【Steam】「The Good Life」レビュー ネコとイヌと謎だらけの“世界一幸福な町”で気ままにスローライフ!

2021年12月04日 12:000

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アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。突然ですが、皆さん、田舎暮らしにあこがれを抱くことはありますでしょうか? もちろん言うまでもなく、田舎には田舎ならではの大変さがあるわけですが、とは言え、時間に追われ、人ごみに飲まれながら過ごす都会生活とは違うスローライフな世界に夢を抱いてしまう現代人は多いのではないかと思います。

 

というわけで今回は、ちょっと変わった田舎暮らしが楽しめるSteamで発売中の作品、「The Good Life」をご紹介していきます。



ミステリー、ファンタジー、そして殺人事件!? 魅力あふれる「The Good Life」のストーリーをご紹介


本作「The Good Life」は、3Dグラフィックで描かれたオープンワールドアドベンチャーゲームです。とある田舎町が舞台の本作は、ジャンルが“借金返済スローライフミステリー”となっています。なにやら気になる要素が盛り盛りなジャンル名ですが、まずはストーリーからご紹介していきましょう。

 


本作の主人公は、借金を抱え途方に暮れるフォトグラファー、ナオミ・ヘイワード。クライアントであるモーニングベル通信から「イギリスにある田舎町の謎を解き明かせ」という依頼を受けたナオミが、住み慣れたニューヨークから遠く離れた地、“レイニーウッズ”にやってくるところから物語が始まります。ちなみに主人公のナオミさん、口癖はずばり「くされ地獄だぜ」ということで、口が少々お悪い……もとい、とっても個性的なしゃべり方の人物なのですが、素直で前向き、人当たりのいい性格のキャラクターなんです。



レイニーウッズに着いたナオミを出迎えてくれたのは、役場の責任者であるエリザベス・ディケンズという女性。車椅子に乗り、どこか謎めいた雰囲気を持つ彼女は、なんとナオミにこの街で暮らすための一軒家を用意してくれています。タダで家をくれるなんて、そんなうまい話があるのかとあやしむナオミですが、エリザベスは「ここは“世界一幸福な街”レイニーウッズよ。ここに来た人は、みんな歓迎されるの」と、にこやかな笑顔を浮かべて言います。さすがは“借金返済スローライフミステリー”。出だしから、かなりミステリアスな展開です。



町から少し離れた場所に建つ小さなボロ家を拠点に、“世界一幸福な町”レイニーウッズの調査をはじめたナオミ。そんなある夜のこと、ナオミは町で世にも奇妙な光景を目撃します。なんと、彼女の目の前で、町の人々が突如ネコやイヌに変身してしまったのです! 何を隠そうこのレイニーウッズでは、町の住人たちが夜になると人間の姿からネコやイヌに姿を変えてしまうのです。なんともミステリーでファンタジーな展開になってきましたね……!



さらにこの後、ナオミはひょんなことから、自分自身もネコやイヌに変身できるようになります。ますます濃厚なファンタジー展開になってきました……! ネコに変身しても、ナオミのトレードマークであるサングラスがそのままなのが、ちょっとシュールでかわいいですね。

 

ネコに変身すると、人間のときよりも速く走れたり、低い塀を飛び越えたり、爪痕のマークがある壁を登れたりと、探索面でもメリットが多数。人間のときには行けそうになかった場所も変身を駆使して進んでいける、そんな謎解き要素が楽しめるのも本作の魅力のひとつと言えるでしょう。



ときにネコやイヌに変身しながらレイニーウッズの謎を追うナオミですが、なんとこの後、町で発生した殺人事件に巻き込まれてしまいます。まさに急展開……! この謎めいた物語がどうなっていくのか、その先はぜひ、ご自分の目で確かめていただきたいと思います。


バズる写真でお金を稼ぐ! 料理や野菜作りも楽しめる! ユニークなゲームシステムを解説


レイニーウッズに隠された謎を探りながら、借金の返済をするというのが、本作「The Good Life」の大きな目的となります。

 

こう書くと、なにやらやることが多く複雑そうなイメージを持つかもしれませんが、本作にはクエスト制が採用されており、提示される大小さまざまなクエストを達成していくことでゲームを進めていくことができるので、複雑さはまったくありません。

 

また、クエストは1度に複数受注することができ、さらにクエスト達成のためにするべきことも、次に行くべき目的地も好きなタイミングで確認可能なので、かなり遊びやすい作りという印象です。



レイニーウッズの謎を軸にした物語は、「メインクエスト」をこなしていくことで進めることができます。では借金の返済はどうすればいいのでしょうか? 何を隠そう主人公のナオミさん、3000万ポンドもの借金を背負っているんです。


この金額、現在の日本円に換算すると、およそ45億円以上! あやしげな団体が主催する人生逆転系ギャンブル大会にでも参加しないとヤバそうな金額ですが、本作にはもちろんそんな展開はなく、借金はコツコツ真面目にお仕事をして返していくことになります。


前述ですが、ナオミさんのお仕事はフォトグラファー。というわけで、お金は「写真撮影」で稼いでいくのが基本です。探索中にカメラのファインダーをのぞくボタンを押すと、3人称視点から1人称視点の写真撮影画面に変わるので、感性のおもむくままにバシバシと写真を撮っていきましょう。



お金稼ぎのキーとなるのが、自宅のパソコンからアクセスできるゲーム内SNS「フラミンゴ」。撮った写真をこのフラミンゴにアップロードして、“いいね”ならぬ“エモいね”を稼ぐことで、広告収入としてお金をゲットすることができます。「いい写真を撮って、とにかくバズることが正義」という、なんだか妙にリアリティのあるユニークなシステムです。


リアリティと言えば、ナオミさんが使う自宅のパソコンですが、田舎であるがゆえにネット回線が「地獄遅え」(原文ママ)ため、写真をアップロードするのになかなかの時間がかかります。ちょっとストレスを感じてしまいますが、あえてこのような世界観に没入できる作りにしたという点に、ゲーム製作者のただならぬこだわりを感じる筆者です。



SNS「フラミンゴ」は、とにかく“エモいね”を稼いでバズらなければお金にならないというシビアな世界。では、バズるためにはどうすればいいのかと言うと、その鍵を握るのは「ホットワード」です。

 

「#にぎやかな庭」「#うまそうなトースト」などなど、提示されるキーワードに一致する写真を撮ってアップロードすることで“エモいね”がつきやすくなり、お金を多くゲットできるというのが「ホットワード」の仕組み。ちなみにこのホットワードは、定期的に変わってしまうため注意が必要です。SNSのトレンドに目を光らせながら素早く流行に乗り、効率よくバズを狙っていくというこのシステムは、いい意味でなんとも現実くさく、筆者が面白さを感じたポイントです。



現実くさいポイントと言えば、忘れてはならないのが体調に関するシステム。ナオミさんには「満腹度」や「眠気」、「ストレス」といった“現実くさい”各種パラメーターが存在し、さらに「風邪」や「頭痛」といった、これまた“現実くさい”状態異常が存在します。


これらの状態異常に陥ってしまうと高額な治療費が必要になるため、寝食を忘れて探索に没頭することなく、しっかりと体調管理に気を配らなければなりません。それにしても「食事と睡眠が大切!」って、およそゲームの攻略らしくないリアリティしかないフレーズですね……!



食事は、町のカフェなどで料理を注文して行うことができますが、何度も同じ料理を食べているうちにレシピを覚えることができます。こうして覚えた料理は、自宅のキッチンや野外調理場で作ることが可能になり、時間やお金の節約にもつながります。作った料理はすぐに食べずに写真に撮ってSNSにアップすれば、ホットワード次第ではお金を稼ぐチャンスにもなるかもしれません。


ちなみに、体調のパラメーターには「健康度」というものがあり、料理の中には「満腹度」は回復しても「健康度」が回復しないものもあります。

 

たとえばサラダやスープは健康度が回復しますが、ジャンクな料理では満腹にはなっても健康にはなれないといった具合で、ジャンクなものばかり食べ続けているといずれ病気になってしまうかもしれません。このあたりの“現実くさい”システムも、本作ならではの面白さのひとつと言えるでしょう。



料理はスローライフ系ゲームでは定番の要素ですが、もうひとつ、昨今のスローライフ系ゲームの定番と言えば「農園」ではないでしょうか。本作「The Good Life」では、自宅の外にある庭を使って、家庭農園を作ることが可能です。自分で種をまいて育てた野菜を使い自炊することもできます。さらに、さまざまなオブジェクトを庭に持ち込んで自分好みに庭をデコるといった遊びもできるので、好きな方は、この農園要素だけでもとことんハマってしまうこと請け合いです。



ココがスゴい! 「The Good Life」の推しポイントまとめ


これまで「The Good Life」のストーリーとシステムについてご紹介してきましたが、ここからは本作における筆者の推しポイントをご紹介していきたいと思います。

 

まず1番に筆者があげたいのは、クセの強いキャラクターたちの存在です。口の悪さとノリのよさを兼ね備えた主人公・ナオミもかなり個性的なキャラクターですが、レイニーウッズで暮らす住人たちはみんな、ナオミに負けず劣らずひと癖もふた癖もある人たちばかり。


体は大きく声が小さい鎧を身にまとった工務店店主、ダグラス・マカヴォイや、死神に追われて30年眠っていないというB&Bの店主モリス・ダウナー、などなど、とにかく全員すさまじいインパクトを放っています。

これらクセの強いキャラクターたちが、「The Good Life」の明るくも謎めいた世界観にぴったりマッチし、本作を唯一無二の作品に仕上げているように筆者は感じました。



次に筆者があげたい推しポイント、それはずばり「写真撮影の面白さ」です。個性あふれる住民たち、素朴でどこか懐かしさが漂う町並み、緑豊かな自然、そして多数生息する野生動物と、レイニーウッズの町にはとにかく写真映えする光景が盛りだくさん。

 

お金を稼ぐためにホットワードに引っかかる被写体を探して歩くのも楽しいですが、インスピレーションに任せて町行く人やなにげない風景を撮りまくるのもハマります。自分が撮った自信作の写真をフラミンゴにアップしてたくさんの“エモいね”がつくと、お金がもらえるという点だけではない、嬉しさと快感を得られること間違いなし。気がつくと、クエストそっちのけで写真撮影に没頭してしまっているプレイヤーも多いのではないかと思います。



先が気になって仕方がない謎めいたストーリーも魅力的ですが、先述の写真撮影に代表される寄り道要素の豊富さも本作の大きな魅力です。キッチンで料理を作って、庭で野菜を育て、町に出てお気に入りのカフェに通い、映えそうな写真をバシバシ撮って、ネコに変身して野山を駆け巡り料理やアイテム作りに必要な素材を集めまわり、家に戻ってSNSに写真をアップしつつ獲得したエモいねをチェックする……といった具合に、本作はとにかくプレイヤーがやれることがたっぷり。さらに、住人やクライアントから依頼されるサブクエストも多数存在しているので、遊びごたえ抜群です。

 

ともすればアドベンチャーゲームというジャンルは、おつかいクエストの連続で単調なゲームプレイになってしまう危険性を持つものです。しかし「The Good Life」は、自由に楽しめるスローライフ要素やサブクエストなどの寄り道要素がこれでもかと盛り込まれているので、プレイヤーがいつまでも飽きずに楽しむことができる作りになっているように筆者は感じました。



冬休みはゆっくりと「The Good Life」でスローライフを楽しもう!


というわけで、「The Good Life」をご紹介しました。

自由気ままなスローライフ要素と先が気になるドラマ要素の見事な融合によって、他の作品では味わえないオリジナリティあふれるゲーム体験が楽しめる「The Good Life」。来たる年末年始のお休みの時間にゆっくり楽しむにはもってこいの作品ですので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。


  • タイトル情報
  • 「The Good Life」(White Owls Inc.)
  • ジャンル:借金返済生活シミュレーター
  • 2021年10月15日発売
  • 価格:Steam 2,980 円(税込) その他プラットフォーム 3,980 円(税込)(2021年11月23日時点)
  • コピーライト:©2021 White Owls Inc. Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.
筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
Twitter:https://www.twitter.com/KINGakiko
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