にゅまさんさんの評価レビュー

アニメ放映以降原作全巻が５度目の重版を達成し、円盤の売上確定を待たずに第２期決定を発表するなど、放映前ノーマークからの大成果である。原作販促成果が材料でこれほど早くに第二期作成に踏み切れるとは、角川にとってかなりの貢献実績が示せたと言う事だろう。
　第１話の土木工事に打ち込む日々描写とか部分的な良作画も有ったが、総じて作画は破綻しない程度に安定したレベルだったが、しかし作画能力に頼らない演出の絵作り、そしてキャスト陣のイキイキとした演技で見事に乗り切った。
　そもそもメインの女性キャラ陣が全て性格的に致命的な欠陥を抱える超残念美女美少女と言う事で、作画的に特に可愛くなくてもそれはそれで構わないという雰囲気もプラスに働いたと思う。

　いわゆるゲーム的異世界転生モノではあるが、主人公が戦闘面で何も秀でたものも無いが土壇場の運と駆け引きだけの小心者、ヒロインが女神として優れた資質を持ちつつも知能だけは人並み以下で、性格面は忍耐も慎重さも高貴さも慎ましさも低い酒飲みの浪費家と言うまさに「駄女神」。
　そんな奴らが異世界で上手く行く訳もなく、苦労の末に徒労に終わったり、成果は有ってもトラウマものの苦難を伴ったり、大成果を上げた一方で同時に大借金を背負ったりの七転八倒劇を繰り広げる。割と古典的なギャグ漫画の手法をテンプレ化した異世界転生モノに組み込んだのは、実に美味い空き間を見付けたものである。
　諸手を挙げて覇権作とまでは言わないが、十分に面白かった。