【新作トイ】「ブレンパワード」、24年目の再リバイバル! ROBOT魂「ネリーブレン」&「ヒメブレン」発売記念、担当者インタビュー!

2022年06月01日 12:230

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

「頼まれなくたって、生きてやる!」

そんなパンチのきいたキャッチコピーとともに放送されたアニメ「ブレンパワード」。その主役ロボ「ネリーブレン」と「ヒメブレン」が、BANDAI SPIRITSのトイブランド「ROBOT魂」にて商品化。現在好評予約受付中だ。

1998年に放送された「ブレンパワード」は、「機動戦士ガンダム」「聖戦士ダンバイン」「重戦機エルガイム」など、数多くのロボットアニメを手がけた富野由悠季監督による作品で、WOWOW初の有料アニメとしてスクランブル放送された。

全ての生体エネルギーを奪って、宇宙に飛び立とうとする謎の巨大生命体オルファンを巡って、地球を捨てオルファンに乗り込もうとするリクレイマーと、それを阻止する為に建造されたノヴィス・ノアとの戦いを縦軸に描かれる本作は、敵側がグランチャー、味方側がブレンパワードと呼ばれるロボット状の生命体アンチボディに乗って戦うというストーリー。

しかし、そこで描かれるのは激しいロボットアクションではなく、むしろ人と人、人とアンチボディの絆であった。

見ようによっては「∀ガンダム」「OVERMANキングゲイナー」といった、後の富野アニメに見られる、ある種の牧歌的なムードを持つ作品の先駆けとなった。

 

そんな個性あふれる作品の主役ロボが、プレミアムバンダイ内「魂ウェブ商店」アイテムとして今秋発売される予定だ。

そこで、BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部・天笠泰伸さんに、商品の魅力、「ブレンパワード」への熱い思いを大いに語っていただいた!

 

 

24年目の再リバイバル……その舞台裏を聞く!

──今回、「ブレンパワード」のネリーブレンとヒメブレンが、ROBOT魂で登場するということで、喜んだのと同じくらい驚きました。アニメ放送当時はプラモデルでヒメブレンが出たくらいで、その後、プレミアムバンダイでユウブレンのプラモデルが出たくらいでしたので……。

 

天笠 そうですね。グッズが圧倒的に少ない作品でしたよね。ユウブレンも、だいぶ時間が経ってからの発売でした。

 

──あとLD全巻購入特典で、ユウブレンのガレージキットがもらえるとか……そのくらいでしたよね。

 

天笠 よくご存じで(笑)。ガレージキットは、けっこう尖った造形というか、特徴的なアレンジのアイテムだった記憶があります。

僕の記憶だと、ガレージキットは当時からいろいろなところからいいものが出ていたように思うのですが、いわゆるマスプロダクツとして出しているものでいうと、バンプレストがプライズ(景品)でキーホルダーを出していたくらいではないでしょうか。

 

──SD体型のアンチボディのグッズでしたね。ちなみに天笠さんの、「ブレンパワード」の思い出を教えていただけますでしょうか。


天笠 最初は登場キャラクターの会話の嚙み合わなさや感情の動きがつかめないところにとまどった記憶があります。その後、録画したビデオを環境音楽的に流しながら趣味のプラモデル制作とかを行っていたのですが、あるタイミングで急にそのとまどいがクリアになったんです。国語の先生が「物語は何度も読み直しなさい」というアレです(笑)。「これはすごい作品だぞ」と気づいて、そこから一気にのめり込んでいきました。

 

──確かに「ブレンパワード」って、何度か観直すことでその魅力に気づける不思議な作品ですよね。それではまず、お話しできる範囲で、今回の商品化に至るまでの経緯をうかがえますか?

 

天笠 WOWWOWスクランブル放送ということで視聴のハードルが高い作品だった、というのは事実だと思います。地上波で放送していた他作品に比べ実視聴者数も少なく、その辺りが当時の商品化のハードルになっていたことは予想できます。
でも先ほどお話ししたように時間をかけて何回も見ているととても魅力的になる、また本放送から20数年の年月が経つ中、劇中で描かれていた「オーガニック的な」メッセージや事象が突如ピタッとはまる、いわゆる「時代が作品に追いついた」感を近年感じていました。

そこで版権元であるサンライズ(現バンダイナムコフィルムワークス)様に商品化のヒアリングをしたところ、ちょうど近いタイミングでBD-BOXを発売するというお話をうかがい「今がチャンス」と思い全力で乗っかりました!

 

 

──今回、ネリーブレンとヒメブレンの2体がラインアップされたというのは、やはりW主人公の乗るロボだから、ということでしょうか。

 

天笠 そうですね。ネリーブレンに関しては、これまでにマスプロダクツで立体化されていなかったということで、「Zガンダム」でいうとガンダムMk-IIが商品化されてZガンダムが商品化されていないような状況だったので、これはやらないわけにはいかないだろうと。当初、順番的にユウブレンを出して、ヒメブレンを出して……というのは考えたんですけど、お客様をそんなにじらしてもしょうがないですからね。一番望まれているのはブレンパワードだったらネリーブレンだろうし、グランチャーだったらバロンズゥだろうとは思っていました。

それで、マスプロダクツで初立体化となるネリーブレンを商品化し、ファンの熱に応えたい!と考えました。

 

──そして第2弾がヒメブレンです。

 

天笠 もちろんW主役といえる比瑪ちゃんの乗機で、作品の顔みたいなところもあるので自然な流れなのですが、加えて劇中でネリーブレンの相方として絵になるシチュエーションが多いからというのがもうひとつの理由です。「ROBOT魂」というブランドは劇中のシチュエーション再現を大切にしていまして、特に今ガンダムで展開している「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」のように劇中再現に特化したシリーズもユーザーに好評をいただいています。今回は「ver. A.N.I.M.E.」という冠はついてませんが、気持ちとしては同じです。やっぱりアニメで描かれたシーンはひと通り再現できるようにしたいなと。

アニメで座っているシーンがあるなら、やっぱり商品も座れるようになっていてほしい。そのようなコンセプトで作っています。

 

 

──今回はどちらもプレミアムバンダイ限定商品になるんですね。

 

天笠 これまではROBOT魂で新しい作品群を展開する時、たいていシリーズ第1弾はホビー店や量販店などの店頭販売を行い、できるだけ多くのお客様の目につくようにと考えるのですが、今回のように最初から魂ウェブ商店でという展開は珍しいパターンだと思います。

これは昨今の市況の変化を考えたうえでのチャレンジで、ウェブで情報を見て、そのまま確実にご購入いただける状況を作ろうと考え、今回はそのようにしました。

 

こだわりの設計と造形

──さて、さっそく手に取って遊ばせていただきます! まず、大きいですね!「ROBOT魂」ってこんなに大きかったでしたっけ?(笑)……それに、そうとう可動範囲が広いですね。劇中のいろんなポーズが取れそうです。

 

天笠 大きさについては、細かなディテールの再現やギミック構造から逆算して最適と考えたサイズです。逆にこのボリュームがないとブレンパワード「らしさ」を表現できないと考えます。可動に関しては劇中再現を念頭に置いて設計しています。ブレンの戦闘シーンは難しいアクションもそれほど多くないのでそのあたりは楽できたかなと。直立飛行のバイタルジャンプとかすごい発明ですよね(笑)。

 

──その感覚は、むしろ「ブレンパワード」が好きな人ならわかると思います(苦笑)。ともあれ、ブレンパワードって戦闘シーンよりも座ってたり手をつないだり、っていうそういう日常的な姿の印象が強いですよね。

 

天笠 どこか牧歌的というか、のちの「∀ガンダム」につながるような生活感のあるシーンが多いので、そういうシーンを再現しようとは考えていました。毎回、企画段階で原型師さんと話をしている時に、今回の商品はどういうポーズを入れたいのか、というのは絶対に決めてからスタートするようにしているんです。普通はかっこいい戦闘ポーズとか、必殺技シーンの話になるんですけど、ブレンパワードに関しては、まず四つんばいのポーズとかお尻をついて座っているシーンの話からスタートしました。あの戦闘シーンの、このシーンが!っていう感じではありませんでした。

 

──もちろんチャクラエクステンションのようにかっこいい戦闘シーンもたくさんありましたね。

 

天笠 チャクラシールドでミサイル群を止めたり、最終回でネリーブレンがバロンズゥとガンガン戦うところも印象に残ってます。もちろんそういうシーンも再現できるようにしています。

 

 

──体型も「まさにブレン!」というバランスでまとめられています。立体化する際に気を付けたところを教えてください。

 

天笠 僕も正直、今回の企画で触るまでは(ブレンが)立体として破綻なく動かせるデザインなのか、というのが手探りなところがありました。ただ、生物のようにやわらかなポーズがとれたらいいよね。劇中のような四つんばいポーズができたらいいよね。そういうことをやりたいというざっくりした熱を原型師さんに伝えて、原型師さんも「ブレン」が好きな方だったのでそこから作業をスタートしました。

今回の商品のポイントとしては、膝の裏を見ていただけるとわかるのですが、今回は板バネ構造というブレンの設定を再現するためにフィンとフィンが組み合わさっている感じを出しています。通常だったら、関節部分は1枚の板を両方から挟めばできるのですが、今回は3枚と2枚の板バネが組み合わさっているような構造になっています。

板バネ構造を完全に再現、というわけにはいかないのですが、なるべく「らしく」再現できるようなところを細かく拾っていきました。

 

 

 

──しっかり雰囲気は出ていると思います。

 

天笠 もとの設定画の情報量が非常に多く、そこを完全に再現しようとするとガレージキットのような動かないものしかできないというのが、正直くやしいところではあるんですけど、その分、ROBOT魂はストレスなく動かして遊べ、ポーズが決まるというところを推したいですね。鑑賞物ではなく、ブレンを自分で動かせるというのが、今までにない魅力だと思います。

 

──関節とかもちゃんと断面に合わせて作っているから違和感がないですね。耳の後ろにもしっかり色が入っていて、塗装も非常に細かいです。

 

天笠 今回、唯一冒険したところが、クリアパーツの使用です。ブレンパワードって、設定を見ると商品のオレンジのクリアパーツ部分はえぐれていて、内側の色が露出しているという風に描かれているんです。今回、その異質感をどう出そうかなと考えた時に、玩具としての解釈としてクリアパーツを採用しました。

 

 

──これはいいアクセントになっていますね。

 

天笠 ありがとうございます。劇中だとロングで描かれている時とかはちょこっとオレンジ色が乗っている表現だったりするので、そんなに違和感はないかなと。

 

 

──設定画と画面の印象を、うまく折衷させたといったところですね。

 

天笠 はい。設定も初期設定から決定稿になるまでにいろいろなものが存在します。今回、それらを肥やしにしてアニメの設定に準じつつ映像で描かれているイメージを大切にしたという感じです。

 

──ハンドパーツが充実していますね。

 

天笠 いろいろ付いてきます。平手も通常のものと90°曲げたものの2種類、ブレンバーを持つ手もあります。武器も、劇中に出てきた標準武装がセットになっています。今回付いていないミサイルランチャーやマイクロウェーブ発生器は以降の展開で補完できたらよいですね。

 

 

 

──コクピットからパイロットが顔を出しているフィギュアも付属するんですね。

 

天笠 そこは再現したかったところです。やはり富野監督のアニメって、ロボットに乗ってるのに直接会話するところが特徴だと思います。わざわざコクピットから顔を出して、ずっと口ゲンカをしている。特に「ブレンパワード」は毎回そんな印象があって(笑)。

それが「ブレンパワード」らしさというか。ロボット物といっても、メカ!という感じではなく主人公のパートナーという感じですし。だってあの世界の人たちは、「お前は雄々しい」とか「やさしい目つき」とか言いますからね。たとえるなら馬と人間の関係ですね。

パートナーの思いを聞き入れて受け止めるパイロットがいて、はじめて「ブレン」になるので、そこは大切にしようと思いました。

 

 

 

──もうひとつ気になったのが、ネリーブレンの側頭部の大きなフィンの処理です。

 

天笠 もともと、どう見ても首が動かないデザインじゃないですか。それで、アニメではどう描かれていたかなと思ってアニメを観直すと、ビニール素材みたいにぶにゃって折れ曲がってたんです。これは軟質で作らないとだめだ、それは無理だな、ということで、可動個所を設けることで処理しました。ギミックで工夫しましたね。

 

 



目指せ! アンチボディのコンプリート!

──今回ネリーブレン、ヒメブレンが来たということでやはり敵側もあると嬉しいですよね。……バロンズゥとグランチャーも期待していいのでしょうか?

 

天笠 ご期待いただく分にはいくらでも!(笑)

 

──いろいろと乗り越えないといけないハードルがあるのは察するのですが……(笑)。

 

天笠 普通に考えてなかなかハードルは高いですよね。なので、むしろ振り切っちゃうのが正しいのかなと思っています。買いやすいけど出来が悪いと言われるよりは、「価格も仕様もやりすぎ」と言われるほうがまだいいかなと。というわけで、まだ仕様については詰めている最中ですが、企画は進行しています。

 

──おお! ブレンに関しては色を変えればある程度はそろいますしね。

 

天笠 自分の中では、そのドリームにどこか期待しているんですよ。今回、ブレン同士で手をつなぐパーツをそれぞれつけているんですが、このハンドパーツを繋げば最終話で見せた、ブレンたちが手を繋いでいるシーンが再現できるわけです。つまりブレンを揃えれば揃えただけ無限に手を繋がせ続けることができます(笑)。

 

 

──そういえば最終話では、シラーのグランチャーも手を繋いでましたよね……?

 

天笠 それを言われると、もうグランチャーも出さざるを得なくなりますね(笑)。あとブレンチャイルド2体。ネリーと、ブレン、グランチャー、バロンズゥ。そしてブレンチャイルド2体と、単純に6体の原型を作れば、作品に登場する全アンチボディを再現できます。設定上は同じ形状のブレンでも微妙に身長や体形が異なるのですが、そこは目をつぶってください。どんどん皆さんも煽っていただいて、最終的に双子のブレンまでたどり着けるように応援していただきたいです。そしたら戦闘機のイランドもおまけに付けちゃいます!

 

 

──こうなったらアニメに登場した、全バリエーションの立体化を見てみたいところです。

 

天笠 個人的にはアメリカ軍の、アーミーグランチャーを商品化したいです。グリーンで米軍のマークが入っている……。かっこいいんですよね。

 

──自分もいちファンとして、ますます発売が楽しみになってきました。最後に完成に向けて、意気込みとファンへのメッセージをお願いします。

 

天笠 先日のBlu-ray BOXで最新の技術でリマスタリングされた映像で「ブレン」を観て、こんなにくっきり見えるんだ、と多くの方が気づいたと思います。今回の商品は、そういう高解像度に足並みをそろえている側面があります。

今は設定が10あったら商品で10再現するのは当然で、そこからどう解釈を足していくかというところが重要です。それが、今回の場合はクリアパーツのようなことだと思います。

自分は最初からそのイメージしかなかったのですが、人によっては「えーっ」て言われたりもしました。よくも悪くも当時のテレビの解像度の低さが、観る側にイメージを喚起させた側面も大きいと思います。見る人によってさまざまなイメージが存在する中、ユーザーのイメージに近い形になっていれば嬉しいです。ネリーブレンは6月5日まで予約受付中ですので、ぜひお手に取ってみてください!

 

【商品情報】

■ROBOT魂 <SIDE ANTIBODY> ネリーブレン

・販売価格:8,800円(税込)

・お届け日:2022年9月発送予定

・受注締め切り:2022年6月5日23時

<登場作品>

  ブレンパワード

<主な商品内容>

 ・本体

 ・交換用手首左右各4種

 ・ブレンバー(ネリーブレン用)

 ・伊佐未勇ディスプレイパーツ

 ・魂STAGEアダプターパーツ

<主な商品素材> PVC・ABS

<商品サイズ> 全高:約150mm(頭部ブレードを含むと約180mm)

<対象年齢> 15歳~

 

■ROBOT魂 <SIDE ANTIBODY> ヒメブレン

・販売価格:8,800円(税込)

・お届け日:2022年10月発送予定

<登場作品>

  ブレンパワード

<主な商品内容>

 ・本体

 ・交換用手首左右各4種

 ・ブレンバー

 ・ブレンブレード

 ・ショーター

 ・宇都宮比瑪ディスプレイパーツ

 ・魂STAGEアダプターパーツ

<主な商品素材> PVC・ABS

<商品サイズ> 全高:約150mm(頭部ブレードを含むと約160mm)

<対象年齢> 15歳~

  

<備考>

 お買い求めの前に:必ずお読みください。 

 ※実際の商品とは多少異なる場合あり。

 ※彩色などの外観は、商品個々で多少のバラツキが生じる場合あり。

 ※商品仕様や発送日は予告なく変更になる場合あり。

 ※予定数に達した時点で、ご注文の受付を終了させていただく場合あり。

  また、ご要望が多数の場合は、再度受付を行う場合あり。

 ※本商品は海外で販売の可能性があります。

 

 以上あらかじめご了承の上、閲覧ください。

 

※最新の情報・詳細は商品販売ページを確認。

※準備数に達した場合、販売を終了となる場合あり。

※ページにアクセスした時点で販売が終了している場合あり。

※商品仕様等は予告なく変更になる場合あり。

※掲載している写真は開発中のため、実際の商品とは多少異なる場合あり。

画像一覧

関連作品

ブレンパワード

ブレンパワード

放送日: 1998年4月8日~1998年11月11日   制作会社: サンライズ
キャスト: 白鳥哲、村田秋乃、朴璐美、渡辺久美子、青羽剛、辻親八、沙倉祥子、三木眞一郎、川村万梨阿
(C) サンライズ

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