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―ヒロインは食べ物を受け取らず亡くなりますが、アシュラと対比する演出がされていたのでしょうか。
若狭というキャラクターは、あの映画の中ではピュアな側にいる人。アシュラにとっては母親感があるんですね。その中で彼女や法師が言ってきたことが、アシュラにとって道しるべになっていますという演出をしています。
餓死しそうな彼女にアシュラは人の肉ではなく馬の肉だから食べてと、死なないように強く言いますが、彼女は人を殺すことはよくないとか、人の肉を食べることはよくないんだと言う信念を曲げず受け取りません。アシュラは泣いてでも、まずは食べてよ。という純粋に言いますが、それ食べたら私は終わってしまうということは、アシュラには理解できないところで、ジレンマが生じます。世の中にも、正義を押し通そうとすると、言っていることは分かるけど、そうじゃいけないバランスがあったりします。もろもろ入ってはいるんですね。
よく聞かれるのは、なぜあそこで食べなかったのかですが、もし食べてしまったら、それは簡単な話で、何も残らない。世の中にはいろんなバランスがある、そういう事も含有して、演出させてもらいました。
―どのような方に見ていただきたいのでしょうか。
作り終えてからの印象ですが、中学生ぐらいから上はご年配の方まで見ていただきたい。当初のターゲットは大学生以上かなというのはありましたけれど。作ってみて思ったのは、高度成長期の頃に描かれている作品ですが、我々が映画化した現在でも、人が生きるという根っこの部分はそんなに変わっていなくて、人間とはこういうものだっていうのがあるんだというのを改めて気付かされました。
―最後に監督からのコメントをお願いします。
全然スタイリッシュではないと思います(笑)。アクションを見てくださいという映画でもないので難しいですね。私のことを「TIGER & BUNNY」で知った方が多いと思うので、こういう作品もやるんですかという驚きもあると思いますが、結果的に「がむしゃらに生きる」というテーマは変わらないです。
生きるという事についてオーバーな演出もしていますが、そこに共感してくださっている役者陣は、今までの芸風とは違う部分も出ていると思います。言葉は難しいけど、見て感じてほしい……いろいろ感じてほしい映画なんですよ。かっこよかったなーという様な映画ではないです。メッセージ性が強いのですが、怖いもの見たさでも構わないです。実際見ていただいて、いい意味で裏切られてほしいです。
最初のイメージと終わった後が違うと思います。そこは自信があります。まずは「見て、感じてください」ということです。劇場で待ってるよ(笑)。私はいないですけど、アシュラは待ってるよ(笑)。