【インタビュー】デビュー10年を越えての原点回帰!?　中島愛の始まりの色でもある「緑」をテーマにした、爽やかなアルバム「green diary」

絶対にこのアルバムを携えて、ライブをしたいと思っています

── 3曲目の「メロンソーダ・フロート」はかわいらしい曲ですね。

中島　作曲・編曲してくださったSoulifeさんは、欅坂46の「二人セゾン」とか好きな曲がいろいろあって、私のアイドル好きを知っているディレクターさんがお願いしてくれました。作詞は、キャラソンコレクションのとき、最高なオリジナル曲「恋のジングル」を書いてくださった児玉雨子さんです。楽曲のテーマは「青春時代の私」で、メロンソーダとか青春時代に好きだったものに刺激されて、今でもその時代に戻ってしまうような感覚を曲にしていただきました。

── 作曲はSoichiroKとNozomu.Sという名義になっていますが……。

中島　Soulifeのお2人で、作曲の表記はこうなるとのことです。アレンジはストリングスが華やかで、明るいメロディなんですけど、心にグッと来る感じが青春だなと思いました。歌詞は言葉数が多めで、現代の曲らしいなと思いました。

── 次は「ハイブリッド♡スターチス」。清竜人さんの作詞・作曲・編曲です。

中島　清さんは「髪飾りの天使」のアレンジをお願いしたとき、すごくかわいらしい世界観を作ってくださって、今回は大人ハートな曲をお願いしました。楽曲のテーマは「恋したときの私」です。

── 歌詞にはたっぷり「♡（ハート）」が混ざってますね。

中島　大人ハートな曲をお願いしたんですけど、ここまで「♡」が咲き乱れている歌詞になるとは思ってませんでした（笑）。清さんから「付けちゃっていいんですか？」と聞かれたんですけど、「むしろたくさん付けてくださって、ありがとうございます」と（笑）。

── 続く5曲目はシングル曲の「髪飾りの天使」で、6曲目は宮川弾さんの作詞・作曲・編曲による「粒マスタードのマーチ」です。

中島　「粒マスタードのマーチ」もかわいらしい曲になりました。テーマは「家にいる私」です。弾さんには活動休止前にいくつか曲をお願いしていて、そのときは少女らしいイメージの曲が多かったんです。今はあの頃よりも少し大人になったので、今の年齢感で新たに曲を書いていただきたいなと。それで、気持ちが安定している、ニュートラルな日常曲をお願いしました。それから、今、みんな緊張した日々を過ごしていると思うので、「あとまわし」という言葉を歌詞の中にいれてほしいと。

── なるほど、それで最初の部分に、「あとまわしにした」という歌詞が入っているんですね。

中島　明日できることは、今は思い悩まないで、明日に回そうと。「粒マスタード」にも理由があって、普段はシャキッとしているけれども、家に帰ったときはだらんとしている人が、主人公のイメージなんですね。そういう人の冷蔵庫にありそうなのが粒マスタードだと、弾さんがおっしゃってました。

── 次は「窓際のジェラシー」。一気に大人っぽい曲になります。

中島　「嫉妬する私」をテーマに、揺れる気持ちを描いた曲です。「粒マスタードのマーチ」は安定していたんですけど、そこまで達観できる年齢ではなかったということですね（笑）。英語で嫉妬を表す言い回しに「Green-eyed monster」というのがあるらしくて、「緑」は嫉妬の色でもあるんです。嫉妬に心を悩まされる気持ちを、RAM RIDERさんのディスコティックな楽曲に乗せて歌いました。

── 続く「ドライブ」は、tofubeatsの作詞・作曲・編曲です。

中島　tofubeatsさんは、カバーミニアルバム「ラブリー・タイム・トラベル」の「青いスタスィオン」と「真夜中のドア」の編曲をしていただいたことでつながりができて、今回、オリジナル曲を初めて作っていただきました。「内面に潜っている私」がテーマで、心に張った藻の緑をイメージした曲です。全曲の中で一番深い、黒に近いグリーンですね。

── この曲が全曲で一番大人っぽいですよね。

中島　そうですね。ドライブという題材もそうですけど、全体的な印象として大人っぽい雰囲気の曲です。私が好きなレコードを歌詞に取り入れてくださって、2番の「B面の曲の 意味がわかるようになったのは何故？」という部分が心に刺さりすぎて、深夜に泣きました（笑）。

── 次が「水槽」で、「ドライブ」からの流れがすごくハマっているんですよね。そして、アルバムのラストを飾るのは「All Green」です。

中島　作詞・作曲・編曲の葉山拓亮さんには、アルバムの最後の曲としてオーダーしました。「All Green」というタイトルも先にこちらから提案させていただきました。「All Green」という言葉はアニメにもよく出てきますが、ロケットなどが発射するときの、すべて安全というGOサインで、「これからの私」も先に進めるよというテーマで書いていただきました。私は小学生の頃から葉山さんの大ファンで、そんな方にこのテーマで書いていただけたら、どんどん前に進めますね（笑）。

── でき上がった曲を聴いて、どう思いましたか？

中島　歌詞やメロディももちろん素晴らしくて、中でもお客さんと一緒に歌えるパートを入れてくださったことに感動しました。今はまだお客さんと一緒にライブで盛り上がることはなかなかできませんが、この先またそういうときが来るんだと。私自身が励まされる曲になりました。

── 今回のアルバムは本当に聴きやすくて、爽やかな風のようでした。

中島　インタビューでも、いろいろな方にそうおっしゃっていただけてうれしいです。このご時世だからこその1枚になったと思います。どれだけ先になっても、このアルバムを携えて、みなさんの前でライブをしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

プロフィール

なかじま めぐみ／6月5日生まれ。茨城県出身。
2007年「Victor Vocal & Voice Audition」にて最優秀者に選ばれ、TVアニメ「マクロスF」にて声優・歌手デビュー。
2019年1月には、ソロデビュー10周年を記念して、80年代アイドルミュージックをはじめとした自身初のセルフプロデュース・カバーミニアルバム「ラブリー･タイム･トラベル」を、同年6月には初のベストアルバム「30 pieces of love」とアナログ盤「8 pieces of love」をリリースした。
2020年9月には、これまでにキャラクター名義で歌唱した楽曲を集めたキャラクターソング・コレクション「FULL OF LOVE!!」をリリース。

CDデータ

■5th Album「green diary」



〈収録曲〉

01. Over & Over（作詞・作曲・編曲：三浦康嗣）
02. GREEN DIARY（作詞・作曲・編曲：尾崎雄貴）
03. メロンソーダ・フロート（作詞：児玉雨子　作曲：SoichiroK / Nozomu.S　編曲：Soulife）
04. ハイブリッド♡スターチス（作詞・作曲・編曲：清竜人）
05. 髪飾りの天使（作詞・作曲：吉澤嘉代子　編曲：清竜人）
06. 粒マスタードのマーチ（作詞・作曲・編曲：宮川弾）
07. 窓際のジェラシー（作詞：Summer Valentine　作曲：RAM RIDER　編曲：FILTER SYSTEM、RAM RIDER）
08. ドライブ（作詞・作曲・編曲：tofubeats）
09. 水槽（作詞：新藤晴一　作曲：矢吹香那　編曲：トオミヨウ）
10. All Green（作詞・作曲・編曲：葉山拓亮)

〈初回盤Blu-ray収録内容〉
・GREEN DIARY MV
・水槽 MV
・髪飾りの天使 MV
・「フライングドッグ10周年記念LIVE 犬フェス！」ライブビューイング映像（星間飛行／サタデー・ナイト・クエスチョン）

インフォメーション

●「green diary」発売記念トーク＆ミニライブ、配信決定

日時：2021年2月27日(土) 14：00～
応募期間：2021年2月2日（火）正午12時～2021年2月22日(月)23:59まで
対象商品：中島愛ニューアルバム「green diary」（初回限定盤・通常盤）
対象店：タワーレコード全店・タワーレコードオンライン
　※CDの予約はタワーレコードオンライン特設ページ https://tower.jp/article/feature_item/2020/12/18/0702 まで
　※イベントの詳細は、https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/-/News/A021733/209.html まで

（取材・文／鈴木隆詩）