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「いちばん最後の夏」は、南佳孝さんの歌い方を意識しました
── 次の新曲は、4曲目の「おセンチなメンタル」。どんな曲になりましたか? 鈴木 タイトルも楽曲もかわいらしい印象だったんですけど、歌詞を読み込むととても切ない曲だということに気づいて、より愛着が湧きましたし、曲の主人公が大好きになりました。レコーディングでは、作詞・作曲・編曲の渡邊忍さんから、「みのりちゃんが、いつも話しているように歌ってほしい」というお言葉をいただいて、主人公の気持ちを踏まえつつ、私の想いを誰かに直接伝えるようなイメージで歌えたと思います。
── なかなか、恋の相手に出会えない感じがありますよね。 鈴木 それが切ないんです。「ふたりのメロディー 忘れないよう 口ずさんでる」って歌った後に、明るく「パパパ~」って歌うところがあるんですけど、「逆にめっちゃ悲しいじゃん!」って思って(笑)。主人公の女の子が明るくふるまっているけど、涙がツーっと落ちているところをイメージして歌いました。
── 続く新曲は、6曲目の「いちばん最後の夏」。作詞・作曲が南佳孝さん、編曲が清水信之さんという大ベテランによる楽曲ですね。 鈴木 清水さんにはストリングスのレコーディングのときにご挨拶させていただくことができました。「飯島(真理)さん、中島(愛)さんとやってきて、みのりちゃんで『マクロス』の歌姫ほぼほぼ制覇ですね」と福田さんが言ったら、「そうだね」って楽しそうに笑っていたお姿が印象的でした。
── 南佳孝さんのお名前は知ってましたか? 鈴木 実は私は知らなかったんです。福田さんが、南さんに曲を書いていただくということがどれだけすごいことなのか説明してくれたので、それを母に報告したら、「なんで!?」ってすごくびっくりされました。
── お母様は世代ですよね。「いちばん最後の夏」の第一印象はいかがでしたか? 鈴木 最初にいただいたデモは南さんが歌われていて、心地よさとともに、独特なメロディラインと歌い方に心を惹かれました。その感じを、私のボーカルも引き継いでいこうと福田さんと話し合ったんですけど、いざ歌ってみると本当に難しかったです。南さんの歌い方を意識すると、音程かタイミングのどちらかを見失ってしまうんですね。
── 普段の歌い方とはまったく違うでしょうからね。歌詞については、どう思いましたか? 鈴木 シチュエーションを思い浮かべやすい歌詞で、この歌の世界の中に入り込んだら、どんな気持ちなんだろうと想像しながら歌っていきました。最初は男性目線で、謎多き女性に翻弄されている歌詞なのかなと思ったんですけど、逆に女性から見て、優柔不断な彼を歌った曲とも取れるんです。
── 穏やかで切ない恋の歌でした。「いちばん最後の夏」って、平成最後の夏ということですよね? 鈴木 今年じゃないと歌えなかった曲なんです。もう平成の夏は来ないんだと思うと切なくなっちゃいました。最後に「甘い思い出に 変わってゆけ」とあるんですけど、大人過ぎて、私はまだそんな感覚にはなれないなって思いましたね。私がこの曲の主人公だったら今はまだ、別れた相手のことは「不幸になれ~」って思っちゃいます(笑)。
── 21歳の恋愛観とは、ちょっと違う歌詞だと? 鈴木 はい。ですから、もう少し大人になったときに、この曲に対するアプローチがどう変わっていくのか、楽しみです。