女子サッカーの光と影をリアルに描く2021春アニメ「さよなら私のクラマー」が熱すぎる! 島袋美由利×若山詩音×黒沢ともよ×悠木碧×古城門志帆インタビュー!

2021年05月20日 13:090

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

2011年のFIFA女子ワールドカップでの初優勝をきっかけに、一躍知名度を急上昇させた女子サッカー。その世界で頂点を目指す女子たちの活躍を描くのが、現在放送中のアニメ「さよなら私のクラマー」だ。

本作はアニメや映画化もされた漫画「四月は君の嘘」を手がけた新川直司さんが、月刊少年マガジンにて2016年~2021年1月号まで連載していた漫画を原作とするTVアニメ。

主人公・恩田希が所属する蕨青南高校女子サッカー部、通称“ワラビーズ”が、さまざまなライバル校とぶつかりあう熱い物語が描かれる。

また、6月11日には希が男子サッカー部の中で苦闘する姿が描かれる「映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ」も公開予定。TVアニメと映画で描かれるサッカー女子たちのドラマの魅力を、メインキャスト5名に尋ねてみた!

 

──TVシリーズ「さよなら私のクラマー」で、ご自身が担当されるキャラクターについて教えてください。

 

島袋美由利 恩田希は勝気で向こう見ず、コンデションの差も激しい。けれどひとたびスイッチが入れば周りを魅了するテクニックを見せてくれる選手です。フットボールに対してはどこまでも真っ直ぐなので、突拍子もない発言でも恩田が言うと不思議と説得力があり、信じてみたくなる。そんな不思議な魅力があります。

 

黒沢ともよ 私の演じる周防すみれは作品上ではとても口数が少なく、表情で感情がほんのり漏れていく感じの女の子です。中学校時代にワンマンプレイをしすぎてチームで浮いてしまって思うようにプレイができなかったという過去があります。

よくも悪くもとても頑固な女の子です。カッコいいビジュアルですが、私の中では限りなく女の子ですし、大きな声でかけ声ができるタイプかなぁと思っています。

 

悠木碧 曽志崎緑を担当しています。飄々としているように見せかけて根っこは熱く、泥臭い、めちゃくちゃカッコイイ子です。チームの司令塔で、それぞれの選手のこともよく見ています。

 

若山詩音 越前佐和は、フットボールが大好きで、それ以上にノンちゃんが大好きな女の子です。フットボールに対する思いは人一倍ありますが、小さい頃から「恩田希」という才能あふれるフットボーラーが身近にいたことで、自身はプレイヤーにならずにいました。ですが、中学の時に見た恩田の姿に感動したり、高校女子サッカーの大会を見たりしたことで、自身も選手として活躍したいと思うようになります。彼女はコツコツと努力を続けることができるので、きっと今後活躍してくれるだろうと思っています。

 

古城門志帆 私の演じる⽩⿃綾は⾼⾶⾞なお嬢様キャラで、⽬⽴つプレーをすることにとても貪欲な⼥の⼦です。皆には「スワン」という愛称で呼ばれています。

彼⼥は全てのゴールを⾃分で決めたいと思っているので、基本的には敵ゴール前から離れません。⾃称「オフサイドラインで⽣まれた⼥」です。

 

島袋美由利さん


──最初に原作を読んだ時の感想はいかがでしたか?

 

島袋 手に汗握る激しい試合の最中に入ってくる登場人物達の心の声や、過去の描写が素敵で、全員に感情移入しながら読んでいました。試合の展開も最後まで気が抜けず、選手達の緊張感がこちらまで伝わってきて、時折息をするのも忘れてしまうほどでした。

 

黒沢 泥臭く、爽快! 魅力的な役者が揃って、テンポよく、あっという間に感情移入していました。

 

悠木 スポーツって何より、プレーしている人が楽しんでくれていることがいちばん重要だよな、と思いました。楽しいから突き詰めたい。楽しいから知ってほしい。そういう情熱が伝わってくる作品です。

 

若山 まるで実際の高校女子サッカー部を見ているような日常感が印象的だな、と思いました。誰もが非凡で、だけれど平凡で、隣の家の子の話を見ているような。そんなリアルな感覚がすごく心地よかったです。どのキャラクターも応援したくなってしまって、勝敗が付くたびに喜びと悲しみを同時に味わっていました。

 

古城門 サッカー界の有名なシーンのオマージュに、とても引きこまれました。サッカー知識の薄かった私でも、この魅⼒的なプレーは実際だと誰のどんな技なんだろう、と調べるようになり、漫画を読んで引き込まれたプレーを、後から調べて映像で⾒てさらに引き込まれる。気づくと読む前の⾃分よりもサッカー知識が格段に増えていて、サッカーが好きになっている。リアルな試合を⾒に⾏ってみたい、と思うようになっていました。

 

──女子サッカーがテーマの本作ですが、女子サッカーに対してどのような印象を持っていましたか? また本作の出演を通じて、その印象は変わったりしましたか?

 

島袋 スポーツには疎いのですが、2011年の女子W杯の優勝は印象に残っていました。女子サッカーの抱えている現状については、「さよなら私のクラマー」を通してはじめてその一端を知ることができました。今年はWEリーグも始まるので私を含め、女子サッカーに目を向ける人が増えるといいなと思っています。

 

黒沢 なでしこジャパンの活躍は、学生時代に世間の熱に浮かされて、熱心に応援していた記憶があります。当たり前のようにプロの選手なのだと思い、トップアスリートとしてしっかりサポートを受けているものだと思っていたので、今作に携わるにあたって背景を知ったときにとても驚きました。私もWEリーグの開幕が楽しみです!

 

悠木 スポーツ界に明るくなかったので、女子サッカーといえばなでしこジャパン、といったような、ぼんやりしたイメージでした。出演したことで印象が変わった……というよりは、ピンぼけしていた自分の中のイメージの解像度が上がって、どう面白いのか、なぜあの時なでしこジャパンが世間を揺るがしたのかなどがわかるようになりました。

 

若山 恥ずかしながら、この作品に関わらせていただく前は、2011年のワールドカップで女子サッカーの記憶は止まっていました。この作品に関わらせていただいてから女子サッカーに興味を持ち始め、いろいろと調べてみるようになると「なぜ今まで観に行かなかったんだろう!」とすごく後悔しました。今年は、日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」も始まります。これからは、男子サッカーと同じように女子サッカーが注目される時代になるんだな……とワクワクしています。

 

古城門 ⼥⼦サッカーの印象は、W 杯でなでしこジャパンが優勝したあの年の印象が、とても強烈に残っています。サッカーの世界⼤会で⽇本はトップに⽴てるんだ!と、とても誇らしく思いました。今回「さよなら私のクラマー」に関わらせていただくにあたり、⼥⼦サッカーの環境の不遇さや、プロ契約の難しさなどを知り、あの時あそこまで⽇本を盛り上げてくれた⼥⼦サッカーの⽂化を絶やすことなく、続けていくためにはどうすればいいのか、考えるようになりました。

 

黒沢ともよさん

 

──ちなみに皆さんはサッカーに、何らかの形でかかわったことはありますか?

 

島袋 「さよなら私のクラマー」に関わらせていただくようになってから実際に試合を観戦したり、サッカー体験などに足を運んだりしました。自分が実際にボールに触れてみると、まともに蹴ることすらかなわず、改めて選手の方々の積み上げてきたテクニックや運動量の凄さを感じました。

 

黒沢 小学生の頃、休み時間に男女混合のサッカーで遊んでいたことはありました。中学に入ってからはテレビで応援していました。

 

悠木 我が家では父がサッカー大好きだったので、小さい時に何度か試合観戦に連れて行ってもらったことがあります。当時は本当によくわかっていなかったので、芝生がテレビで見るとの同じように、きれいなシマシマであることに感動したりしてました。

 

若山 「さよなら私のクラマー」のスタッフさんに誘っていただき、何度かフットサルに参加させていただきました。フットサルをするのはほとんど初めてだったので、全く戦い方がわからなかったのですが、休憩の時に小紫役の酒井(美沙乃)さんから攻めるときのセオリーなどを教えていただいて、「おおー! なるほど! 面白い!!」と思いました。

 

古城門 今回「さよなら私のクラマー」の出演をきっかけに、フットサルやサッカーの試合を⾒に⾏ったり、⾃分もフットサルをプレーしてみたりしました。プレー中の息遣いや、声をどのように⾶ばして仲間とコミュニケーションをとり、プレーしているのかを知りたかったからです。

出演前までは、普段サッカーに触れることはほとんどありませんでしたが、サッカーゲームの「ウイニングイレブン」だけは⼀時期どハマりしてプレーしていました。ゴールが決まったときの爽快感がたまらないんです! 今思うと、全くの無知識ではなく、有名選⼿の名前や、どうやってゴールまでボールを運んだらいいのかなど、ウイイレで得た知識があってよかったな、と思います。

 

悠木碧さん

 

──演じるうえで気を付けていることや、意識していることを教えてください。

 

島袋 等身大の高校生を演じているということを、なるべく忘れないように気を付けています。

 

黒沢 すみれは言葉数が少なく、表情も大きく変わらないので、なんてことなく生きているキャラクターに見えてしまう危険があると感じていました。周囲にどう見られているかの表現は相方である悠木さんに全てを託しつつも、サッカーやフットボールをすることを選んで楽しんできた少女であることを忘れずに演じるよう心がけました。

 

悠木 最初のディレクションで言われた「ギャグシーンも可能な範囲で生っぽく」という点を大事に演じています。あとは、緑達はスポーツ選手なので、自分や相手へのダメ出しや指示出しなどは、手加減なく愛を持ってハッキリと、を意識しています。

 

若山 一番気を付けているのは、育ちがよくみえることです。ファーストタッチの時から、音響監督の鶴岡(陽太)さんから「佐和は育ちがいい」とうかがっていたので、「ら」抜き言葉にしないようにしたり、応援で声を荒げすぎないようにしたりと、他の部員との差を意識していました。

 

古城門 ⽩⿃はチーム団結のキーマンだと思っています。あまり試合に流されずに、勝っていようが負けていようが、⾃分がいいプレーをしているかどうか、⽬⽴っているかどうかが⼤事なんです。だからこその強みがあると思います。チームがマイナスの雰囲気に傾きそうな時に、相変わらずの⽩⿃を⾒て、みんなの活⼒になってくれたらいいなと思って台詞を紡いでいます。

みんなに「⽩⿃ー!!!」って吠えられて、そこでチームの⼀体感がでる。⽩⿃はそんなポジションです。

 

──気になるキャラクターや、この⼦とならチームメイトになりたいというキャラクターはいますか?

 

島袋 フットサルで対決した、ハイリーズの九谷が気になります。天才達のようにはなれないかもしれないけれどその背中を追い続け、不器用でも泥臭くても自分の持つ武器を存分に使って戦う。そんな姿が見ていて応援したくなります。

 

黒沢 サッカーということに縛られず"チームメイト"ということならば曽志崎一択です。好奇心の天才でありながら冷静、俯瞰してモノを見られる能力は私に足りないところでもあると思っているので、チームにいてくれたら安心します。

サッカーならば白鳥。なぜなら私ができないので、白鳥がいてくれたら励ましてくれそうで、気が休まりそうです。

 

悠木 みんなとてもいい子たちです。なにかに向かって転がりながら頑張ってる姿を見ちゃうと、どのことも仲良くなってみたいなあと思います。強いて言うなら、さわちゃんの、控えめさとはっちゃけのバランスが愛おしいので、ぜひ一緒にサッカーしてみたいです!

 

若山 気になるキャラクターは周防と井藤です。周防は言いたいことを怖さ100倍増しで言ってくれそうなので、一緒にいたらすっきりしそうです(笑)。井藤は、その可憐さを近くで体感したいです。あんなに軽やかに素敵にプレーしている人がいたら、好きになってしまいますよね!

 

古城門 安達太良アリスちゃんがとっても好きです。お友達になりたい! ⾒た⽬はちょっと個性的だけど、とってもハートフルでとっても繊細な彼⼥の魅⼒にメロメロです。⾒た⽬と内⾯のギャップにやられちゃいました。

古城門志帆さん

 

──島袋さん、若山さんは6月公開の映画版にも出演されます。こちらは中学生編だそうですが、見どころを教えてください。

 

島袋 収録時にいただいた映像の試合のシーンが本当に観戦しているような、臨場感のある映像になっていたので、劇場でみるとさらに観戦気分を味わえると思います! また、原作にはなかった恩田と佐和ちゃんのやりとりもあるので、そこでの佐和ちゃんのやさしさにも注目していただきたいです。

 

若山 男子と女子のフィジカルの違いに悩むノンちゃんが、ナメックと再会して自分を取り戻すまでの話になっています。「女子が男子サッカーに混じるのはこんなにも大変なのか」や「希は中学生の時こんなことがあったのか」などに注目していただけると、TVシリーズを一層楽しんでいただけますし、実際に女子サッカーを観てみたいと思っていただけるのではないかなと思います。

 

──演じるうえでTVシリーズと変えたところや、反対に変えていないところなどがありましたら教えてください。

 

島袋 中学時代も高校生になってからも、フットボールに対して強欲で目的のために手段を選ばない豪快さは変わっていないと思うので、根っこの部分は変えていないと思います。ですが中学時代の恩田は、フィジカルでは男子にかなわないという点で公式試合に出してもらえず悶々としていたので、その気持ちに寄り添えるようにと意識していました。

 

若山 佐和は、中学生編ではとにかく恩田を支えることに徹していて、「いつでもノンちゃんの味方! 何でもどんとこい!」な感じです。しかしTVシリーズでは、「自分もプレーしたい」という思いを抱えているので、表にはあまり出しませんが心情的には大きな変化をつけています。

 

若山詩音さん



──最後に、今後のTVシリーズの見どころを教えてください。

 

島袋 ワラビーズだけでなく、今後もさまざまなプレイヤーが登場してきます。それぞれ個性や強みは違えど、フットボールを愛し、チームで高みを目指しています。どんな状況でも手を抜かずに戦い抜く彼女達の闘志に触れてほしいです。

作中では実在する選手の名前や戦術が多数登場します。「さよなら私のクラマー」を観てから実際の試合を見てみると、今までと違った楽しみ方もできるかもしれません。この作品を通して恩田やワラビーズのみんなを、そして女子サッカーを愛してくださると嬉しいです。まだ走りはじめたばかりのワラビーズが、どういうチームになっていくのかも楽しみにしてくださると嬉しいです。

 

黒沢 女子サッカーのことを知れて、彼女たちの青春を追いかけられるのはもちろんですが、今の私たちにもぐさっと刺さる名言がたくさん溜まった作品なので、きっと毎話、宝物の言葉に出会っていただけるんじゃないかと思います。どうぞ最後までお楽しみください。

 

悠木 始まりから終わりまで、出来事がリアルだからこそ、希達の心情に自分の気持ちが追いついていく……そんな青春群像劇が心に心地いい作品です。収録は、実は最終話まで終わっています。最後の収録の時、皆で「さよなら私のクラマー」というタイトルへのアンサーはどこなのだろうと話し合いました。皆さんはどう感じたのか、アニメはもちろん、ぜひ原作もお楽しみいただいて、答えを見つけていただけたら嬉しいです。

 

若山 ワラビーズが時間経過とともにぐんぐん成長していきますので、それを楽しみにしていただけたら嬉しいです。今後、登場人物のフットボールへの熱い思いが、試合の中で表れます。試合はとにかく迫力満点です。きっと、いつの間にか手をぎゅっと握って汗をかきながら見ていると思います。それぐらい白熱しています。そんな中で、各々が悩み成長していく様がすごく心地いいので、一喜一憂しながら見ていただけたらと思います。原作のスピード感そのままに、恩田や周防、曽志崎たちの熱い戦いを、テレビや劇場で楽しんでいただけると思います。フットボールをよく知っている方も、よく知らない方も、絶対にお楽しみいただけますので、ぜひTVアニメも劇場版もご覧ください! 健気な佐和ちゃんにハマる方をお待ちしています!

 

古城門 最初はへなちょこで個性爆発チームだったワラビーズが、1⼈ひとりの個性を生かしてチームとして成⻑していきます。弱⼩ワラビーズに⽴ちはだかるのは強豪チームばかりなのですが、さまざまな戦略を仕掛けてくる相⼿チームにワラビーズはどんな戦いを挑むのか、ご期待ください! ⼥⼦サッカーって、⼥⼦フットボールって、⾒るのもプレーするのもこんなに楽しいなんて知りませんでした。勝ち負けも⼤事ですが、それだけじゃなく、協⼒プレーが⼈を熱くさせるんだと思います。

「さよなら私のクラマー」を⾒て少しでもサッカーやフットボールに興味を持っていただけると嬉しいです! 観るのでも、プレーするのでも、「ウイニングイレブン」から始めたっていいんです! みんなでサッカーを楽しみましょう!



(写真/kow iida)

画像一覧

関連作品

映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ

映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ

上映開始日: 2021年6月11日   制作会社: ライデンフィルム
キャスト: 島袋美由利、若山詩音、内山昂輝、逢坂良太、土屋神葉、白石涼子、遊佐浩二
(C) 新川直司・講談社/2021「映画 さよなら私のクラマー」製作委員会

さよなら私のクラマー

さよなら私のクラマー

放送日: 2021年4月4日~2021年6月27日   制作会社: ライデンフィルム
キャスト: 島袋美由利、若山詩音、黒沢ともよ、悠木碧、古城門志帆
(C) 新川直司・講談社/さよなら私のクラマー製作委員会

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。