【「モンスターハンターNow」レビュー】現実世界で一狩り行こうぜ! 「モンハンNow」で位置情報ゲーム+濃密アクションを楽しもう!

2023年09月15日 18:080

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スマホアプリ「モンスターハンターNow」の配信が2023年9月14日からスタートした。「モンスターハンター」と、「ポケモンGO」「イングレス」などの位置情報ゲームで知られるNianticがタッグを組み、現実世界を冒険しながらモンスターを狩猟できるようになったのだ。

位置情報ゲームとは、現実世界をゲームのマップとするもので、プレイヤーは実際にあちこちへ移動して課せられたクエストに挑んでいく。このジャンルでは、現実世界に出現するポケモンをゲットしていく「ポケモンGO」が世界的に有名で、同作は2016年のサービス開始から幅広い層に親しまれている。

 

そんな「ポケモンGO」のNianticが開発を担当した「モンスターハンター(以下、モンハン)」の位置情報ゲームが、2023年9月14日にサービスが始まったばかりの「モンスターハンターNow」だ。

本作では「モンスターハンター」のモンスターたちが、ARを通じて現実世界に出現。プレイヤーはモンスターを狩るハンターとなり、シリーズのマスコット的な存在である小さな獣人オトモアイルーや先輩ハンターのクアリリと原因を探っていくことになる。





スマートフォンでアプリを立ち上げれば、周囲は「モンハン」でおなじみの「森林」「砂漠」「沼地」エリアに様変わりする。ふだん見慣れた風景が「モンハン」の世界っぽくなり、モンスターがあちこちに出現する光景を見ると、我々の世界と「モンハン」が渾然一体になったかのようで不思議な気分になる。


モンスターを狩猟してウロコや牙を手に入れ、採集ポイントでは鉱石に虫を採集、これらの素材で武具を強化してさらなる高みを目指す……というゲームの流れは「モンハン」と同様だ。大きな違いはモンスターや採集ポイントのところへ実際に歩いて移動しなければならないというところ。つまりは歩けばモンスターの狩猟や素材といったごほうびが得られるわけで、これがモチベーションを上げてくれる。

仕事での移動はもちろんのこと、普段の外出も行きと帰りでルートを変えて根こそぎ採集するといった具合に楽しめるのだ。このあたりはビデオゲーム的であると同時に、自分でモチベーションを操作するライフハック的な側面もある。筆者はすでに「ポケモンGO」を5年ほどプレイしており、位置情報ゲームの経験がないわけではないのにこれなのだから、本ジャンルの初心者や「モンハン」ファンならガッツリとハマってしまうのではないだろうか。

 

 

なお、「モンハン」シリーズでは、地形によって得られる素材が変わってくるが、本作でも「沼地のモンスターを×体狩猟しろ」といった特定地形を対象としたクエストが出されることがある。しかし、自分の周囲がどの地形になるかは日々変化していくので、休日なら思い切って遠出してみるのも面白いだろう。このように、日常生活を変えてくれるのが「モンスターハンターNow」や位置情報ゲームの魅力なのだ。

 

街にある地域の名所旧跡やランドマークは、本作では採集ポイントになっているのも面白いところ(「ポケモンGO」の経験者であれば、同作のジムが採集ポイントになっていると表現すればわかりやすいだろう)。武具を高度に強化するためにはレアめの素材が必要で、こうした素材をゲットすると嬉しくなるのはやはり「モンハン」っぽい。



「モンハン」の大きな魅力は、巨大なモンスターに身体ひとつで立ち向かうアクション性の高い狩猟にある。もちろん「モンスターハンターNow」でも、こうした点は再現されている。

周囲にいるモンスターをタップすると狩猟に突入。「片手剣」「大剣」「ハンマー」「太刀」「ライトボウガン」「弓」といった武具でモンスターを攻撃し、制限時間内に体力を0にすると狩猟成功となって素材が手に入る。素材を集めれば武具を作れ、強化すれば攻撃力や防御力が上がったり、特殊能力「スキル」や大技「SPスキル」(後述)を得られたりする。つまり、強くなるためにも狩猟は大事なのだ。

 

狩猟の操作はシンプル。画面のどこでもいいのでタップすれば攻撃、フリックなら回避、押しっぱなしならガードや溜めといった特殊行動を行う。仮想パッドもなく、ボタンも「回復」「SPスキル(後述)」だけだ。とはいえ操作性は良好で、たとえばモンスターが遠くにいても画面をタップすれば自動で距離を詰めて攻撃をしてくれるというように、スマートフォンに最適化された狩猟体験が行える。こうしたアレンジがあるいっぽう、各武器の特性はしっかり再現されており、シリーズのファンでも違和感なく楽しめるはず。モンスターの動きを見切って攻撃を回避し、その隙にこちらが攻め込んでいく「モンハン」らしい駆け引きを楽しめる。なかでも印象的なのが「ジャスト回避」のシステムだ。モンスターの攻撃をギリギリまで引きつけ、タイミングよく回避すると「ジャスト回避」となり、次に強力な一撃を出せるといった大きなメリットが得られる。「モンスターハンタークロス」の「ブシドースタイル」に近く、強いモンスターとの狩猟においてうまく決められれば自分に酔うことができるだろう。

 

モンスター側が攻撃する際には身体が赤く光るという仕様になっているので、慣れればすぐに狩猟の醍醐味を味わえるだろう。モンスターの身体の一部に攻撃を集中し、これを破壊すると報酬が増える部位破壊のシステムも再現されている。狙いすました一撃で見事に部位破壊できれば爽快感もひとしお。レア素材を手に入れるため、モンスターのあちこちを狙うのはテクニカルな面白さがある。




以下は武器ごとの解説だ。なお「」の付いていない技は、正式名称が不明なため、筆者が勝手に付けた仮称である。ご了承いただきたい。


片手剣:素早い攻撃とガードで柔軟に対応する、基本にして奥深い武器


本作における初期装備。タップで連続攻撃を繰り出すことができ、隙も小さいので扱いやすい。押しっぱなしでガードでき、モンスターの一撃を凌ぐことも可能だ。リーチは短く、攻撃が届かないことがあるのが弱点。


ジャスト回避:強力な一撃

シリーズおなじみの「回転斬り」がモチーフと思しき横凪ぎの一撃。攻撃力が高く、片手剣本来の手数と相まって強力。


SPスキル:「ジャストラッシュコンボ」

「モンスターハンターワールド:アイスボーン」から登場したジャストラッシュをモチーフにしたと思われる連続攻撃。リーチが短いため、空振りに終わることも。


大剣:溜めで強力な一撃を叩き込む、重量級武器


身長ほどもある巨大な剣で重い攻撃を繰り出す。長いリーチと攻撃力を兼ね備えるが、攻撃スピード自体は遅め。押しっぱなしで力を溜めることができ、離すと大火力の溜め斬りを繰り出せる。残念ながらガードはできないが、強溜め斬りや真溜め斬りが再現されているのが嬉しい。


ジャスト回避:素早い溜め斬り

即座に溜め斬りを繰り出す。とっさの反撃に便利。


SPスキル:「真・溜め斬り」

強溜めよりも強力な溜めを行い、モンスターに斬り付ける。

 

ハンマー:さまざまな溜めを使いこなす、テクニカルな火力武器


ハンマーは攻撃スピードこそ遅いが、その威力は強烈。頭を殴り続けると気絶させられるのが大きな特徴だ。押しっぱなしで溜めるとモンスターに向けて前身していき、溜めの段階によって素早い一撃や強烈な一撃など、さまざまな攻撃を放てる。溜め中は無防備だが回避はできるため、状況に応じて溜めを捨てる判断をするのが重要になってくるのも「モンハン」らしい。


ジャスト回避:素早いカチ上げ

普段は鈍重なハンマーだが、ジャスト回避の後だけは素早い一撃を放てる。


SPスキル:「回転攻撃」

ほかのシリーズでは最大溜めから繰り出せる、グルグル回りながらの攻撃。本編では隙だらけで出すと自分が危険になる技だが、本作では全身無敵なので頼りになる。

 

太刀:華麗に避けつつ敵を斬る、テクニカルな武器


素早く、手数を出せ、リーチも長いという三拍子揃った武器。連続で斬り付けると「練気ゲージ」が増えて攻撃力もアップするが、ダメージを受けると減少する。押しっぱなしで太刀を鞘に収め、モンスターの攻撃を引きつけるとカウンターの居合い切りが発動。攻撃後に下フリックでおなじみの斬り下がりが出るなど、テクニカルな操作が揃ったマニアックな武器だ。


ジャスト回避:素早い一撃

「練気ゲージ」が一気に上昇するため、ここからの怒濤の攻めが気持ちいい。


SPスキル:「気刃兜割」

空中からモンスターに斬り付ける。本編同様に必殺の大技。


ライトボウガン:弾丸と立ち回りを切り替えて戦う遠距離武器


弾丸を発射して遠距離攻撃を行える。遠くから一方的に攻撃できるが、発射速度自体はやや遅め。押しっぱなしで連射を行う。近年の作品同様にガンナー用の防具が存在しないため、気軽に使える。本作では弾丸代がかからないのも大きい。弾を撃ち尽くすたびに、異なる種類の弾をリロードする。逆にいえば撃ち尽くさないと弾丸を切り替えられないので、現在の弾丸に応じて立ち回りを切り替えなければならない。


ジャスト回避:リロード

弾丸の種類を変更することなくリロードする。別の弾丸を使いたい場合はあえてジャスト回避しないという手も。

SPスキル:「反撃竜弾」

前方に爆発する特殊弾を撃ち出す。ほかのSPスキル同様全身無敵なので、外さないように引きつけて撃つのもアリ。

弓:遠すぎず近すぎずの距離を保ち、矢でモンスターを射続ける遠距離武器


もうひとつの遠距離武器で、押しっぱなしで力を溜めることでさまざまな矢を放つ。どの溜め段階でどの矢を放てるかは弓によって違っており、弓を選ぶ際は攻撃力だけでなく、矢の種類や相性も考慮に入れる必要がある。溜めないと火力に欠けるが、溜めつつ回避できる「チャージステップ」も再現されており、本編同様軽快に動き回っての攻撃が可能だ。ライトボウガン同様に遠すぎず近すぎずの間合いで攻撃力が上がるシステムも再現されている。


ジャスト回避:反撃の矢

素早く矢を放つ。溜めが必要ないため、とっさの反撃にも便利。


SPスキル:「竜の一矢」

「モンスターハンター:ワールド」の同名技がモチーフらしき技で、モンスターを貫通する強力な矢を放つ。



モンスターの一撃がしっかり痛いのも「モンハン」らしいところ。出現するモンスターもシナリオが進むとどんどん強力になっていき、時には一撃で体力をゴッソリ持っていかれることもある。シリーズの代名詞である「リオレウス」「リオレイア」「ディアブロス」はもちろんのこと、「クルルヤック」「ドスジャグラス」「ドスギルオス」など比較的新しい作品からのモンスターたちも登場。同じモンスターでも「★」「★★」「★★★」といったランク分けがされており、高ランクのものはより多彩な攻撃パターンでハンターに迫るのだ。 シリーズの伝統である時間制限も健在で、本作では75カウントという短時間で狩猟を完遂しなければならない。それだけに、積極的に攻めつつも、手痛い一撃を食らわないようなテクニックが求められる。つい攻撃を欲ばってしまい、モンスターからしっぺ返しを食らうのは「モンハン」のあるあるだが、本作でもそうした部分が表現されているというわけだ。 特に重要なのが、防具の「スキル」と武器に宿る「SPスキル」だ。「スキル」は攻撃力や防御力の向上といったパラメータ的なものから、モンスターの部位をロックオンできるようになったり、ジャスト回避がしやすくなったり、体力が減るほどに防御力がアップしたりと、個性的な効果のものが揃う。武器に合わせてスキルを組み合わせれば狩猟がより有利になるため、たくさんの防具を作るべくモンスターを狩りまくりたくなってくる。


また、本作の独自要素が「SPスキル」だ。モンスターを攻撃するとゲージが蓄積されていき、MAXになった状態でボタンを押すと、強力な攻撃を繰り出せる。ハンマーならハンマー投げよろしくグルグル回転してブン殴り、ライトボウガンは強力な「反撃竜弾」を発射して大爆発を起こすなど、どの武器も派手でカッコイイ。発動中は全身無敵になるため、モンスターの大技に「SPスキル」でカウンターすることも可能。ゲージさえ溜まれば狩猟中に何度でも使えるので、開幕に放ってスタートダッシュを決めるのもアリだ。




武具を強化して攻撃力や防御力を高めるのはほかの「モンハン」シリーズ同様に重要で、シリーズファンならやりがいを感じることができるはずだ。「目の前に高ランクのモンスターがいるけれど、今はちょっと狩猟できない」なんて時も大丈夫。「ペイントボール」を使えば、モンスターを後で狩猟できるようになる。制限時間は48時間で、マルチプレイに備えて高ランクのモンスターを集めておくのも面白いだろう。モンスターから攻撃された際は「回復薬」の出番で、本作では1日に5個ずつが支給される。狩猟を終えれば、ハンターの体力が時間経過とともに自然回復するのは本作ならではのフィーチャー。レートは約30秒で1ポイントとなっているため、採集しながら回復を待てば効率がよい。


なお、本作のオトモアイルーはハンターの狩猟をサポートしてくれる。歩いていると周囲の素材を採集して「オトモカバン」に蓄えてくれるのに加え、モンスターもマーキングしてくれる。これはアプリを閉じていても有効なため、外出時にアプリをチェックできなくても帰宅してからじっくりと狩猟できるのが嬉しいところだ。


そして「モンハン」といえば「一狩り行こうぜ!」のマルチプレイだ。本作ではほかのプレイヤーが一定範囲内にいれば、最大4人で一緒に狩猟できる「グループハント」ができる。QRコードを読み込んでパーティーを組む方式に加え、無差別に仲間を募集することも可能だ。筆者は9月14日のサービス開始時にあちこち歩いてみたのだが、「一狩り行こうぜ!」のお誘いが繰り返し飛び込んできた。近くにはいるはずなのだが、仲間たちの名前も顔も性別もわからない。ひととき共闘し、狩猟が終わればそのまま別れていくという、独特の距離感が心地いい。




有名IPを使った位置情報ゲームも今や戦国時代だが、本作は「モンハン」らしいアクション性の高い狩猟をスマートフォンで楽しむことができるため、他作品とは明確に差別化できていると感じられる。


協力マルチプレイについても「ポケモンGO」の各種レイドが基本的にジムという場所依存であったのに対し、本作ではプレイヤー同士が近くにいさえすればマッチングできるのがポイント。事実、9月14日に何度かマルチプレイできたのはいずれもジムから遠い場所であったため、人が集まる場所であれば狩りの名所となる可能性がある。友達と顔を合わせての狩りも楽しいが、「一狩り行こうぜ!」のお誘いを待つ一期一会の狩りも面白い。


「モンハン」はそのマルチプレイの楽しさゆえに社会現象となったが、本作にもそうしたポテンシャルがあると感じられたのだ。



(C)2023 Niantic. Characters / Artwork/ Music © CAPCOM CO., LTD.

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