新作格闘ゲーム「ザ・ランブルフィッシュ2」レビュー! 殴ることの重みと痛み。名作格闘ゲームが17年ぶりに復活!

2022年12月16日 17:080
新作格闘ゲーム「ザ・ランブルフィッシュ2」レビュー! 殴ることの重みと痛み。名作格闘ゲームが17年ぶりに復活!

格闘ゲーム「ザ・ランブルフィッシュ2」が、PlayStation 5、PlayStation 4、Nintendo Switch、Xbox Series X/S、Xbox One、PC(Steam)の各プラットフォーム向けに、2022年12月8日、3gooから発売された。

本作は、攻撃を当てる・防ぐことが大きな意味を持つ、独特の駆け引きを持つタイトルなのだ。今回は家庭用ゲーム機初移植となる本作を、レポートしていこう。



「ザ・ランブルフィッシュ」が発売されたのは2004年のこと。1991年から始まった対戦格闘ブームも一段落し、各社がお互いにプレイヤーを奪い合うような動乱の時期も終わった頃である。そんな中、本作は「ストリートファイター」や「餓狼伝説」といった初期格闘ゲームで活躍した西山隆志氏が率いるディンプスが開発したということで格闘ゲームマニアから注目を集めた。そして、「戦いの中で服がぼろぼろになる、痛みが伝わるビジュアル表現」「攻撃と防御という2つのゲージを駆使した駆け引き」といった個性が評価され、対戦シーンも静かに盛り上がっていったのだ。この辺りの事情は、開発スタッフへのインタビュー(https://akiba-souken.com/article/58645/に詳しいので、興味のある方は参照されたい。



翌2005年に発表されたのが、本作「ザ・ランブルフィッシュ2」である。前作のシステムをブラッシュアップし、新キャラクターも加えた意欲作ではあったが、これまで家庭用ゲーム機へ移植されることがなかった。しかし、2012年には本作を調整した「ザ・ランブルフィッシュ2 for NESiCAxLive」がアーケード向けに配信されていること、今回の移植がパブリッシャーである3gooの代表取締役であるディ・コスタンゾ ニコラ氏のラブコールで実現したことからも、評価の高さがうかがえる。
そんな「ザ・ランブルフィッシュ2 for NESiCAxLive」が初めて家庭用ゲーム機に移植されたのが、今回発売された「ザ・ランブルフィッシュ2」だ。本作の特徴は、前述の通り「戦いの中で服がぼろぼろになる、痛みが伝わるビジュアル表現」「攻撃と防御という2つのゲージを駆使した駆け引き」といった部分にあるだろう。


本作には「パーツクラッシュ」というシステムが存在。キャラクターが打撃を受け続けると、服やヘアバンドなどが破壊されたり、顔が腫れたりしていく。戦いが進む中でボロボロになっていく姿からは、格闘にともなう痛みと、これを乗り越えて戦う勇気が伝わってくるのだ。



相手に攻撃を当て続けると「パーツクラッシュ」が発生。服が破れたり、装身具が壊れる


一部のキャラクターを除き、パーツクラッシュで性能が変わることはないのだが、発生時には派手な演出もあり、満足感は抜群だ。身体の各所に設定された耐久力を減らし切ると発生するため、慣れれば狙っていくことも可能。


つまり、勝利やクリアのほかに「パーツクラッシュを起こす」というオプショナルな目標があり、対戦相手が変わる毎にリセットされるため、ひとりで遊ぶ際のモチベーションも上がる。筆者は初代作ではタイフォン、「2」ではミトという“壊れ”キャラクターを当時使っていたが、これもパーツクラッシュの遊びを満喫するためだった。


「黄金の城」の鎧はがしや「竜虎の拳」の打撃で腫れる顔、「ファイティングヒストリー」の弱点や「ファイティングバイパーズ」の鎧など同系システムもいろいろあるが、本作では壊れる個所が多いうえ、キャラクター性の深彫りにも使われているところが面白い。たとえばボイドというキャラクターは一見無害そうな人物だが、服が破れるとサソリのタトゥーが露わになり、頭のパーツクラッシュが起こると凶暴な目つきに変貌する。ボイドの本性は裏世界の暗殺者であり、普段の好々爺然とした姿は擬態に過ぎない。自分でボイドを使っている時はテンションが上がるのだ。


画面左の「ボイド」は派手なシャツにメガネという好々爺然とした人物


画面右のボイドに注目。頭や上半身に攻撃を受け続けてパーツクラッシュが発生。顔つきも変化し、服の下のタトゥーも露わになった


画面右の「タイフォン」は帽子を被った少年


画面左のタイフォンがパーツクラッシュ。帽子が吹き飛んだ


画面左のシェリルの服、画面右のミトの眼帯が破壊されている


そして、ゲームを奥深くしているのが、攻撃すると増える「オフェンスゲージ」と、相手の攻撃を防ぐことや時間経過で増える「ディフェンスゲージ」という、2種の特殊なゲージが存在することだ。オフェンスゲージを使えば攻撃的な大技「オフェンシブアーツ」、ディフェンスゲージなら防御的な大技「ディフェンシブアーツ」を出すことができる。オフェンシブアーツは突進や乱舞など、超必殺技と聞いて多くの人がイメージするような技。そしてディフェンシブアーツは攻め込まれた時の切り返しに用いる技で、ゼンの「咆震衝」なら身体の周囲に衝撃波を放って体制を立て直し、オービルの「ハンマー ファング」は自分がガードしている時にしか使えないなど、特徴的なものが多い。また、相手を硬直させる特殊ガード「インパクトブレイク」も同じディフェンスゲージを消費する。


ガーネットのオフェンシブアーツ「ピアシング ソウル」は強烈な蹴りを放つ


ゼンのディフェンシブアーツ「咆震衝」は、周囲に衝撃波を発して切り返す


相手を硬直させる特殊ガード「インパクトブレイク」。攻撃の直前に入力する必要がある


「龍虎の拳」の気力ゲージ、「スーパーストリートファイターIIX」のスーパーコンボゲージなど、大技を出すための特殊ゲージというシステムは格闘ゲームの初期から存在していた。しかし、攻撃と防御で特殊ゲージが分けられているのは、今日の視点から見ても非常に珍しい例と言えるだろう。なぜこうしたシステム──特に防御用の特殊ゲージが必要になったかを知るには、当時の格闘ゲーム事情を紐解く必要がある。


この頃の格闘ゲームは動きの自由度も上がり、強力な連続攻撃や連携が可能となっていた。攻め込まれている側にも、ガード中専用の切り返し技「ガードキャンセル」をはじめとする反撃・脱出手段が用意されてはいたものの、操作に習熟を要したり、攻撃用の特殊ゲージを消費するため、その後の攻めに影響があったりといった特徴があった。作品と試合展開次第では「攻められているので特殊ゲージが溜まらず、相手からの攻めを切り返せない」といった事態も起こっていたのだ。


そうした中で、本作では攻撃と防御の特殊ゲージが明確に分けられている。相手の攻めをしのぐためにディフェンシブアーツやインパクトブレイクを使っても、オフェンスゲージは減らないので攻めへの影響は小さい。比較的複雑なコマンドと強力な効果を持つディフェンシブアーツ、簡単な操作で出せるが読みもからむインパクトブレイクと個性が付けられているのも面白い。そして、ディフェンスゲージは防御や時間経過で溜まるため、守る必要性が高まるほどに増えていくわけだ。


画面左の「ラッド」は、パーツクラッシュで顔がボコボコに腫れているが、ディフェンシブアーツ「R.I.C.E.」で氷嚢を取り出すと……

顔を冷やして元通りになる。本作ならではの技で、体力も少し回復する


加えて、本作には攻撃を防ぐと減少する「ガードゲージ」が存在。ゼロになると「ガードクラッシュ」で無防備になってしまうため、どこかでディフェンシブアーツなどを使って攻めに転じる必要が出てくる。そして、攻めている側も一気に攻め込むと相手のディフェンスゲージを溜めてしまうが、自分のオフェンスゲージも溜まっていく。つまり、相手がディフェンシブアーツを使った時やガードゲージが減った時が攻め時であるということ。ゲージを2つに分けたことで、攻める側と防ぐ側に明確なリスクとリターンが生まれ、攻める好機と攻められる危機がわかりやすく可視化されているのが本作の特徴。相手を攻撃することと防ぐことの重みが、各種のゲージとパーツクラッシュで表現されているのである。


攻撃を防ぎ続けていると「ガードゲージ」が減り、尽きると「ガードクラッシュ」で無防備に


ここに、相手の攻撃を読んで上段や下段の攻撃を避ける「ダッジ」や、空中受け身「クイックリカバリー」、オフェンスゲージとディフェンスゲージを使ってキャラクターを強化する「ブーストダイブ」や、全てのゲージで放つ大技「クリティカルアーツ」が加わることで、駆け引きはさらにディープになっていく。17年愛され続けてきたのも納得できる面白さといえる。


アランのブーストダイブ「ファントム シフト」は分身を発生させて攻撃のヒット数を増やす


ひとまずはパーツクラッシュを狙っていき、そこから各種ゲージの意味するところを理解していく……という感じでプレイしていくといいだろう。トレーニングモードも用意されており、ダッジの練習用と思しき「相手がカウントダウンの後に攻撃してくる」機能もあって練習するには持ってこいだ。


ただ、ゲーム内では全体的に説明と導線が不足している感があり、課題別のチュートリアルや、各種システムを解説する文章を好きなタイミングで閲覧できる機能などは欲しかったところ。発売後に公式動画などでのフォローを期待したい。


eスポーツをきっかけに格闘ゲームに注目が集まるいっぽう、ゲームシステムが複雑化している現在だからこそ、再評価を受けるべき作品と言えるだろう。


最終ステージをクリアすると、秘蔵の設定資料が閲覧できる


トレーニングモードには「相手がカウントダウンの後に攻撃してくる」という「ダッジ」練習用の機能も搭載

  • 【製品情報】
  • ザ・ランブルフィッシュ2(パッケージ版)
  • 対応機種:PlayStation 4(無料アップグレード対応)、Nintendo Switch
  • 価格:3,480円(税別)

  • ■ザ・ランブルフィッシュ2 コレクターズエディション(パッケージ版)
  • 対応機種:PlayStation 4(無料アップグレード対応)、Nintendo Switch
  • 価格:6,980円(税別)

  • ■ザ・ランブルフィッシュ2(ダウンロード版)
  • 対応機種:PlayStation 5、PlayStation 4、Nintendo Switch、Xbox Series X/S、Xbox One、PC(Steam)
  • 価格:3,200円(税別)

  • ・発売中
  • ・ジャンル:対戦格闘ゲーム
  • ・対応言語:日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、中国語(簡体字/繁体字)、韓国語
  • ・開発元:株式会社3goo
  • ・発売元:株式会社3goo
  • 公式ホームページ:http://www.therumblefish2.com/

©Dimps 2004-2005 / ©3goo K.K.

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