あにわんさんの評価レビュー

前世の記憶がある人間は、その記憶を頼りに超能力が使えるらしい世界。魔獣みたいな脅威から人々を守るためなのか、超能力者達は組織され教育されている。そこには、力によるヒエラルキーと支配がある。

作者は、魂の輪廻と、前世と現世に渡る物語を描きたいのだと推察するのだが、その試みはあまりにも浅はかなストーリー立てで台無しになっている。テーマに対して、作家も編集者も、題材への踏み込みや噛み砕き、おそらく全てが足りない。極論すれば“思い出すだけで”力が発現でき、敵を倒せるという話で終わってしまった。これでは、努力や学習とで成長するという人の根本を否定する作品でしかない。

なにこの現世否定ｗ　という感想しか持ち得ない。

前世では兄妹でも現世で他人なら禁断の恋もOKという、第1話での持って行き方は目から鱗で、新鮮味を覚えたのだが、そこまでだった。