【ゲームレビュー】浮世絵がそのまま動いてる!? 伝説のアクションゲーム「月風魔伝」がやりがいあるローグライクアクションに生まれ変わった! 「GetsuFumaDen: Undying Moon」体験レポート

2022年03月09日 10:000

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「GetsuFumaDen: Undying Moon」のNintendo Switch版が、KONAMIから2022年2月10日に発売された(Steam版は2月17日から配信)。

ファミコンゲーム「月風魔伝」の35年ぶりとなる続編となる本作は、「浮世絵風ローグライク剣戟アクション」として現代風のアレンジが加えられているのが特徴だ。2021年5月から早期アクセスが行われていたが、今回、ついに正式版としてリリースされたのだ。

 

 

主人公の月風魔は、かつて魔王・龍骨鬼を倒した月氏一族の二十七代目。地獄の異変を探り、行方不明となった兄を見つけるべく、地獄へと乗り込んでいく。

2Dアクションという基本スタイルはそのままだが、グラフィックは浮世絵を思わせるタッチとなり、前作が追及していた不気味さ・おどろおどろしさがさらに際立っている。イメージボードやムービーではなく、この浮世絵がそのまま動いてアクションゲームとして遊べるのだから、「月風魔伝」の経験者ならずとも驚くのではないだろうか。

陰鬱な地獄の光景も恐ろしいが、鬼や亡霊、餓鬼といった住人どももまた恐ろしい。日本人の根源的なところに訴えかけてくるというか、子供の頃に地獄絵を見て死後の世界に怯えた記憶が思い出される。

 

 

前作のラスボス「龍骨鬼」とは、なんと1面で戦える

 

 


こいつらはボタン連打で勝てるような甘い相手ではない。攻撃されそうになったら間合いを取ったり、回り込んだりといったテクニックも必要だ。

ステージの最後に待ち構えているボスは、月風魔が小さく見えるほどの巨体の持ち主ばかり。こちらもやみくもに攻め込むだけでは勝てないため、動きをしっかり観察することが求められる。いい意味で昔のゲームを思い出させるような感覚があり、少しずつ上達していくのが楽しいのだ。

 

 

 

月風魔が使える武器は多彩で、自由に使える「主武器」2つと、弾数制限&時間回復の「副装備」2つ、合計4つの武器を持てる。刀や戦傘は敵の攻撃をカウンターでき、鈍器は力を溜めて強烈な一撃を出せる。苦無(くない)は壁に反射しつつ飛び、火薬玉は威力が高いが弾数は少ないと、いずれもクセがあって面白い。

プレイするたびに、落ちている武器やマップの構造が変わる、ローグライク的な要素も面白いところ。筆者のあるプレイでは、火縄銃や弓矢といった飛び道具がよく出てきたけれど、別のプレイでは手甲や両得物(刀や鉄扇の二刀流)といった接近戦武器に偏ったりと、毎回異なる展開が楽しめた。

 

前作では2Dのフィールドを探索、お店でアイテムを買うなどの下準備ができたが、本作でも本拠地である月氏の館での下準備が重要。地獄の鬼や亡者を倒して得た素材を集め、月氏の館で新たな武器を作り出したり、月風魔自身の能力をアップさせたりしなければ、地獄の奥底へ進むことはできない。

しかしながら、せっかく集めた素材も、途中で力尽きるとパーになってしまう。このまま先へ進むか、いったん退いて素材を持ちかえるかの判断が求められる。手に入れた素材があれば、月風魔も少しずつ強くなっていくし、新たな武器がマップに出現するようにもなる。前作にあったRPG風要素は形を変えて受け継がれているのだ。

 

 

本拠地となる月氏の館で、新たな武器を作ってパワーアップ

 

それゆえに序盤は、1面で素材を集め、ボスを倒して月氏の館へ帰還することを繰り返すのがいい。

実は、ボスを倒した後、先へ進む鳥居が並ぶ奥に、月氏の館へ帰れる入り口が存在している。慣れていないうちはこれに気づかず、先へ進んでは討ち死にするのを繰り返してしまいがち。これでは素材も持ち帰れないし、強くなることはできない。

1面だけクリアして少しずつでも素材を集めていき、コツコツとパワーアップしていこう。素材の種類も多く、慣れていないうちはとまどうことも少なくないだろうが、プレイを続けていくと何となく理解できるだろう。

 

実はボスの後には月氏の館へ帰れる入り口が用意されている

 

 


敵や宝箱からは武器の「図面」が手に入ることも。これがあれば新たな武器が作れる。

「図面」の扱いは早期アクセスから大きく改善された点のひとつで、早期アクセスの時点では死ぬと失われたが、製品版では死んでも持ち帰ることが可能なのは嬉しいところ。

 

敵と戦っていると、いろんな漢字が出てくるが、こちらも慣れていないと何が起こったかわかりにくい。これは、特定の条件を満たしたので特殊な効果が発動しているということ。ひとまずは「閃」「誅」「崩」「殺」を覚えておけばいい。

相手が攻撃している際に月風魔の攻撃を当てれば「閃」となって威力アップ、見つからずに攻撃すると「誅」で大ダメージ。攻撃しまくると「崩」となって敵がくずおれ、この時に攻撃すると雑魚なら一撃死の「殺」になる……というわけで、意識するとプレイがより面白くなるのだ。

 

「閃」は、いわゆるカウンターヒット

 

攻撃を当てて、敵の体勢が崩れると「崩」に

 

「崩」状態の敵に攻撃すると、大ダメージの「殺」になる。「殺」はボスにも狙えるので、意識するとプレイが変わる

 

本作は懐かしい2Dゲームと、現代風ローグライクのテイストが合わさっていて、手ごわい敵と、これを倒していくスリル、そして素材を集めてのじっくりとしたパワーアップや、新武器作成、さらにはランダムに出現する各種の武器を使いこなす楽しさをすべて味わえる。

 

早期アクセスから大きく変化した部分は以下の通り。

難易度には、素材を集めやすい「修練者」が追加され、早期アクセス版と比べて気軽に楽しむことができるようになった。ただ、「修練者」でもゲームはなかなかに歯ごたえがあるし、パワーアップ回りのシステムにはクセがあるので、理解するまでに時間がかかるプレイヤーもいるかもしれない。

しかし、ゲームに慣れてある程度進めるようになり、パワーアップや前述した特殊効果についてわかってくれば、迫力あるビジュアルでのバトルを存分に楽しめるようになるはず。

昨年の早期アクセスでは、ユーザーからの意見を取り入れつつ開発を進めるという、インディーズゲーム的な開発が行われたのも興味深いところだ。「修練者」の追加や、死んでも失われなくなった「図面」などはいい例で、ゲームをよりよくする工夫が行われたというわけだ。

やりがいのあるゲームを求めている人、じっくりと遊びたい人、2Dアクションの腕前に自信がある人は、本作に挑戦してみてほしい。

 

ゲームに慣れていないうちは、迷わず「修練者」を選ぶべきだ

 

アイテムを取るごとに、画面下に点灯するパワーアップ項目が左から右へ動いていく。とりあえず3つ目の「生命力増強」でスティック押し込みと覚えておこう

 

月氏の館で素材を使っての強化(鋳造)。これは、強化アイテムを突っ込むスロットを開ける、もしくは武器に強化スイッチを取り付けるようなもの。なお、この時点では武器の能力は上がっていない

 

実際の強化(活性化)は、月氏の館ではなく、ステージ中でのみ行える。月氏の館で開けたスロットに強化アイテムを突っ込む、もしくは取り付けた強化スイッチをONにすると、武器の能力がアップするというイメージ。なお、アップさせた能力はそのプレイ限りで、月氏の館に帰ると失われる

 

上記の強化とは別に、武器自体をランクアップさせることも可能(段位補強)。ランクアップすると、能力が上がる。こちらもそのプレイ限りの効果

 

【ゲーム情報】

■GetsuFumaDen: Undying Moon(ゲツフウマデン アンダイング ムーン)

メーカー:KONAMI

配信先:Steam、Nintendo Switch

配信中

メーカ希望小売価格:デジタルデラックスエディション 3,828円(税込)、通常版 2,728円(税込)、

ジャンル:浮世絵風ローグライク剣戟アクション

CEROレーティング:D

 

(C)Konami Digital Entertainment

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