YOU44さんの評価レビュー

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白い包帯の「綾波レイ」

観賞手段:ビデオ/DVD
アニメの最高傑作。
映画の世界では、小津映画の後に
小津の影響を受けないで作品は作れない
と言われる。
同じことがエヴァにも言える。
エヴァを抜きにしてその後のアニメは語れない。
「残酷な天使のように、少年よ、神話になれ」
オープニングに感極まる。
画面比4:3で驚く

多くの先達が熱く語り尽くした作品。
後発の自分が語るものはない。知識もない。
アニメを本格的に観始めて11ヶ月、
エヴァはもう避けて通れない

手塚治虫から始まって
『宇宙戦艦ヤマト』『ダンダム』『エヴァ』そして
ジブリ、新海誠というのがアニメの
スポットメイキングな流れだろうか。
岡田斗司夫は『日本のアニメ』という本で
最初に実写の『シン・ゴジ』を取り上げた。
庵野へのリスペクトらしい。
TV『あの子は漫画を読まない』では
宇垣美里が「エヴァのように」と当たり前に話す。
大泉実成の本『オタクとはなにか?』では
エヴァ、庵野をオタク的に考察する。
この時綾波レイを知る

たぶん「綾波レイに会いたい」という
気持ちが沸点に達したのだろう。
こういう感覚ってある。
内田樹は「本が読む」と題して
「人間は必ずその人が必要とするときに
必要とする本と出会う」と言った。
「ふと」手にとった本こそが
「ご縁のある本」である。
本が私を選び、本が私を呼び寄せ、
本が私を読める主体へと構築する、と。
内田樹流に言えば、
綾波レイが私を選び、綾波レイが私を呼び寄せ、
綾波レイが私を魅了される主体へと構築するのだ

同じく内田樹は
「子どもたちが好きなのは
『みんながしあわせに暮らす話』ではなく
『みんなが死にそうになる話』なのである。
「自分の身体を壊したいという欲求と同じく
私たちの心のどこかに
『地球を壊してしまいたい。
人類を滅ぼしてしまいたい』
という暗い欲求を抱え込んでいる」
「『体に悪いこと』をする私たちの嗜癖は
あるいは『私たちは死すべきものである』
という悲痛な事実を私たちに
思い出させることをその任としているのではないか」
と「『人類の滅亡』という悪夢の効能」で
書いている。炯眼だ。
異常気象やコロナで
非常事態宣言、避難勧告が日常になった現在、
エヴァの世界が現実としてある。
「コロナ」「自然災害」が「使徒」に思える。
エヴァの森はますます深い
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ストーリー
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作画
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キャラクター
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音楽
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オリジナリティ
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演出
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声優
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満足度 4.5
いいね(0) 2020-11-20 15:06:16

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