3話の展開は神がかっていた。
観賞手段:テレビ、BD
集団少女キャラ物のメディアミックス企画の開拓者でありながら、時代が早すぎて周辺展開の技術が追いつけられなかった「シスタープリンセス」の電撃Gsマガジンと、原作ゲーム通りの世界観でのアニメ化では商業的成功は無理として「~ゼノグラシア」を製作したら、P達に黒歴史扱いされたあげくA-1ピクチャーズにまんまと出し抜かれたサンライズが、「アイマス」打倒に結託して生み出し見事に成果を成し遂げた作品、と個人的には解釈している。
「スクールアイドル」という存在によって、学園部活ものとしての切り口とアイドルとしてのムーブメントを両立する一方で、アイドルがアイドルとして輝くためのインフラであるスタッフや関連企業の存在を排除せざるを得なかったが、その分描写は主人公ら少女達に集中でき、結果それも成功要因につながったと思う。
読参企画+アニメPVのみの時代は、演者もコミケ企業ブースで販促CDを配布したりと寂しく厳しい下積みだった様だが、本作が放映されてからようやく人気は大ブレイクした。アニメ1期終了後の「μ's 3rd Anniversary LoveLive!」は人気の拡大が想定以上だった為にチケット抽選は激戦となり、4th以後はさいたまスーパーアリーナに移行した。
通称ラブライバーは一気に浸透し拡大したため、一部問題行動が取りざたされる事もあるが、それもまた大人気コンテンツの宿命でもある。
そんな背景のアニメ本編だが、特に3話までのμ's 結成とファーストライブの大敗北にもひるまずスクールアイドルへの決意を見せる展開は見事である。諦めるかと問われてもアイドル活動に不退転の意思を示すほのかの姿は神がかっていた。
以後、仲間を集め結束を深めていく10話までの展開は、学園部活物の展開としてよくまとまっている。各キャラ描写も深まり個々の魅力もよく浸透してきた。
だが11話以降急速に失速する。当初の目標であった学園廃校阻止はうやむやの中で決定し、大きなカタルシス要素を失う。全国のスクールアイドルが覇を競うイベント・ラブライブへの参加も無くなり、終盤のドラマは自己嫌悪からアイドル活動への熱意を失ったほのかが他メンバーに諭されて再起する話に止まった。
何故、3話ラストより後退した展開を見せられたのか、未だに納得は出来ない。苦労の末に学園存続を勝ち取り、その上で更に自分達の可能性を試したい。その舞台をラブライブに求めてエントリーするラストで十分に2期につなげつつ達成感のある締めが出来たはずである。
コンテンツとしてのラブライブ、そしてμ'sの面々には好意的なつもりだが、この終盤だけは非常に残念である。
- ストーリー
- 3.0
- 作画
- 4.0
- キャラクター
- 5.0
- 音楽
- 4.0
- オリジナリティ
- 3.0
- 演出
- 3.5
- 声優
- 4.5
- 歌
- 5.0
満足度
3.5
いいね(0)
2015-06-14 10:43:51