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●成長する翔悟のゆくえ
KENN:翔悟は、「こういう運命を与えられたから頑張れ」って言われて「うん、わかった!」じゃなくて、「なんで俺がやらないといけないの?」って思うんです。でも、「お前が必要だ」と言われて、やる気を出してやってみたものの、「やっぱり俺には自信ねえ、できねえ…」となるすごく人間くさい人物なんです。今はそんな彼が新しいキャラクターと出会い、様々な環境に置かれて振り回されている状態で、色々な事を考えるのが後回しになってしまって、悩んでいる時期なのかなと思います。
鷲尾:困難を1個クリアすると「やった!」って気持ちは上がるんだけど、次にまた別の困難が起きると、気持ちは一回下がる。でもそれも乗り越えたときに、1個クリアしたときと2個クリアした時とではまたちょっと気持ちが変わっている。その繰り返しなんですよ。これをやっていくと、見ている人たちが、どんどん翔悟の気持ちに入っていくんですよね、「あっ、俺と同じだ」って。そんな中で、これは嫌い、これは好きということが繰り返されていくと、そのうち全体や友だちを好きになれるかもしれない、ということを一年間繰り返してやっていくんです。
KENN:なるほど…。そういう思いが翔悟たちの原動力になっているということなんですねぇ。
●迫力の魔神! テンポのいいアクション! そして昭和感!?
KENN:アニメでは6話で翔悟たちも魔神を呼び出します。アニメもデータカードダスのゲームでも魔神の迫力はすごいですね。
鷲尾:超盛りあがりますよね、魔神降臨の瞬間って。シナリオ打ち合わせの時からこうしましょうって言っていたんですけど、実際の映像になって見ると、結構トリハダ立つもんですね。
KENN:あの瞬間は、ゾクッとしました。魔神のシーンもそうなんですけど、作品全体でCGパートのクオリティがめちゃくちゃ高くて度肝を抜かれました。戦闘シーンとかあんなリアルなカポエイラの技を使っているのに、モーションキャプチャーは使ってないんですよね。
鷲尾:そうですね。格闘シーンが本当にちゃんと格闘している感じがすごく出ていますよね。あれこそ一番望んでいたことだし一番やりたかったことでもあるので、よくそれを実現できたなって思います。
KENN:戦闘シーンはいい意味でアニメらしいというかスピーディなデフォルメされた動きだし、でもリアルに見えるんですよね。
鷲尾:今までセルのアニメーションらしいデフォルメを使うことは、CGパートであまりやっていなかった。それは、モーションキャプチャーを使ってその動きに合わせちゃうからっていうのもあるんだけれども、例えば翔悟がバッて空手の構えをしたときに、手がものすごくアップになっててパースをうんと大きくつけるとか、その瞬間の動き、打撃のときの動きのスピードを変えるとかっていうのはセルアニメーションの方が得意だったんですよ。
KENN:そうだったんですか。
鷲尾:でもそれをCGのスタッフや監督がものすごく相談をして、ここはアニメらしくもうちょっとアップでとか、ここのスピード感はテンポ変えてとかすごく丁寧にやっているんですよね。そこが、今回のアクションシーンの肝になってると思いますね。
KENN:ただ動きが速いもの同士がぶつかってパーンッ! だけじゃなくて、攻めたり受けたりっていう駆け引きがあっての必殺技とか。ジャガーはちょっとトリッキーな動きだったり、シャークだったら潜るとか、タイロンは力技、翔悟は空手、レオはボクサー。それぞれの特徴がすごく活かされてると思います。敵キャラもすっごくよく動くし…。
鷲尾:でもあれだけ速いと演技する側は大変なんでしょう?
KENN:確かに速いですね。
鷲尾:それにみんなフルフェイスで口がないから、声を入れるタイミングが難しいでしょ(笑)
KENN:表情がないから動きをオーバーにしているんですよね。それもまた特撮モノっぽくて好きなんですよ。ワイヤーアクションっぽい動きをしたり、ちょっとスローで見せてから高速で打撃が入ったりとか。エフェクトもすごくかっこいいし。ああいうアイディアってどんだけあるんだってくらい毎回盛り込んでませんか?
鷲尾:あれすごいですよねぇ。毎回絵コンテの時とかに、敵キャラも含めて、こういう動きさせてみましょうって、相談して動きをつけていくんですけど、現場のスタッフの勢いの高さがクオリティの高さに繋がってるなぁって思います。
KENN:マジンボーンへの愛を感じます!!
鷲尾:ものすごく楽しくやってますよね。
KENN:カメラの前にシュタッって着地して後ろで爆発みたいな演出とか、かっこいいなぁ! って思います。
鷲尾:特撮の匂いがしますよね。みんなそれを見て育ってますから。体に染み付いてるんですよ。
KENN:いい意味で、昭和の部分と今の平成の部分がすごく融合しているなぁって感じていますね。僕、今の歳で思うんですけど、今のお子さんたちが見て、これが新しいと思ってもらえたらすごく嬉しいです。
鷲尾:宇田監督と私、同い年なんですけど、シナリオ打ち合わせの時に、「例えばこんなアクション」と言って出てくる映像のタイトルが大体一緒なんですよ。「あぁあれね」とか言いながらやってます。でも、実際にこうやって動き出すまでは、「僕たちの世代だけにしか通じないんじゃないかなぁ」ってお互いちょっと不安でした。でもこうやって実際に映像になって、役者さんにお芝居してもらうのを見たら、ちゃんと普遍的なものとして受け入れられそうだねって話してます。
KENN:良い作品は何年たってもいいですよね。
※近日公開予定の後編へ続く
・プロフィール
KENN
東京都出身。3月24日生まれ。
主な出演作品:『宇宙兄弟』(南波日々人役)、『ムシブギョー』(月島仁兵衛役)、『境界の彼方』(神原秋人役)など多数。さらにミュージカルや音楽活動など、マルチに活躍中!
鷲尾天
秋田県出身。9月16日生まれ。
主な作品:『怪談レストラン』、『ふたりはプリキュア』、『Yes!プリキュア5』『トリコ』など多数の東映作品のプロデューサーを担当。また、劇場版『プリキュアオールスターズDX』1~3の企画にも就いた。