【明日発売】カプコン完全新作「祇:Path of the Goddess」レビュー!敵をなぎ払うアクションと仲間を配置して戦うタワーディフェンスが融合したバトルが楽しめる

2024年07月18日 12:000

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2024年7月19日に、PS5/PS4/Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/Xbox Game PASS/PC向けに発売「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」が発売される。本作はカプコンが手がける和風の新作タイトルで、神の住まう禍福山に住む人々と、異形の存在である「畏哭(いこく)」との戦いを描く。


本稿では、本作をひと足早くプレイしたうえでのレビューをお届け。きらびやかな演出が目を引く世界観や、アクションとタワーディフェンスを融合させたゲーム性などについて解説していく。

穢れに襲われた山村を救うため、プレイヤーは巫女とともに敵と戦う



本作の舞台は禍福山という山村。あるとき、突如出現した穢れが山村を飲み込み、神の力を宿した12の「面」を奪ってしまう。巫女の「世代(よしろ)」と、彼女が召喚した護人である「宗」は、村人たちと協力して村々や面を奪還しながら、禍福山から穢れを祓うべく戦うことになる。




本作は和風の世界観で構築されているほか、その世界を表現するグラフィックの色調も鮮やかで印象深い。全体的にあらゆる色が鮮やかで、例えば敵がまとっている炎の一部は赤を通り越してやや紫がかっている。地面や木々、キャラクターの衣服など、細かいところまで表現しているという点では写実的なグラフィックだが、その鮮やかさゆえにいい意味で現実感がなく、本作の世界全体がひとつの絵画や絵巻物でできているかのいような錯覚を覚える。

 

さらにプレイヤーキャラクター・宗の繰り出す斬撃の軌跡を始め、万華鏡を思わせる幾何学模様も随所にあしらわれており、彩度の高いグラフィックと相まってこれまたとても幻想的だ。




村の穢れを祓う昼と異哭と戦う夜のフェイズをくり返す

 

 

本作では禍福山の頂上付近にある村から始まり、徐々に麓へ降りていきながら、道中にある村を穢れから救っていく。各村には穢れに侵された鳥居があり、その目の前まで世代を誘導、穢れを祓えばステージクリアとなる。村を救うまでの道のりは、探索中心の昼と戦闘がメインの夜という2つのフェイズに分かれている。

 

 

村を訪れた際は昼から始まる。村の各地には穢れがはびこっているため、探索しながら祓って一部を解放したり、封じられている村人を助けていく。穢れを祓うと「結晶」が得られるのだが、この結晶は村人に対する「職業」の付与、世代を進ませるための「霊道」を引くために使う。

 

「職業」は村人にとっての装備のようなもので、これがなければ彼らは戦えない。近接向けや遠距離向け、支援向けなど、職業にはさまざまな特徴があり、攻撃方法や範囲も大きく違う。
攻めてくる敵や周囲の地形に合わせた適切な役割分担が重要となる。一度選んだ職業から転職させることも可能だが、その場合は転職させる職業に応じた分の結晶が必要なので、安易に転職を繰り返すと、あっという間に結晶が枯渇してしまう。

 

 

いっぽう霊道は、世代が鳥居に至るための道筋のようなもの。村を訪れた際に世代が最初にいる場所をスタート地点とし、そこから鳥居の直前に至る道にのみ引くことができる。すでに書いたように霊道を引くにも結晶が必要となる。

 

この霊道を引くと世代は少しずつ前進し、やがて鳥居に巣くう穢れを祓えるようになるのだが、逆に言うと霊道を引いて世代を進ませなければいつまでたっても穢れを祓えず、夜のパートで起こる異哭との戦闘を延々とくり返すことになってしまう。

 

 

村人に職業を割り振ったり、霊道を引いて世代を導いている間も時間は進み、太陽が沈むと夜のフェイズとなる。夜の間は敵の異哭が鳥居から湧き、世代を目指して攻めてくるため、宗を動かしたり救出した村人を道に配置したりして迎え撃つ。世代の体力がゼロになるとゲームオーバーなので、敵を全滅させるよりも彼女を守るのがなにより大事。一定時間が経過すると日が昇り、再び昼のフェイズに移行する。この昼と夜をくり返し、自分たちがいる村の鳥居から穢れを祓うわけだ。

 

 

 

一連の流れでおもしろいのは、ひとつが結晶の分配。結晶は職業と霊道に使うため、どちらにどれくらい分配するかが戦況に直結する。村人を戦わせる職業の選択は重要なポイントだが、職業によって必要な結晶の量も違う。霊道を引く分を残しておき、代わりに職業は妥協するか、あるいは職業を優先して霊道は後回しにするか。状況によってはどちらも正解と言える。結晶というリソースをどのように割り振るかで頭を悩ませるのが楽しい。

 

 

おもしろいポイントの2つ目が、世代の位置による攻略法の変化だ。世代が霊道を進めるのは昼のフェイズだけであり、夜のフェイズになると必ず止まる。そのため、守らなくてはならない世代がどこにいるかによって、プレイヤーの動き方や村人の布陣も変わってくる。

 

 

一本道の先に三叉路があるのなら、世代が一本道にいる間は前方に味方を配置すれば済むものの、彼女が三叉路の分岐点で止まった場合、正面と左右から来る異哭を同時に相手取らなくてはならない。
さらに、穢れに侵された鳥居に近くなるほど異哭が世代に到達するまでの時間も短くなるため、戦闘も激しくなる。接近戦向けの職業を多めに用意したり、敵の注意を引ける職業をひとり分確保したりと、布陣する場所だけでなく鳥居との距離に応じた戦い方の修正も欠かせない。

 

 

3つ目のポイントが、アクション+シミュレーションという斬新なゲームシステムである。職業を付与した味方を世代中心に布陣させ、迫る異哭を迎え撃つのはシミュレーションらしいシステムだが、プレイヤーが操作する宗はアクションゲームのように自由に動かせる。刀を使ったコンボ攻撃で敵をなぎ払えるため、村人とはまったく違う戦法もとれる。ひとりだけ世代から離れ鳥居に突っ込んで、接近される前に異哭を倒してもいいし、遊撃部隊として状況に応じて世代や村人の応援に向かうのも手だろう。

 

同時に、敵の位置や種類に応じて、村人の配置や職業の相性を考えることも欠かせない。アクションとシミュレーションという2種類の戦闘が並行して進むというシステムは、個人的にとても斬新だった。

 

 

穢れを祓った村は、村人を使って復興が可能。再建した箇所に応じて、職業や主人公を強化する際に使う「産霊(むすび)」が手に入る

 

宗は初期状態でもかなり強く、序盤ならひとりでも世代を守り切れる。弱攻撃と強攻撃を交えたコンボを使っているだけで、付近の敵はどんどん倒していける。アクションに自信があるなら、村人のお世話になることも少ないだろう。

 

とはいえ、自爆して周囲を巻き込んだり、刀では届きにくい空中にいたり、そもそも体力が多くひとりでは倒しきれなかい敵もゆくゆくは出てくる。自分の腕前やマップの構造、敵の数・種類などと相談しつつ、敵の複数ある進行ルートを分担して守るのか、満遍なく配置して危険なところを自分が適宜守るのか、宗と村人をどのように活かすのか。ここも難しいポイントだが、同時に試行錯誤に励んで自分なりの作戦や強みを探る、楽しいところでもある。

面に応じて多彩な職業が登場 

 

 

村の穢れを祓った後に出現する「強敵」に打ち勝つと、報酬として奪われていた面が手に入り、その面に応じた職業が解放される。接近戦向けや遠距離戦向けなどが存在することは先述の通りだが、実際はもっと細かく分かれている。

 

修験者

 

地上型の小さい異哭に強く、素早い攻撃が特徴の「杣人(そまびと)」、弓矢による遠距離戦が得意な「弓取り」、周囲の敵の動きを一定時間遅くできる「修験者」のほか、飛びぬけた耐久力を武器に敵を引き付ける「角力(かくりょく)」、昼のフェイズにしか動けないが、マップにある埋もれた宝箱などを掘り出せる「物盗り」や、周囲の味方のHPを回復する「巫術師」に、中型以上の地上タイプの異哭に強く、攻撃力も高い「槍使い」など、今回のプレイでは7種の職業が判明した。

 

角力(かくりょく)


どの職業の村人を、どこにどれだけ配置するかによって、さまざまな戦法がとれる。角力を前方に配置し、その背後に回復役の巫術師、さらに後方に攻撃範囲広い弓取りを置いて、特から敵を一方的に攻撃するのもいい。修験者を多めに配置して、敵の動きを遅くしたところに追撃役として槍使いや杣人を使うのも手。これらはあくまで一例で、護衛対象の世代の場所、出てくる敵の種類などによって最適解はいくらでも変わっていく。

 

宗の強化画面


プレイヤーが動かせる宗はひとりでも敵を全滅させられるほど強いが、村人も重要な戦力となる。小さいザコなら単体でも数発で倒せるし、中型の異哭が相手でも複数人で攻撃すれば普通に撃破可能だ。産霊を使えば各職業の攻撃力や体力を増やしたり、新たな攻撃手段を覚えさせられるため、こちらの育成次第で村人も徐々に強くなっていく。宗が強いのは確かだが、本人だけではすべてをこなせないのも事実で、とくに後半にいくほど村人の助けがなければうまくいかないようになっているのは、なかなかバランスが取れていると思った。

 

彩度を意識したであろうカラーリングと、万華鏡を思わせる幾何学模様のグラフィックや表現が印象的な和風ファンタジーのもとで、アクションとシミュレーションが融合した斬新なバトルが楽しめる本作。味方を配置させて戦うシミュレーション要素が苦手な人でも、宗を使ったアクションでカバーできることも多く、ところどころで力押しが可能なやさしい作りになっている。アクションかシミュレーションのどちらか、はたまたどちらのジャンルも好きな人達にとくにオススメできる1作だ。

 


■「祇(くにつがみ):Path of the Goddess

対応ハード:Xbox Game Pass、Xbox Series X|S、Xbox One、Windows、PlayStation5、PlayStation4、Steam

CERO レーティング:B(12才以上対象)

発売予定日:2024年7月19日(金)

価格:4,990円(税込)

ジャンル:神楽戦略活劇

公式サイト: https://www.kunitsu-gami.com/ja-jp/

 

 

(C)CAPCOM

夏無内好

夏無内好

活動歴約10年のフリーライター。専門学校を出た後、大手のゲーム雑誌の記事作成や編集プロダクションの攻略本作成などを経験。週刊誌での長期連載やプレスリリースのリライトも経て、最近はアキバ総研などのウェブ系でも執筆を始める。 基本的に雑食で、RPGからアクション、シミュレーションやFPSまでなんでもやる。

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