イデオンが鬼才・竹谷隆之のアレンジでアクションフィギュア化! 「threezeroX竹谷隆之 イデオン」発売記念インタビュー「接触篇」──ロボ好き声優・泰勇気がその魅力に迫る!

2021年03月15日 19:020

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香港発のコレクターズトイメーカー「threezero」より、2021年12月に「イデオン」が復活する! しかもデザインアレンジ&原型制作は竹谷隆之氏!

富野由悠季監督が、「機動戦士ガンダム」に続いて発表した1980年のアニメ「伝説巨神イデオン」。哲学的ともいえるストーリーや、人間の本質をえぐるような迫真のドラマ、見ごたえのある戦闘シーンといったアニメ本編の魅力もさることながら、主役ロボット「イデオン」も、第六文明人という古代人が生み出したロボット兵器というロマンあふれる設定や、人体構造を超越した特異なシルエット、アニメ本編での文字通り「神がかった活躍」など、放送から40年を経た今も色あせず、我々の心をつかんで離さない。

そんなレジェンドロボが、「threezeroX竹谷隆之 イデオン」として2021年12月に発売される

 

そこで、今回、アキバ総研では2回にわたり「threezeroX竹谷隆之 イデオン」の魅力を掘り下げていきたい。

有機的なモチーフやクリーチャーの立体化で知られる竹谷氏は、アニメに登場するロボットをどのようにアレンジし、立体化したのだろうか……。

 

前編こと「接触篇」では、ロボットアニメ大好き声優の泰勇気さんが、「threezeroX竹谷隆之 イデオン」に接触! threezeroマーケティングマネージャーの角家健太郎さんとの解説とあわせて、撮りおろし写真をお楽しみいただきたい!

 



5年の歳月をかけて完成に至ったイデオン

 実物を目にすると言葉を失いますね。そしてニヤニヤしてしまいます。

 

角家 デザイン自体は竹谷さんが手がけられており、ベース部分の出力は3Dプリンターで行っていますが、表面のディテールは竹谷さんとスタッフの方が手作業で作っています。今から作るとなると、すべてをデジタル出力で作ることになると思うんですが、制作が始まった5年前はまだアナログからデジタルへの過渡期だったんです。

 

 5年!

 

角家 5年前に始めたころから、実は40周年に間に合わせたいという思いはありました。なんとか年末に発売できるということで、ギリギリ40周年に間に合ったといえなくもないかと……。

そんなわけで、本商品はアナログとデジタルが融合したアイテムとなっています。

 

泰 確かにここ数年で3Dプリンターの精度があがったり、価格が下がったりしてきましたよね。

 

角家 なので、当初からデジタルでやりませんかという話も出たんですが、最終的に手作業でディテールを作ることになりました。今だったらもっと楽にできたとは思うので、竹谷さんには本当に申し訳なかったと思っています(苦笑)。

 

異形の巨神として復活! そのディテールに迫る

 目のところは……どうなってるんだろう。アニメのイデオンだと走査線が走るんですが。

 

角家 アニメだと目のところに光が走る演出だったのですが、竹谷さんはそれを実際のモールドで再現しています。自分はこれを見た時に、竹谷さんのセンスにおののきましたね。

 

 

 クリアパーツで処理しがちなんですが、塗装パーツなんですね。

 

角家 目とイデゲージ自体はクリアパーツでできているんですが、表面に塗装処理をして質感を出しているんです。その下にLEDを仕込んでいるので、発光すると塗装の下から光が浮かび上がってくる感じになります。

 

 発光するんですか!

 

角家 腕のイデオンソード部分も光ります。暗がりで光っていると、すごくかっこいいですよ。

 

 鈍い光に包まれている姿……かっこよさそう! 角のアレンジも面白いですよね。

 

 

角家 そうですね。イデオンの角って棒の先が横に伸びているデザインなんですが、そのイメージを残しつつも、全然違う立体的なアレンジになっています。

角だけでなく、パーツ形状や構成だけを見ているとアニメとは異なるように見えるのですが、元デザインの各パーツはちゃんと生かされているんです。本来のパーツが別の構成にアレンジされているというだけなんですね。だから、もしかしたらアニメ版のデザインは作画の都合上シンプルにしたけど、もともとの構成はこうだったのじゃないかという説得力のあるデザインになっています。これは竹谷さんのデザインセンスの賜物ですね。

 

 面が増えているのに、胸とか襟の白部分がちゃんと残っていて、しっかイデオンらしさを拾ってらっしゃいますね。単純に振り切ったアレンジだけじゃなくて、ちゃんとイデオンとしての記号も拾っているんですよね。

 

角家 最初、ちょっと茶色がかった素材にスミイレだけのアートスタチューみたいなのを発表させいただいて、それも評判よかったんですが、赤白緑で塗った時に誰もが「やっぱりイデオンだな」と納得してしまいました。色の力もすごいんですが、その色が生きるようにちゃんとデザインもちゃんと原作を生かしていたんだなと改めて思いました。

「これ本当にイデオン?」って意見もあったんですが、アニメのデザイン通りに色を塗れる構成になっているので、実物を見て手に取っていただければ、ちゃんとイデオンだと納得いただけると思います。

 

 

 そのいっぽうで、このイデオンの指は6本なんですね。

 

角家 そうなんです。普通の人間の手のように見えますけど、よく見ると6本指。人体と少しずつずらしていくことで、地球上で作られたものではないことが表現されています。ちなみに指は全部フル可動します。

 

 お腹周りのアーマーも、どう分割されているのか気になりますね。

 

角家 パーツ1つひとつが分割されていて、独立して動きますし、肩のパーツも別パーツになってそれぞれ動きます。なので、全方位ミサイル発射シーンのポーズも取らせることができます。竹谷さんによると、各所の六角形のモールド部分からミサイルやレーザーが出てくる設定だそうです。

 

 

 物理的なミサイルとは違う、何かが出てきそうですよね。妄想が刺激されます! どこにも隙がないアレンジですよね。このデザインで「イデオン」のリメイクとか観てみたいです。「イデオン」ってけっこう人種問題みたいなところもやっているから、そういう意味でも今の時代に合致したものになると思います。

塗装もすごいですよね。まるで鋳造品のように見える表面やフレームがすごい!

 

角家 竹谷さんに塗装サンプルを作っていただいて、商品ではそれをほぼ再現しています。なので、竹谷さんの造形だけでなく塗装を再現しているのも売りですね。

 

 塗装ですべて金属感を表現してるんですか?

 

角家 はい。弊社は金属風の塗装を得意としておりまして、ほかの商品でも「これ金属なの?」とよく言われています。

 

 

 関節部分は緑がかっているというか、遺跡から出土する青銅器のような重厚感がありますね。汚しも、まるで遺跡からの出土品っぽい感じです。

 

角家 そうですね。竹谷さんのイデオンは遺跡っぽいですね。イデオンって、本来はすごく大きなものじゃないですか。だから視認できる泥の粒やサビがあったりするとスケール感が出ません。ということで、汚しにもこだわっています。巨大感がわかる汚しとなっています。これは、竹谷さんが特撮のプロップなども作ってらっしゃるからこそ出せる現実感だと思います。

 

 

イデオン波導ガンを作るとしたら、イデオンもう1個分のお値段!?

角家 商品の付属品のところにも書いているんですが、本商品にはスタンドもついてきます。まだデザインを発表できていないのですが、これも竹谷さんのデザインで、イデオンと親和性のあるスタンドを用意させていただいています。腰の後ろのふたを開けると、そこにスタンドを刺せるようになっています。

 

 イデオンというと、いろんな印象的なポーズがありますが、これだけ大きいとさすがに支えがないと、すべてのポーズを再現するのは難しいですよね。

 

角家 イデオン本体の中のフレームは亜鉛合金で作っているので、関節もしっかりしていると思うのですが、やはりバランスとかを考えるとスタンドがあった方が立たせやすいと思います。

 

 フレームに合金が使われているということで、基本的に重量はありそうだと思うんですが。

 

角家 そうですね。サイズがサイズですし、金属パーツの割合も多めなのでけっこう重みがあります。だから持った時の満足感もかなりものとなっています。

 

 これ正直、固定ポーズのフィギュアでも十分満足するレベルのクオリティだと思うんです。なのに、さらに動かそうと思われたのはなぜでしょうか。

 

角家 弊社はスタチュー商品も出してなくはないんですが、大多数が可動フィギュアなので、こういう大きいサイズの可動フィギュアのノウハウが蓄積されています。ですので、弊社がイデオンを作るからには可動フィギュアにしなければ、となりました。

弊社では「トランスフォーマー」のPREMIUMシリーズという商品を出しているんですが、主にその技術が使われている感じです。大きくてディテールも凝っているけど、動きますという。

 

 なるほど! 納得です。あのラインなんですね。しかし、この商品にそれがないからダメというわけではないのですが、このデザインでのA、B、Cメカも見てみたいですね。

 

角家 竹谷さんの脳内に想定があるので、機会があったら描いてもらいたいですね。

 

 それはいいなあ~! もうひとつわがままを言うなら、「イデオン波導ガン」とかも持たせてみたいですね。

 

角家 実は最初期に、竹谷さんから「イデオン波導ガン」のスケッチももらったんです。ただ大きさがすごくて、単体でイデオンもう1個分くらいの値段になっちゃったんです。ですので、今回は泣く泣く諦めたのですが、機会があったらいつかやりたいところです。

 

 じゃあ「イデオン波導ガン」が欲しいと思ったら、各々で自作しちゃってもいいかもしれませんね。「イデオン波導ガン選手権」とかどうですか? サイズ的にペットボトルをベースにしたりして、いろんなジャンクパーツを寄せ集めたら面白そう。イデオン自体が異形のアレンジを施されているので、多少いびつでもいいから情熱をもって作れば、いいものができそうな気がします。

 

 

まだまだ尽きない「threezeroX」の野望

アキバ総研編集部 いろいろと本商品の魅力を解説していただきましたが、改めて注目ポイントを一つだけあげるとするならどういうところになりますか?

角家 竹谷さんが純粋なアニメロボットをアレンジしてくださったということで、非常に貴重なアイテムにもなったことでしょうか。竹谷さんというと、有機的なロボットやバイオ系のキャラクターが多いじゃないですか。そんな竹谷さんが、機械的なロボットに取り組んでくださったことが嬉しいですね。

 

アキバ総研編集部 今後も反響次第では、さまざまなロボットやメカを竹谷さんのアレンジで商品化というのはあるのでしょうか?

 

角家 弊社としては引き続き竹谷さんにお願いしたいと思っているのですが、一番重視しているのは竹谷さんが興味あってやりたい題材かどうかということです。個人的には、引き続き、遺跡系ロボのライディーンやゴーグをやっていただけたら、とは思っているのですが。とはいえ、ロボットに限らず、竹谷さんの興味のあるものだったらなんでもやっていただきたいですね。

また、「threezeroX」というシリーズ自体は、いろいろなアーティストのデザインに基づいて技術をつぎ込んだハイエンドな商品を作るというシリーズとなっています。ひとつ前に出た商品は大山竜さんが現代風にアレンジした「バルタン星人」でした。このように、ロボットに限らず宇宙人でもなんでも、いろんな方々と面白い商品を作っていきたいです。

 

アキバ総研編集部 泰さんの、特に気になるポイントはどこでしょうか?

 

 やっぱりずっと顔が気になるんです。つい見ちゃうんですよね。よく考えたら、日本人も大昔に大仏様とか作っているわけじゃないですか。そう考えるとイデオンも、第六文明人が建立した、似たようなものなわけですよね。

 

アキバ総研編集部 竹谷さんも、過去に仏像フィギュアを手がけられたこともありますから、本商品はその系譜と言えなくもないですよね。

 

角家 ノウハウが蓄積されているというか、仏像を作ってきたアーティストだからこそ、神の姿の立体物とは、というものがわかってらっしゃるんだと思います。これは竹谷さんもおっしゃっていたんですが、経年化した塗装──たとえば、苔むしたイデオンも作ってみたいとおっしゃっていたので、あわよくば別バージョンの塗装も今後見れるかもしれないですね。

 

 もしくは着色してないバージョンとかもよさそうですね。

 

角家 これも反響次第では、イベント限定などでプロトタイプカラーを出せればと考えています。アート品として興味を持たれる方は、スミイレしただけのバージョンを喜ばれる方もいますので。

 

 それにしてもこのイデオンを見ていると、ほかのキャラクターキットを作る時の刺激になります。いいインプットになりますね。

 

角家 クリエイティブ魂を刺激する塊ですね。いろいろな刺激を与えてくれます。なかには、「イデオン」は知らないけど、竹谷さんの新作だから買うと言ってくださる方もいます。

ご購入いただいた後は写真に撮って、全身からレーザーが出てるというような加工を加えた、デジラマを作っていただくのも面白いかなと思います。

 

 それもいいですね。早く完成版を手に取ってブンドドしたいです!

 

 

 
というわけで、泰勇気さんも大興奮の「threezeroX竹谷隆之 イデオン」だが、59日まで開催の富野由悠季の世界(https://www.tomino-exhibition.com/)青森会場にて当「threezeroX竹谷隆之 イデオン」が展示されているのを受け、受注期間も会期に合わせて延長が決定! GOODSMILE ONLINE SHOPにて、2021512日(水)21時までの受付となる。確実にゲットしたいという方は、今すぐ下記のリンクをクリックしよう!

そして「threezeroX竹谷隆之 イデオン」発動篇こと後編では、発売元のthreezero開発担当者、そして竹谷隆之さんへのインタビューを掲載!

そちらもお見逃しなく!

 

【商品情報】

■threezeroX竹谷隆之 イデオン

・価格:132,000円(税込)

・発売時期:2021/12

・仕様:ABS&PVC&POM&亜鉛合金製塗装済み可動フィギュア

・ノンスケール

・肩を含め全高約46cm(ツノを含めた頭頂部の高さは約42cm)

・目、イデオンゲージ、手首のイデオンソード放出口など、5箇所以上にLED発光ギミックを搭載(要AG1電池×10個/電池別売り)

・付属品:アクションスタンド

・デザインアレンジおよび原型制作:竹谷隆之

・原型制作協力:藤岡ユキオ、谷口順一、磨田圭二朗

・発売元:threezero

・販売元:グッドスマイルカンパニー

 

掲載の写真は実際の商品とは多少異なる場合があります。

商品の塗装は彩色工程が手作業になるため、商品個々に多少の差異があります。予めご了承ください。

塗料の性質上、開封時に塗装が完全に乾燥していない場合がございます。

乾燥していない場合、2~3日程、風通しの良い日陰の室内に置いて、塗装面が乾いたことを確認してから、触れるようにしてください。

未乾燥の状態のまま使用されますと、色移りや指紋あとなどの原因となりますので、ご注意ください。

 

©SUNRISE

画像一覧

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伝説巨神イデオン 接触篇

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上映開始日: 1982年7月10日   制作会社: サンライズ
キャスト: 塩屋翼、田中秀幸、戸田恵子、井上瑤、白石冬美、松田辰也、井上和彦、塩沢兼人、佐々木秀樹、よこざわけい子、山田栄子、林一夫、一龍斎春水、石森達幸、加藤精三、木原正二郎、鵜飼るみ子
(C) サンライズ

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伝説巨神イデオン

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(C) サンライズ

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