映画「BLAME!」公開記念インタビュー! 第1回「目指したのは、多くの人に見てもらう作品にすること」原作者・弐瓶勉が語る映画版の魅力とは

2017年05月15日 12:000

鍵はポリゴン・ピクチュアズの「安定性」


――制作を手がけるポリゴン・ピクチュアズは、セルルックのCGアニメとして業界でも名を馳せています。ちなみに、弐瓶さんが感じる、CGアニメならではの魅力はありますか?

 

弐瓶 現代を舞台にした作品だと、3DCGで表現するのって、まだいろいろ難しい部分があると思うんです。服のシワなどの日常のディテールはまだ手書きのほうにアドバンテージがある。ただ、「シドニアの騎士」の時も感じましたし、「BLAME!」でもより強く感じたのは、僕の作品は3DCGとすごく親和性があって、相性がいいですよね。ロボットや建造物は3DCGの利点が最大限に生かせる。「BLAME!」はロボットとかアクションシーンとか、3DCGだからこその安定感があって、すごく説得力がある。僕は映像のプロじゃないんで、視聴者的な感想になっちゃうんですけど、3DCGすごいです(笑)。

 

――それこそ、今回の「BLAME!」は「“3DCGなのに”すごい!」というのではなく、「“アニメとして”すごい!」と感じる作品になってますよね。

 

弐瓶 こういうこと言っていいのかわらかないけど、昔はセルルックの3DCGってあまり好きじゃなかったんですよ。アニメは手描きのほうがいいと思ってたんです。結局手描きも3DCGも、作り手で全然変わってくるんですよね。同じポリゴン・ピクチュアズの作品でも「シドニアの騎士」から「BLAME!」でもだいぶ変わっていて、スキルがかなり上がってきてるんだなって思います。だから、どんどん「3DCGなのに」みたいなことは言われなくなってくるんでしょうね。

 

――それでは、弐瓶さんから見たポリゴン・ピクチュアズの魅力とは?

 

弐瓶 さっきも言った安定性、そして何より生産力じゃないでしょうか。マンガもそうですけど、クオリティを維持しつつ安定して生産する力ってやっぱり大事だと思うんですよ。ポリゴン・ピクチュアズってスケジュールが最初に組まれていて、その通りにちゃんと作るんですよ。だから、TVアニメの「シドニアの騎士」も放送前に全話分納品したそうです。

 

――まさに、アニメ界の「東亜重工」みたいな(笑)。

 

弐瓶 そうですね! 劇場版でいうと自動工場って感じですね(笑)。

 

――それでは最後に、「BLAME!」を楽しみにしている読者へ、メッセージをお願いします。

 

弐瓶 これは自信を持って言えるんですけど、見て後悔しない、面白い、すばらしい娯楽作品になってると思います! 作ってる人たちがとにかく原作を好きなので、原作ファンの方もニヤッとできる場面がたくさん隠されています。どの年齢層の人が見ても楽しめますし、デートでもなんでもいいと思うので、ぜひ劇場で見てください!! 音響も素晴らしいので。

 

――本日は、ありがとうございました!

 

(取材・構成/須賀原みち)

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