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3人が自由に作曲した「賭ケグルイ」サントラ
── では、最後に「賭ケグルイ」に行きましょう。サントラCDが2枚組のボリュームで、2018年1月24日にリリースされます。CDのリリース順で考えれば、最新作ですね。 石川 「賭ケグルイ」の劇伴は自由でしたね。テクノボーイズ的に新しいことをやることができました。
松井 それぞれのメンバーが自由にやった印象があります。ジャンル的にもいろいろな音が入っていて、テクノボーイズとしては珍しい劇伴になりましたね。
石川 ジャズの曲では、梅津和時さんがサックスを吹いてくれたり。
── ええ、大ベテランのサックス奏者ですよね。 フジムラ レコーディングに際して、「賭ケグルイ」の原作を読んできてくださいました。
石川 恐縮しました。フリージャズのサックスが欲しくて、譜面なしで即興で吹ける方に声をかけた中で、唯一、「やるよ」と言ってくださったのが梅津さんだったんです。
フジムラ それで、イメージをつかむために原作を読んできてくださって、サックスだけでなく、バスクラリネットも持参して。
石川 僕が大学生の頃、京都で梅津さんのフリージャズのライブを見たことがあって。すごく恐い人だと思っていたので、レコーディング前は大変緊張しまして。原作を読んできたということも、僕にとってはプレッシャーだったんですけど、実はとてもいい人でした。
── フリーの演奏って、どういうふうにディレクションするんですか? 石川 曲を聴いていただいて、ここにこういう風なサックスが欲しいと。そうすると、それに合わせて自由に吹いてくださるんですけど、それがこちらが求めた以上の音になっていて。
松井 「賭ケグルイ」は各自が自由に作ったし、作曲とアレンジを違う人がやるというパターンも最近の作業では珍しく多くて。
フジムラ キャラに付ける曲が多くて、しかもバージョン違いを作らなきゃいけなかったんです。主人公の蛇喰(じゃばみ)夢子などは、ひとつのメロディで5、6パターン求められて。それをひとりでやると、同じような色になっちゃうから、違う人がアレンジしようと。
松井 最初に振り分けて担当することになった曲を作曲して、それが終わると人の曲をアレンジするという作業でした。
── 「賭ケグルイ」はキャラの個性が重要な作品だったので、キャラ付けの音楽が多くなったというのは納得です。 フジムラ 基本的に会話劇ですしね。
── サントラCDには、第9話のエンディングテーマになった夢子と夢見弖(ゆめみて)ユメミのデュエット曲「恋のロシアンルーレット」も収録されています。この曲はどのようにして作っていったんですか? 松井 原作に出てくる曲で、まず歌詞があったんですよね。
フジムラ それにメロディを付けていくのが大変でした。
石川 原作には1番の歌詞しかなかったから、原作者の方(河本ほむらさん)に付け足してもらいました。
── さらに、 D-selectionsが歌ったエンディングテーマ「LAYon-theLINE」の作詞・作曲・編曲もテクノボーイズです(8月23日発売)。 フジムラ D-selectionsは5人組ですか、というところから始まりました(笑)。
松井 全員がメインというグループで、1stシングルの「BLOODRED」はユニゾンで力強く歌っていたので、じゃあ、僕らが作る曲はボーカルをバラバラにしようと思いました。5人全員が主役になれる曲にしたかったのと、普通の人には簡単には歌えない曲にしようと。Cメロがあるんですけど、そこを分解して、全部にハモリを付けました。
石川 ハモリを付けるというよりも、対位法というやり方があるんですけど、三声にわけて、そのどれもが主メロなんです。だから、誰かがひとりで歌っても、全員が主メロを歌っているんです。
松井 オクターブ違いが2人いるから、5人で三声で。しかも、1番と2番で歌うところが変わっているから、覚えるのは大変だったと思います。この曲をイベントで生で歌ったと聞いて、「さすが」と思いました。
フジムラ レコーディングからして大変でしたから。録っているこちらも、いったいどこの部分を歌っているんだと(笑)。
松井 フジムラくんが一覧表を作ってました。
石川 スペイン人が5人、スペイン語でカバーしてたよ、YouTubeで(笑)。
松井 前にロシアの人が櫻子さんのEDをカバーしてたっけ…テクノボーイズの曲は、世界の各言語でカバーされているみたいやな(笑)。いつか、その人たちを集めてアルバムを作ってみたいですね(笑)。