にゅまさんさんの評価レビュー

技術と知識を備えたメカヲタが、ロボット騎士が闊歩する異世界に転生して好き放題の大活躍と言う、御都合主義と流行りへの迎合でしかない企画ながら、世界観や設定の練り込みと描写の丁寧さにより昇華した快作。
　そのままの年齢での転生ではなく幼児への転生とする事で、現地技術の習得に高いモチベーションで幼児期から励む等、主人公を単にチート化せずに理由付けしたり、また主人公の持ち込む先鋭的先端技術を一方的に賞賛せず、熟成した現有技術にも安定性量産性の優れた面を同等に描く、主人公も新技術の完成に至るまでのトライアンドエラーを繰り返している等、バランス感覚に優れた配慮ある描写が物語の深みを生み出している。
　そして主人公以外のサブキャラ達のドラマにも力を入れた描写があるのも好感触でだった。
　惜しむらくは、１クールしか枠が取れずに後半からダイジェスト感が多くて、最終決戦において主人公側の絶対的優勢感を覆せず、クライマックスにワクワク感が足りなかったのは残念である。
　原作からかなりカットしたらしい部分も多いらしく、それも含めて２クール掛けて描かれていればもっと上を狙える作品だったのではと思うと、実に惜しい。