クラウドサービス「Xbox Cloud Gaming」プレイレビュー!国内外のゲームタイトルがスマホやPCで遊べる!

2021年11月21日 12:000

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2021年10月1日より、マイクロソフトはクラウドゲームサービス「Xbox Cloud Gaming」の提供を日本国内で開始した。日本だけでなく、北米をはじめとする世界各国でも配信されており、100種以上のXboxタイトルを定額で楽しむことができる。

そもそもクラウドゲームとは、通常はゲーム機側で行われるさまざまな処理や演算を、サービスを提供する側のサーバーに代わって行うというもの。プレイヤー側の画面には、その結果の映像だけが映し出されるので、デバイスの性能はゲームのクオリティにほとんど関係しない。そのため、ゲーム機だけでなく、スマホやタブレットでも大作系のタイトルを遊べるなどのメリットがある。いっぽうで、映像の送受信は通信速度に依存することもあり、ゲームの安定性が欠けるのも事実だ。


遅延の有無はどうか、使用感はどうなのか。本稿では、Xbox Cloud Gamingを実際に使ってみたうえで、その特徴や気になる点などをお伝えしよう。



PCで遊ぶうえで遅延はほぼなし



今回筆者が入会したのは、「Xbox Game Pass Ultimate」。3つあるコースの中で、最も特典が多い。本稿で紹介するクラウドゲームサービスはもちろん、Xboxシリーズ、PC、モバイル機器、それぞれに向けたタイトルをインストールして遊べる「ゲームパス」を中心に、エレクトロニック・アーツが提供するゲームを遊んだり、限定コンテンツにアクセスしたりできる「EA Play」などいろいろな特典付いてくる。利用料金は月額1,100円※(税込)で、最初の月だけは100円(税込)で利用可能だ。
※2021年11月時点



まずはPCで検証。クラウドゲームを試す前、筆者のPCの有線LAN速度は、ダウンロードが216.5Mbbs、アップロードが14.4Mbbsだった。マイクロソフトの公式サイトでは、クラウドサービスを楽しむための推奨速度が10Mbbs(ダウンロード)以上の5GHz Wi-Fiとあるので、光回線の有線接続なら問題ないだろう。無線で接続する場合は、ふだん使っているWi-Fiの周波数帯が5GHzになっているか、1度調べたほうがいいかもしれない。



最初に遊んだのは、セガの「龍が如く7」の欧米版「Yakuza: Like a Dragon」をさらに日本向けにアレンジした、「龍が如く7 光と闇の行方 インターナショナル」。広大なマップを自由に行き来できる、いわゆる「箱庭」タイプの作品だ。インターナショナル版になったことで、フレームレートの向上や英語音声の追加といった要素が盛り込まれている。



さっそく3時間ほど遊んだが、遅延はほとんど感じられない。人ごみの中を走ったり、そのまま戦闘になったりした瞬間、わずかに止まることもありはしたが、プレイに支障はなかった。

 

つぎに試したのは、スクウェア・エニックスの「NieR:Automata BECOME AS GODS Edition」。2017年に発売された「NieR:Automata」をベースに、ダウンロードコンテンツや特典が追加で盛り込まれているタイトルだ。「BECOME AS GODS Edition」はXboxOneおよびWindows 10向けに販売されているため、日本で家庭用ゲーム機を中心に利用している人にとっては、環境的な都合でなかなか手が出しにくかった作品でもあった。



上記「龍が如く7」よりもアクションが激しいためか、多数の敵と戦っていると画面が止まることもあった。とはいえ、それも一瞬のことでさほど気にはならなかった。本作のほかにも、レースゲームの「Forza Horizon 4」(マイクロソフト)、ゾンビの大群を迎え撃つ「Back 4 Blood」(ワーナー・ブラザーズ)、FPSの「バトルフィールドV」(エレクトロニック・アーツ)など、処理が重そうなタイトルを遊んでみたが、大した遅延は確認できなかった。期間を設けて検証すれば、また違った結果もあるのだろうが、少なくとも今回の記事を書くにあたって、深刻な遅延はなかった。

 

次に無線接続を試そうと思ったが、私のPCには無線機能がない。そこで、手持ちのスマートフォンで確かめることにした。



スマホで遊ぶ場合は本体のスペックに注意



ちょうどiPhoneを買い替えたばかりだったので、旧式の「iPhone 7」と、最新機種の「iPhone 13」で試してみた。この時点でのダウンロード速度は、95Mbbsほどだ。さっそく「龍が如く7」を起動したところ、iPhone 7ではPCと比べて遅延が激しく、円滑に遊ぶのはかなり厳しい。フリーズしたかのように画面が長時間固まることも多かった。いっぽうのiPhone 13では、遅延はほとんどなかった。デバイスの性能は関係ないのがクラウドゲームの長所だが、古い機器によっては、受け取った映像の出力処理自体が難しいのかもしれない。



タップやスワイプで操作できるタイプのタイトルは、起動するとXboxコントローラーのボタンが画面に表示される。それぞれのボタンに触れながらゲームを操作するわけだ。iPhone 13やiPhone 13 Pro Maxのような大画面ならいいが、iPhone 7のような小さめの画面で遊ぶ場合、指のせいで画面がやや見えにくい。ゲームに集中したいなら、プレイステーションやXboxのワイヤレスコントローラーを使うのがオススメだ。



筆者はPS4のコントローラーであるデュアルショック4しか持っていないので、ここではiPhoneとデュアルショック4をつなぐ方法だけ明記したい。iPhoneとデュアルショック4をつなぐには、まずデュアルショック4のSHAREボタンとPSボタンを同時に長押しする。コントローラーの後部にあるバーが白く点滅したら準備は完了。つぎにiPhoneの「設定」から「Bluetooth」を選び、検出されたデバイスの中から「DUALSHOCK4 Wireless Controller」を選択すればいい。

 

「NieR:Automata BECOME AS GODS Edition」などのアクションゲームは操作も激しいので、コントローラーのほうがやりやすいだろう。実際にiPhone 13とデュアルショック4をつないでアクション系ゲームをプレイしたが、家庭用ゲーム機に触れているときと感覚はほとんど変わらないうえ、タップ操作の場合と比べても、遅延の差は感じられなかった。



クラウドゲーミングで遊べるタイトル



今回の記事で取り上げたものにとどまらず、Xbox Cloud Gamingではさまざまな作品がプレイできる。以下にその一部をピックアップしたリストを載せるので、ラインアップの参考にしてほしい。

一部対象タイトル(順不同)
SCARLET NEXUS(バンダイナムコエンターテインメント)
HADES(Supergiant Games)
STAR WARS™ バトルフロント™ II(Electronic Arts)
「レインボーシックス シージ」デラックスエディション(UBISOFT)
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S(スクウェア・エニックス)
A Plague Tale: Innocence(Focus Home Interactive)
BIOHAZARD 7 resident evil(カプコン)
AI: ソムニウムファイル(Spike Chunsoft)
CODE VEIN(バンダイナムコエンターテインメント)
Dead by Daylight(Behaviour Interactive Inc.)
Hollow Knight: ヴォイドハート・エディション(Team Cherry)
OCTOPATH TRAVELER(スクウェア・エニックス)
Tropico 6(Kalypso Media)
バンジョーとカズーイの大冒険(Microsoft Studios)
Gears 5(Xbox Game Studios)

通信技術の関係上、クラウドゲームはまだまだ制約が多いが、なかでもXbox Cloud Gamingは遊びやすい印象を受けた。大作やインディーズを問わず海外タイトルが多いのも特徴で、「洋ゲー」に興味がある人にとっても魅力的と言える。すでに述べたように、クラウドサービスを利用できるXbox Game Pass Ultimateは、最初の1か月だけなら100円で試すことができる。加入するか迷っているなら、まず試しに遊んでみてはいかがだろう。

(文・夏無内好)

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