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新曲を、岡本真夜さんに書き下ろしていただきました
── では、1曲ずつ語っていただきたいと思います。まずは1曲目「Reset」。TVアニメ「サクラダリセット」のオープニングテーマで、現段階の最新シングル曲ですが、今回はア・カペラでの収録です。 牧野 私の声だけで構成される曲にしました。リズムやパーカッション系の音もすべて私の声で、全部で40トラック以上収録していますので、収録には3日間トータル30時間かかっています。レコーディングに向けて治療を受けて、万全の状態で臨みました。大変でしたが、楽しかったです。
── 喉の状態が大変な時に、ア・カペラバージョンに挑戦するというのは、すごいですよね。 牧野 ファンのみなさんに心配をかけてしまった分、自分の声だけで1曲作ることができたら、「元気になったよ」という一番のメッセージになるんじゃないかなと思ったんです。もともと「Reset」は、オリジナルのままで収録する予定だったんですけど、「どうしてもア・カペラをやりたいんです」とスタッフさんにお願いして、変更していただきました。
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── 2曲目の「song for you」は新曲で、岡本真夜さんの作詞・作曲です。 牧野 2016年に「30 Selection」というカバー曲中心のライブを開催したことがあって、岡本真夜さんの「TOMORROW」をその中で歌わせていただいたんです。「WILL」を作るにあたって、女性シンガーソングライターの方に1曲お願いしましょうということになった時、「私にとって、聴いているだけで元気になれる曲、勇気が出る曲、前に進んでいける曲って何だろう?」って考えて。その時にパッと出てきたのが、「TOMORROW」でした。なので、「できれば、岡本真夜さんに書いていただきたいです」とお答えして。
── スタッフさんが、それを実現してくれたと。 牧野 はい。それだけでもうれしいことですが、ピアノも真夜さんに弾いていただくことができました。
── 「song for you」は、歌ってみていかがでしたか? 牧野 ストレートな曲だと思いました。今までの私は複雑な曲を歌うことが多かったので、最初は曲にどうアプローチしていったらいいのかわからなくて試行錯誤しました。でも結局、考えることを全部やめた途端に歌えるようになったんです(笑)。
── 思いのままに歌った、つまり「自分をさらけ出した」曲になったということですね。 牧野 そうですね。この曲のボーカルはこうあるべきという理屈を捨てて、芯のある歌い方に切り替えた時、それまでと違って「わ、歌いやすい」と感じて、「真夜さんの曲って、こういうことか」と理解できたような気がしました。つまり、自分に芯がないとまったく歌えない曲なんです。細部にこだわるよりも、視野を広げて全体像を見ようとしないとつかめないことが、歌の世界にもあるんだと、この曲に教えてもらえました。
── 3曲目の「ウイークエンド・ランデヴー」は、さっきもおっしゃっていたように、オリジナルのままの収録ですね。 牧野 「ウイークエンド・ランデヴー」はコード進行がレトロ風なので、「song for you」とすごく相性がいいんです。続けて聴くと2曲の心地よさが高まると思って、ここに持ってきました。
── 次の「What A Beautiful World」は、スタジオライブバージョンです。賑やかなオリジナルバージョンとは打って変わって、ピアノ1本の演奏でしっとりと歌われています。 牧野 このバージョンは、喉を痛めてしまった時のライブで披露する予定だったんです。セットリストに入っていたんですけど、歌えなくなってカットせざるを得なくなって。そのリベンジを、今回やらせていただきました。
── オリジナルとは雰囲気が変わって、これもすごくいいと思いました。 牧野 私も大好きで、今回、このバージョンを音源として残すことができてよかったなと思いました。もし、夏のライブで普通に歌えていたら、レコーディングすることはなかったと思います。
── ケガの功名というか。 牧野 そうですね(笑)。