比較的平凡な社会人になった主人公が、会社内の腐った人間関係に絶望し退職して無職化。その後もなかなか就職が決まらない中、突然あらわれた男に社会復帰プログラム「リライフ」に誘われて参加することになる、という話。リライフとは特別な薬を飲んで若返った被験者が見た目は高校生、中身は大人の状態で1年間久しぶりの高校生活に戸惑いながらも人との関わり方を取り戻していく実験的な試み。その物語自体はなかなか面白い。
しかし設定に甘さを感じるところも多い。若返る薬を飲むと基本的にはずっとそのままで、大人に戻るには専用の戻る薬を飲む必要があります。それなら1年と言わずに、若返った状態から人生をやり直したらいいと思った。薬の副作用で合計1年以上若返ったままだと細胞が壊死するとか、突然死のリスクが高まるとか、逆に一切老化しなくなってしまうとか、1年高校生をやってから大人に戻らなければならない理由が不明。
また主人公を散々悩ませている設定に、1年後には若返った主人公のことはクラスメイト達から忘れ去られるというものがあるが、それは一体どういう仕組なんだ?MIBのピカッと光るやつか・・・。しかも主人公が好意を持ってしまう相手が実はもう1人のリライフ参加者で実は大人の女性なのだが、彼女は1年前に成果を出せず、もう1年高校生をやっている。少なくとも薬物的な理由からの1年縛りは無いことがわかる。
最終的に大人同士だから良いよね、って展開になるのが見え見えなのだが、話を面白くするためには本物の女子高生と恋仲になってしまったほうが盛り上がったような気もする。記憶持ちで人生やり直しという意味では異世界転生ものに近いところがあると思うが、同じように地球からきた女の子としか仲良くなれないのでは微妙だろう。