坂本夏樹さんの評価レビュー

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定義

観賞手段:テレビ
「アニソン」の定義についての議論をよく見かけますが、
十人十色の主義主張があって面白いですよね。
正解なんてないので、人の数だけ意見があって当然で、
だからこそ、正反対の思想が存在する。
誰かを傷つけるような衝突は好まないけれど、
どのジャンルにおいても、そういうコントラストが
文化の成長を促してきたと感じています。

作詞曲やアレンジなど、
技術的進化ももちろん大事ではありますが、
正反対をただただ否定するではなく、
クリエイター、オーディエンスの垣根を超えて
様々な意見を柔軟に受け入れ合える環境作りにこそ、
更なる発展の鍵があるように思います。

と、長々と書き連ねたのは、
個人的好み全開のアニソンについて
全力の速度と温度で語りたかったからなのです。

アニソン議論において最もよく見かけるのが、
歌詞の世界観。
確かに超難しいポイントです。
寄り添いすぎてもいやらしいし、
完全独立型だと、だったら別に
このアニメのテーマ曲じゃなくても良くない?
てなりますよね。

この議題においての僕の思想は、
アニメの世界観を表すキーワードを
的確に押さえつつ、
しかしただの引用ワードパズルにならないよう
あくまでも作家、歌手の言葉の中に
織り交ぜて欲しい、です。

このバランスの超個人的最高到達点にあるのが、
魔法騎士レイアースのOPテーマ曲
「 ゆずれない願い」です。

「止まらない未来を目指して」
これ以上ない幕開けのワクワク感!
これぞOPテーマ曲の1行目!
「海」「風」「光」の的確な配置!
しかも、直接的引用はそれだけにとどめられている!

そして、極め付けが
「止まらない未来を目指して」に続く、
「ゆずれない願いを抱きしめて」!
敵味方、悪者良者ではなく、
どうしてもぶつかってしまうそれぞれの思いを
どうやって認め合うか、というテーマが
見事に表されているだけでなく、
「抱きしめて」で締めて
結末を明かさないことで
深層心理的に期待を煽る構成は、
全世界作詞大全に殿堂入りさせるべきです。

そんな歌詞を筆頭に、
メロディーの秀逸さ
トリッキーなリズムや部分転調の妙義など、
まだまだ沢山の推しポイントがありますが
全てを語るには5000字では到底足りません。

ああ!でも最後に一つだけ!
ギターリフが最高!
プロレビュアー
坂本夏樹
坂本夏樹
ストーリー
5.0
作画
-
キャラクター
-
音楽
5.0
オリジナリティ
-
演出
-
声優
-
5.0
満足度 5.0
いいね(0) 2024-01-30 19:25:49

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