【Switch】「BARRICADEZ ReVisited」レビュー 文明崩壊の世界で拠点を作って敵軍を迎え撃つ!クラフト×タワーディフェンスゲーム

2021年10月30日 12:000

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アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買い過ぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。突然ですが、クラフト系のゲームはお好きでしょうか。有名タイトル「Minecraft」をはじめ、材料を集めて道具や建築素材を作るクラフト要素のあるゲームは、昨今の流行ジャンルのひとつです。

というわけで今回は、クラフト要素のある一風変わった作品、Nintendo Switchで発売中の「BARRICADEZ ReVisited」をご紹介していきます。

唯一無二のプレイ感覚! ユニークすぎる「BARRICADEZ ReVisited」のゲーム性


本作「BARRICADEZ ReVisited」は、2021年9月30日に発売された作品です。現在、Nintendo SwitchのほかにSteamでも発売されていますが、今回はSwitch版でレビューをしていきます。



本作の舞台は、文明が崩壊して不気味な生物がさまよう、とある惑星。そこには、アグレッサーと呼ばれる、おびただしい数の敵が生息し、赤ん坊の眠る揺りかごを狙っています。


そんな不思議な世界観の本作でプレイヤーが操作する主人公は、「ケアーロボット」と呼ばれる人型のロボット。このケアーロボットは、何100年もの眠りから目覚めたばかりで何も知らず、また、何かを説明してくれる相手も誰もいないという状況。しかも、このケアーロボットの制御プログラムには深刻な不具合があるため、エングラムと呼ばれる記憶の痕跡を集めて自身をアップグレードしないといけません。


「文明が崩壊した惑星で、ひとりのロボットが、赤ん坊の眠る揺りかごを守る」というSFテイストの世界観は、独特で引き込まれるものがあります。



本作のジャンルは「クラフト×タワーディフェンスゲーム」。防衛ユニットを配置して、敵を迎え撃つリアルタイムストラテジージャンル「タワーディフェンス」に、資源を集めて物を作る「クラフト」要素が組み合わさった、ユニークなゲームとなっています。


ゲームを開始すると、まずはプラクティスモードをプレイして、遊び方を覚えていくこととなります。というわけで、プラクティスモードの構成に沿って、まずは本作のタワーディフェンス要素についてご紹介していきましょう。



本作は、キャラクターや壁などを横側からの視点で捉えたサイドビュー形式のゲームです。プレイヤーの目的は、ステージの中央に置かれた「揺りかご」を、襲い来るアグレッサーたちから守り抜くこと。


とは言え、プレイヤーであるケアーロボットは、敵を直接攻撃することができません。そこでプレイヤーが行うアクションはと言うと、ずばり「防衛設備の建築」。敵が揺りかごにたどり着かないように、さまざまな防衛設備を建築していくというのが、本作におけるプレイヤーの基本的な目標となります。



本作にはゲーム内時間の概念が存在します。敵は昼の時間には現れず、夜になると出現するため、プレイヤーは昼の間に防衛準備を整えないといけません。


この、来たるべき敵の襲撃に備えて、防衛設備を建築していくという部分は、まさに「タワーディフェンス」の真骨頂的なプレイ感覚。


昼の間であればゲーム内時間を自由に停止させて「建築モード」に移行することができるので、敵の襲来に怯えずにじっくりと準備を進めていくことが可能なのですが、筆者は心配性なのでついつい延々と時間を止めたまま準備をし続けてしまいます。


遊ぶ人の性格によってプレイスタイルに差が生まれるのも、タワーディフェンスジャンルの魅力のひとつと言えるかもしれません。



敵から揺りかごを守るための設備として、最もオーソドックスな物は「土のうブロック」です。


土のうとは、工事現場などでよく見かける中に土砂が詰まった袋のことですが、本作ではこの土のうを縦に積み上げて壁を築くことで、敵を足止めし、揺りかごにたどり着くまでの時間稼ぎをすることができます。


「時間稼ぎをするだけじゃ、いずれたどり着かれてしまうので意味がないのでは……?」と思われるかもしれませんが、実は本作の敵であるアグレッサーは、朝の6時になって日の光を浴びると消滅するという特性を持っているのです。つまり、ゲーム内時間の朝6時まで耐えきれば、1日はクリアとなります。この「敵の襲来をなんとかして耐え抜く」というサバイバル色の強いプレイ感覚は、本作の大きな特徴のひとつと言えるでしょう。



本作のさらなる特徴は、敵から揺りかごを防衛するための設備やトラップの豊富さです。


前述のとおり、このゲームではプレイヤーは直接敵を攻撃することができないため、敵の侵攻を阻止するためには、先ほどの「土のうブロック」のような障害物で敵を足止めするほかに、さまざまなトラップをしかけて敵にダメージを与えなければなりません。


前方に向かって矢を撃ちだす「アロー」、斜め上に放物線を描くように弾を放つ「カタパルト」、左右に飛び出す槍で敵を突き刺す「スピアー」などの直接攻撃系のトラップは、配置場所がとにかく重要。せっかく設置しても敵に当たらない場所では意味がありません。特に「アロー」から撃ちだされる矢は、遠くの位置まで届くものの途中で障害物に当たると消えてしまうため、配置には建築の計画性が大切です。



見るからに痛そうなトゲトゲの罠「スパイク」や、赤々と燃える炎の道「ファイアウォーク」は、上を通過する敵にダメージを与えるタイプのトラップ。特に「ファイアウォーク」は、減速や燃焼といったデバフを敵に与えられるので、敵軍の勢いを弱まらせて侵攻を遅らせる効果が期待できる心強いトラップです。 しかし、これらのトラップは当然、敵が踏まなければまったく意味がありません。壁や床などほかのオブジェと組み合わせて地形を作り、敵の動きを誘導したうえでしっかり踏ませていく必要があります。



近づいてきた敵をはじき飛ばす「スプリングウォール」や上に乗った敵を斜め上にはじき飛ばす「スプリングフロア」は、敵に直接ダメージを与えはしないものの、使い方次第で敵軍の侵攻を大きく後退させることができるトラップ。


上に乗った敵を落下させることができる落とし穴系トラップ「ピットフォール」や、天井に設置して真下に弾を落とす「メテオライター」、天井に吊るされた刃で下を通る敵にダメージを与える「ペンデュラム」は、強力ですが設置場所がかなりキーとなるトラップです。


トラップをうまく活用できるか否かは、まさにプレイヤーの建設テクニックの見せ所。自分の設置したトラップが予想どおりに働いて、大量に押し寄せる敵を一掃できたときの爽やか感は格別です。


「自分だけの最強の砦を作る楽しさが味わえる」という点は、本作の醍醐味のひとつと言えると筆者は感じました。



本作のもうひとつの特徴は、トラップの数に負けず劣らず豊富な敵の種類です。


最もオーソドックスな敵である人型のゾンビ「ランナー」は、2ブロックの段差を登り、3段以上の壁を破壊するという特性を持っています。

トカゲと犬の混じり合ったミュータント「ハウンド」は、壁や天井に張り付いて移動するという敵。壁やブロックを入り組んだ配置にして、できるだけ遠回りをさせるなど、特殊な対策が必要になります。


ほかにも体力と攻撃力が高い巨漢ゾンビ「ブッチャー」や、アローから放たれる矢を無効化してしまう「スライム」など、それぞれ異なる特性を持った厄介な敵が登場します。


敵の種類に合わせた最適な戦略を常に考えていないといけないのが、本作のストラテジーとしての面白さと言えるでしょう。



敵たちの猛攻を防ぐためのトラップや障害物は、はじめからステージ上に配置されたわけではありません。プレイヤーが自分で作成する必要があり、そのための素材も入手しなければならないのです。というわけで、ここで登場するのが、本作の「クラフト」要素です。


ステージ中央に置かれた揺りかごの下部に降りると、そこには広大な地下が広がっています。プレイヤーはこの地下で、土や石、木材などさまざまな素材を収集し、その素材を使って施設やトラップをクラフトしていくこととなります。広い地下空間を探索するのは大変そうに思えるかもしれませんが、プレイヤーであるケアーロボットは飛行ができるため、移動はかなり楽々でサクサク。さらに、「掘削ロボット」というアイテムを設置すれば自動採掘をまかせることができ、素材集めがはかどります。


さらに、深い地層でのみ採取できる貴重な資源があったり、地下に存在する遺跡には「宝箱」があったりなど、地下での素材収集が作業的になることなく、冒険感覚で楽しるのも本作のポイント。


この「探索・収集・クラフト」のサイクルは、好きな人はこれだけでどっぷりハマってしまうかもしれません。

 

ここがイチオシ「BARRICADEZ ReVisited」の魅力!

 

本作の大きな魅力として筆者が推したいポイントは、ずばり「トラップを組み合わせる面白さ」です。

 

たとえば、落とし穴的な役割のピットフォールで敵を落とし、落下地点に踏んだらダメージを受けるスパイクを配置してみたり、スプリングフロアで敵をはじき飛ばしたその先にスプリングウォールを設置してさらにはじき飛ばしてみたりと、トラップをうまく組み合わせることで「トラップの連鎖」を作り出すことが可能です。プレイヤーの発想次第でさまざまな戦略を組み立てられるという面白さは、建築要素とタワーディフェンスが融合した本作ならではの醍醐味と言えるでしょう。

 

 

もうひとつ、タワーディフェンス部分の魅力として、筆者は「夜の緊張感」をあげます。

 

前述のとおり、本作にはゲーム内時間の概念があり、昼の間は敵が現れずに夜になると敵が出現するシステム。さらに、昼の間はいつでも好きなタイミングでセーブ可能ですが、夜になるとセーブができなくなります。つまり、防衛に失敗すると、夜からのやり直しができないということです。

 

この「安全な昼」と「危険な夜」の差によって生まれる緩急がゲームにスリルを生み出し、本作の唯一無二の面白さにつながっていると言えるでしょう。

 

 

選べるモードの種類の豊富さも、本作の魅力としてあげられます。

 

アグレッサーから揺りかごを守り56日目の朝を迎えることを目指す、本作の基本モードである「ストーリー」モードを始め、出現する敵や機能が特殊な環境でステージごとのクリア条件に挑戦する「チャレンジ」、ストーリーモードで7日間ごとに訪れる“赤い夜”だけを連続してプレイする高難易度チャレンジ「レッドムーンラッシュ」と、多彩なモードが用意されています。

 

いろいろな要素が組み合わさった本作は、できることが豊富であるため、覚えるべき内容が多く、ゲームに慣れるまでやや時間がかかるのですが、だからこそ遊びながらしっかり操作やルールを覚えられる「プラクティス」モードの存在は、筆者的には特にとてもうれしいポイントでした。

 

クラフトも建築もタワーディフェンスも楽しめる「BARRICADEZ ReVisited」は、ハマりすぎ注意の良タイトル!

 

というわけで、「BARRICADEZ ReVisited」をご紹介しました。

「クラフト」「建築」「タワーディフェンス」というゲームにおける人気要素の数々が、いいとこ取りで見事に融合し、唯一無二のプレイ感覚が楽しめる作品に仕上がっている「BARRICADEZ ReVisited」。
地上の地形および地下の素材配置はランダム生成であるため、プレイするたびに異なるゲーム展開が楽しめるのも大きな魅力であり、長く遊べる作品となっています。
「クラフト」「建築」「タワーディフェンス」というワードにグッときた方はぜひ遊んでみていただきたい、オススメのタイトルです。

 

筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
Twitter:https://www.twitter.com/KINGakiko
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