やっぱ最後、観客に『所詮悪いことをすると最後はこうなるのね。 ┐(´ー`)┌』という気持ちを起こさせる終わり方になっています。啓蒙的でミエミエかもしれませんが。

槙島がテロリストでアンチシュビラで凝り固まっていて、自身のしでかした(それはもうひどい鬼畜な)殺人を正当化しています。狡噛はシュビラについて意見があるように見えないので、一番填島に後悔・反省させねばならないのに、二人ともインテリで妙に狡噛からの(色々意見していますが)説得は弱く感じます。シュビラに対してyes/no決めかねているあかねちゃんはなおさらです。

填島が本当にアンチシュビラを貫くのであれば、17話・医療室完備の(揺れない)オスプレイの機内で素直に局長に同意して、脳を提供してシュビラ内で反乱すればよいのです。(填島2期延命ルート)「脳みそくっつけただけだ。」とガリバーを引用。「これからも現役(プレイヤー)として参加したい。」と主張していましたが、アンチシュビラをダシにして「やっぱり今まで通り人殺しを楽しみたい。」と言っているようにしか見えませんでした。

^O^サイボーグ局長は、填島が目覚める前に、すくなくとも彼の自慢のナイフで頭をつるつるにしてやれば良かったと思います。そうすれば、後半のクライマックス(填島延命編)で彼はTHX-1138のロバート・デュバル※2ではありませんが、少しは間抜けな格好でアクションをしなければなりません。カツラが取れてもよいかもです。

填島の抱えるもう一つの疑問点ですが、中盤(11話)で人間狩りが趣味の名士・泉宮寺の件。あれだけ逃げろと説得しながらあっさりと見放します。資金源としてのパトロンかと思っていました。填島のファイナンス(源泉)はどこにあるのでしょう?ものすごく気になります。

演出上、狡噛と填島の関係が拳(アクション)で語り合う関係に見えるので対立軸が弱くてどうもはっきりしません。これと比較してベタですが、宜野座と義手の征陸の親子関係ははっきりしていて伝わるもの(感動)がありました。征陸の中の人の声が、「地獄少女」の輪入道に似ていて、あかねちゃんを終始お譲ちゃんと言ってはフォローする(シンパ)ので好感が持てました。

填島がラスボスで1期でほんとうにはねた(終演)のであれば、狡噛との決戦ではもっと汚れてほしかったです。綺麗に死にすぎました。

覚書含む拙い感想です。最終回まで素直に一気に楽しめた作品でした。ありがとうございました。

2018/6/17

※1
エルフェンリート
ルーシーにもちょっち後悔と罪悪感、そして贖罪を!
https://akiba-souken.com/anime/257/review/330/

※2
総監督の本広克行監督以下、スタッフは作品にハリウッドスタイルを志向されているように思えます。Blu-rayの特典に、「BALD」というメイキングがあって、ルーカス監督は「現実でない世界を表現するために(役者)全員の頭を刈った。」というインタビューがありました。ですので、本作では単純に填島に処刑前の慙愧の念を抱かせるためBALDにします。

※3
『インフラで現場行った時ゲリラの襲撃テロにあって、あの時と同じで血が騒ぐ』みたいな事:ハリウッド映画に出てくるベトナム帰還兵のような台詞(言い訳)を言っていますが、当時からシビリアンなのか?それともミリタリ側(傭兵)なのか素性がはっきりしませんでした。それなりの名士なのですからシビリアンだと思っています。
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ストーリー
4.0
作画
5.0
キャラクター
4.0
音楽
5.0
オリジナリティ
3.0
演出
5.0
声優
5.0
5.0
満足度 4.5
いいね(0) 2018-06-17 05:07:45

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