子ども向けアニメの新しい王道
観賞手段:ビデオ/DVD
いかにもシンエイ動画らしく、いかにもアニメミライらしい、かわいい作品でした。
ひと昔前はよく見かけたようなキャラデのケモノっ子主人公が、今っぽいアニメーションで駆けまわる…その組み合わせがシナジー効果を生んでいて、かなりいきいきした画面になっています。
メイン三人、そして脇役三人を固めるキャストもすばらしい。ズーズのような役を演じるときの勝杏里はほんとうに色気がありますね。
やりたい事は充分に伝わるのですが、30分の尺に収めるにはやや詰め込みすぎたきらいもあります。主人公パロルのキャラクターがあまり掘り下げられないので、彼の気持ちの推移にすこし共感しづらさを感じました。
けれど、そんな強引さって70・80年代の子ども向けアニメでは当たり前だったよなあという郷愁も。
結局子どもがアニメに求めるのは、楽しい動き、ワクワク感、そういった感覚的なもので、ストーリーや設定やなんやを問うのは大人の目線なのだろうと思います。
そして、サーカスから水流で脱出するシーンや花火の画などを観ると、そういった要素をしっかり絵で表現している作品だと感じました。
かつてシンエイ動画が築いた子ども向けアニメ作品のDNAをしっかり受け継ぎながら、それを現代アニメに翻訳している。こういうことができるアニメーターがいることを、日本のアニメファンは感謝すべきですね。
- ストーリー
- 3.5
- 作画
- 4.0
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 3.5
- オリジナリティ
- 4.0
- 演出
- 4.5
- 声優
- 5.0
- 歌
- 3.5
満足度
4.0
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2015-04-19 12:00:33