名作を引き継ぐ苦難の始まり #digimon
観賞手段:劇場
記念企画とは言え、あえて火中の栗を拾いに入った企画である。シリーズ内でもファン内で色々な衝突が見られたデジモンの、特に根強い信者の多い1作目の面々のその後である。下手をすれば非難轟々だし、しかし当時のファンの機嫌ばかり気にしていても作る意義は出てこないし、記念作でも商業作品として出す限りは新規にファン層の拡大も求められる。
案の定、新キャラデザと人間キャラのキャスト陣総入れ替えでも賛否両論激しかった。
監督は元永氏。続編モノとしては「うたわれるもの」と並行しての作業である。「スクイズ」の監督もよく引き受けたよなと思ったが、来る仕事は拒まずの人だろうか。
さて本編だが、新録とは言えあのOPの感慨から始まる彼らとの再会の喜びもさておき、思い立ったら一直線こそロックなのかとにかく進まずにいられないヤマトと対比になるかのように、慎重派になった太一の逡巡が今回の流れの中心になる。リアルワールドでの戦いによる現実への被害とデジモン全体が非難される状況に、ヤマトの方が遠慮無さ過ぎと太一に同情する部分もあるのだが、しかしその為に今回だけで観るとカタルシス不足気味ではある。全6章の連作の為、全体の構成と1本としての盛り上げのすり合わせは難しいのは山々であるが、ともあれ現時点ではまだ手放しに喜べる状況にはなっていない。
それから丈先輩も受験理由で合流していない為、2章以降に持ち越しなのも物足りないところである。
大きな期待を背負っているシリーズゆえの厳しいスタートとなったが、それでもまだ始まったばかり。まとめた時に評価できる点も出て来ることもあるので、今後の展開に期待したい。
- ストーリー
- 3.5
- 作画
- 4.0
- キャラクター
- 3.5
- 音楽
- 4.0
- オリジナリティ
- 3.5
- 演出
- 3.5
- 声優
- 4.0
- 歌
- 5.0
満足度
3.5
いいね(0)
2016-01-09 21:21:51