spike1976さんの評価レビュー

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中学生主人公だからこそ、ポエムな心情

観賞手段:テレビ
ネタバレ
才能を生かすのは自分なのか、それとも環境なのか。

天才的(秀才というべきか)ピアノ少年が、天才的なバイオリン少女に出会ったことで物語がはじまる。
物語中盤まで、主人公・公生のトラウマ克服が描かれる。
病気の母に殴られ、怒鳴られ、完璧な演奏を身に着けた公生少年は、母の死によって、ピアノの才能を自ら閉ざしてしまう。
誰かのために…という気持ちが芽生えたとき、演奏家として大きく成長していく。

この作品の面白さは、やはり守ってくれるべき存在の母が、主人公・公生のトラウマであり、視聴者からは必要悪に見えてしまうことだ。
母親の存在が強烈であるほどに、視聴者は主人公の周りが良い人過ぎても、気にならないものである。

しかし、物語は主人公だけの成長で終わらない。
幼馴染の椿、親友の渡もまた成長していく。
それぞれの進むべき道、想いを抱えている姿、中学生がこれほどまでに叙情的に描かれたことはあっただろうか。
圧巻の演奏シーンは言うまでもない。

そして最終話、「嘘」の告白はヒロインかをりの明るさを出しつつも、切なさが涙腺のストライクゾーンに飛び込んでくる。

ストーリー、作画、キャラクター、音楽、演出に、登場人物たちの優しさが見事にはまった良作。
spike1976
spike1976
ストーリー
4.5
作画
5.0
キャラクター
4.5
音楽
5.0
オリジナリティ
3.5
演出
4.5
声優
4.5
4.5
満足度 4.5
いいね(0) 2015-04-16 01:19:47

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