これだけパワーのあるスタッフが集結してできた作品とは思えないほど退屈です。ゴジラ側(特撮)も人間側(本編)もメタルの質感があるので同じようにしか見えない。ダイアログは整然としているので話のスジは追いやすくすっきりと入ります。
感情表現に乏しいのでお芝居の幅が狭いです。デズニーと比べて、(テクノロジのレベルなのかはわかりませんが?)特にそう感じます。プレスコでしょうか?声優の演技にもぐっとくるものがありません。唯一良かったのは、地球におりたコンテナのなかで、作戦の討議中(おそらく)ヒロインが重そうに物資を運んでいた芝居です。
どうしても3DCGが表にですぎていて、スタイルがメタル質感に統一されているので全体として画面に抑揚がありません。「アバター」や「ズートピア※1」の様に基本箱庭のロケ地が戦地としての舞台でしかないので「せっかくもどってきた地球」に何か表現が足りません。植物をメタルとしてしまったので、空気、水(でてこない)、土、光など。そういった感動が表現できません。(それこそガラスの仮面の紅天女の模試の様に)主人公が何か芝居をしていましたがちょっと弱かったです。プラモデルでいう”汚し”※2が、ほとんどの大道具・小道具でパターンが統一されていたので(飽きてきて)違和感を持ちました。なくてもよさそうなところが汚されているような気がするのですが・・・。
2巡目をキャプチャ選択で見ると、見せ場は沢山あって、演出上・話の展開は早いのですが、ゴジラ映画としてみると妙にテンポが悪く"もっさり感"があって退屈です。
スタッフは全力投球していると思います。メイキング映像を見てみたい。アラン・スミシーレベルまで破綻していませんが、シナリオ脱稿前に(せめて)脚本合宿があったか知りたいです。せっかくの一流スタッフが集結したのでなおさらです。
※1 「ズートピア」は生息動物でロケーションを分離していたのでけっこう豊富でしたがまだ贅沢を言っています。
※2 個人的には、SF以外ですが「凪のあすから」が生活実感として今までのベストです。旧作も含め「サンダーバード」もおすすめです。
2018-06-22
[2018-06-24 01:19:24]
[2018-06-22 18:59:04]