坂本夏樹さんの評価レビュー

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言葉を操る異能力者

観賞手段:動画サイト
現在映画も大ヒット中のハイキュー!!
全作中でも特に好きな試合だったので、
劇場の大スクリーンで、大音量で、
実際の1試合分と同じ85分の上映時間を
切れ間なく楽しめることが、本当に嬉しかった!
もちろん公開初日に堪能してきました。

あまりにも手に汗握りすぎ、
劇場を出てだいぶ経った帰宅後も
全然ドキドキがおさまらない
すごすぎる余韻を
このまま鎮めてしまうには勿体なすぎる、と
勢いのままにアニメ版を観返しましたが、
当初から各所で感嘆されてきていましたが、
劇場版を観た直後だからこそ、
改めてアニメ版の作画力の高さに感動しました。
ストーリー、脚本、声優陣、劇伴も、
どこから切り込んでも非の打ちどころを
見付けることは出来ません。

OP/ED主題曲も、アニソンという枠に縛られることなく
アーティスト達自身の代表曲として
音楽ファンに愛されていることからも、
ただアニメの為に作られた曲にとどまらない、
純粋な音楽としての芸術性の高さがうかがえます。

どの曲も大好きで、
甲乙つけるなんてもってのほかですが、
第3期OP曲、 BURNOUT SYNDROMES「ヒカリアレ」
には度肝を抜かれました。
ずっとサビ。
90秒のOP曲尺中、70秒がサビ。
セクション分けするならば、
A、A'、サビ、サビ、サビ、サビ。
サビを印象付ける為に、アニソンではもはやマナーとも
言えるほどにサビ始まりアレンジが多用されていますが、
サビから始まらないのに、
サビ始まりアレンジ以上に、
サビの印象を刻み込んでくるとは!

メロの編み方もさることながら、
歌詞中の「光あれ」の位置させ方は、まさに妙義。
厳密にセクション分けするならば
A、A'、B、1サビ、2サビ、Outro
となるのですが、
この、タイトルであると知らずとも、
聴くだけで、サビが来た!と感じさせる
キャッチーなワードでBセクションを始め、
サビでも折り返しの度に登場させることで、
切れ目なく、ずっとサビのテンションを保ち抜きます。

そしてOutroでの、「光あれ」締めに
完全にノックアウトされました。
ここまで「光あれ」をセクション頭で連発されると、
セクション頭に「光あれ」を期待するのが
当然の感覚となってしまっているところに、
Outro頭でわざと外す。
そうすると、どうなるか。
「光あれ」が更に欲しくなってしまいますよね。

直前の2サビセクションでは、
更に細分化した前半セクションの折り返しにも
追加されていましたから、
もう「光あれ」がないとダメな体に
なってしまっている。
そんな状況で、急に外されると、どうしても、
どうやっても、もう一度「光あれ」が
聴きたくなってしまう。
今か今かと待ち望んでしまう。
そんな心境が、緊張感を持続させる。
これがOutoroでもサビのテンションを維持
させられる重要な要因だと考えられます。

もういよいよ、これ以上待てない!と
アニソン体内時計がけたたましく叫びを上げる
86秒目から曲尺いっぱいを使って
満を持して「光あれ」で締める。
これ以上に眩しい解決を僕は知りません。

BURNOUT SYNDROMESの言葉を操る能力の高さは
異能力とも言えるほどに、一線を画しています。
他だと「PHOENIX」とか、
どうやったらそんな例えが思いつくのか、
なんでその言葉にメロディを当てはめられるのか、
普通では、成功率が低すぎるから絶対に避ける手法の
大成功の連続で、クリエイトとはかくあるべし、と
背筋がびしっと伸びます。

あと、語感がめちゃくちゃ気持ち良いので、
「ヒカリアレ」は是非歌って楽しんでみてください。
プロレビュアー
坂本夏樹
坂本夏樹
ストーリー
5.0
作画
5.0
キャラクター
-
音楽
5.0
オリジナリティ
-
演出
-
声優
-
5.0
満足度 5.0
いいね(0) 2024-02-26 13:28:28

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