【本日発売】濃厚な和の世界が魅力の「WILD HEARTS」プレイレビュー！ 不思議なからくりを駆使し、巨大な獣に立ち向かおう！

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

和風ハンティングアクション「WILD HEARTS」が2023年2月17日に発売された。不思議なからくりをフィールドに設置し、巨大な獣に立ち向かう。一風変わったプレイ感を楽しむことができるのだ。

「WILD HEARTS」の舞台は、巨獣が闊歩する和風な世界。プレイヤーは獣狩（ししがり）となり、湊（みなと）の村の人々を助けつつ、巨獣に立ち向かっていく。この世界では獣狩は廃れつつある生き方のようで、武士が勢力争いする時代へと移りつつある。日本的な哀愁を帯びた設定だが、それもそのはず、本作を開発しているのは「三國無双」「討鬼伝」といったアクションゲームで知られるコーエーテクモゲームスのω-Force（オメガフォース）。パブリッシングはElectronic Arts（EA）のEA Originalsレーベルから行われているため、海外ゲームと勘違いしている人も多いかもしれないが、本作はれっきとした和ゲー（日本製ゲーム）である。和ゲーらしいしっかりとした操作感と和風な世界観、和風な巨獣たちによる、濃厚な和のゲームになっているのだ。

獣狩はからくりの力を借り、フィールドの開拓や狩りに役立てていく。いまやハンティングアクションもひとつのジャンルとなっているが、このからくりの存在こそが「WILD HEARTS」の個性であるわけだ。

フィールドは広大で、かつて人がさまざまな土地に住んではいたものの、巨獣によって追い出されてしまったという経緯がある。大自然と和風の廃墟が調和し、美しくも寂寥感のある光景が作り出されており、かつては谷間をつないでいた橋も巨獣に壊されて通行不能になっているなど、移動にすら支障をきたすありさまだ。もちろんロッジなどもなく、自分で野外生活していかなければならないのだ。

しかし獣狩はからくりを設置してフィールドを開拓していける。「獣狩の幕屋」があれば休んで体力を回復できるし、「野鍛冶の金床」を置けば自分で武器や防具を作れ、フィールドから採取した「粟」や「茄子」などの食材を「日干し竿」に干せば、より高い効果を持つ食品に加工できる。

また、前述した谷間も「飛蔓(とびかずら)」というアンカー付きの綱を撃ち込めば、綱にぶら下がって素早く移動できるし、高い崖があった場合は強風を吹き出す「旋風台」で舞い上がる……というように、からくり次第で野外生活も便利になる。基本的にからくりはどこにでも置くことができ、壊されないかぎりその場に残る。つまり、からくりを置く場所によって狩りの効率も変わってくるということ。巨獣がいる場所までが遠い……なんて時も、あらかじめ周辺に「獣狩の幕屋」を設置しておけば、ファストトラベル（瞬間移動）ができるし、力尽きた際もここから再戦にのぞめる。ハンティングアクションのフィールドに、サバイバル系ゲームのエッセンスが加えられているというわけで、工夫のしがいがあるだろう。

「獣狩の幕屋」があれば休んで体力を回復できる

「日干し竿」は食材を干して効果を高める

「飛蔓」は好きなところに撃ち込んでショートカットを作れる

「旋風台」を置けば、強風で舞い上がれる

フィールドには巨獣たちが棲みついている。巨獣はいずれも動物と自然が混ざり合ったかのような個性的なデザインをしており、環境を操って攻撃を仕掛けてくる。たとえば、「ヤマウガチ」は巨大なイノシシのような姿をしており、全身に苔や樹木が生えている。怒ると自分の周囲に巨木を生やして獣狩を吹き飛ばす。まるで天変地異のようであり、大自然そのものと戦っているように思えてくる迫力があるのだ。

巨大なイノシシのような「ヤマウガチ」

「ヤマウガチ」が怒ると、周囲に巨木を生やす

対する獣狩の武器は近接用がメイン。ムチのように変形して広範囲に攻撃できる「からくり刀」。居合いの構えで力をためて強力な一撃を繰り出す「野太刀」。相手に当たった際にタイミングよく「展開」ボタンを押すことで威力が上がる「槌」。巨獣の体に「乙矢」を撃ち込み、「甲矢」でこれを起爆させる「弓」。「傘」は広げることで巨獣の攻撃をいなすことが可能……といずれも個性的だ。どの武器も単に振り回すだけでなく、テクニカルな部分があるのが面白いところ。「野太刀」は居合いの構えを取り、「持久力」（ダッシュや登攀で消費される、いわゆるスタミナ）を消費して力をためていくのだが、その最中にも動ける。力をためつつ巨獣の攻撃をもらわないように立ち回り、隙を見て一撃を叩き込むという渋い立ち回りができる。

ほかにも「からくり刀」は変形タイミングを計りつつ戦い、「槌」は「展開」の入力タイミングを計り、「弓」は「甲矢」と「乙矢」をうまく組み合わせるなど、特性を理解すれば面白さが増すようになっており、ハンティングアクションの経験者にも十分刺さるはずだ。

うえ、必要となる「からくりの糸」はあちこちで採取できるので制限もユルめ。巨獣と激しくやり合う中でうまくからくりを活用できれば気分は爽快だ。わかりやすいのがブロックのような「匣（はこ）」だろうか。巨獣と自分の間に「匣」を置いて攻撃を防ぎ、ダウンを取ったら積み上げて上に乗り、ダイブ攻撃をしかければ大ダメージを与えられる。ひとつのからくりが、攻撃と防御の両面で役立つわけだ。からくりで武器の弱点を補うようなこともできる。「槌」は威力が高いが移動は遅く、抜刀状態での立ち回りにやや不安がある武器だ。そして、バネ仕掛けのからくり「発」は、乗った獣狩を前方へと高速で飛ばしてくれる。巨獣との距離が離れた時など、機動力が必要なら「発」を置いてカッ飛べばいいわけだ。

このほかにも、ポータブルヘリコプターのような「羽」につかまって空中から攻撃したり、敵が危険な属性攻撃をしかけてくるなら「変転の灯篭」で耐性を上げてしのぐなど、からくりの活用法はさまざま。巨獣の大技をからくりで妨害できることもあり、建築の腕前と知識を組み合わせることで効率も上がっていく。得られた素材を使って武器や防具を強化するというハンティングアクションおなじみのフィーチャーもあるため、初戦よりは2戦目、2戦目よりは3戦目……と、繰り返しての狩りがより楽しみになっていくのだ。

ブロックのような「匣（はこ）」は積み上げられる

「匣」の上からダイブしての攻撃も可能

「羽」につかまれば空を飛べる

狩りの最中に特殊な「連結からくり」をひらめくことも。この「壁」は「匣」より高い耐久力を持ち、巨獣の攻撃を防げる

コーエーテクモゲームスお得意の詳細なキャラクターメイクも楽しめる

からくりを駆使して立体的なフィールドを開拓・探索し、狩猟の中でうまくからくりを置くことで展開を有利にする。巨大な敵と戦うハンティングアクションの面白さにからくりが加わり、他作品とは一風変わったプレイフィールを味わえる作品と言えるだろう。正式発売後は多人数プレイもできるようになるし、今後も新たな巨獣の追加など、定期的なアップデートが予定されているそうなので、これからの盛り上がりも楽しみだ。

【タイトル情報】
■「WILD HEARTS」
プラットフォーム：PlayStation 5・Xbox Series X|S・PC (Origin、Steam、 Epic Games Store)
ジャンル：ハンティングアクションゲーム
価格: 9,700円（税込）
発売元：Electronic Arts
開発：ω-Force（コーエーテクモゲームス）
発売日：2023年2月17日（金）
CERO：審査予定
吹替：日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語

公式サイト：https://www.ea.com/ja-jp/games/wild-hearts/wild-hearts