「謎」だらけのファンタジー仕掛けの百合物語
観賞手段:テレビ
ひとまず6話まで見た時点でのレビューです。
本作はまず「ユリ熊嵐」のタイトルからしても謎だらけで、最初の時点で何となくわかっているのは、人間とクマという相容れない存在があるということと、その人間界にクマが侵入して、人間を襲う(食べる)ということくらいです。世界観としては、ユリ(百合)の名前が示す通り、女子校での百合展開が初めから登場し、かなりアブノーマルでファンタジックな世界が広がります。最後の「嵐」については、初めの段階では明らかになっていませんが、徐々にその「透明な嵐」という存在がこの物語の主要なキーになっていることがわかってきます。
ということで、謎だらけのストーリーですが、その仕掛けは特別不快な感じを与えません。むしろこの不思議だらけの世界で、いったいどのようなストーリーが展開されるのかをワクワクしながら見てしまいます。その大きな要因は、本作全体を流れている作画のファンタジック感、そして過剰ともいえるほどのポップな演出です。最初のうちは、まったく意味がわからない「ユリ裁判」も、あれがあるおかげで、謎だらけの話全体が統括されていくというような効果をともなっています。つまり、最初からすべて監督が巧妙に仕掛けた演出上の要素なのだと思います。一件ふざけてそうですが(実際そういう面もあるでしょうが)、実に面白い。全体的にはナンセンスなのに、細部はかなり凝りまくっているという、意欲的な作品だと思います。
今のところ、今期の新作ではもっとも楽しく見ているアニメとなっています。
(追記)
最終回、見終えました。
素晴らしい展開でした。想像以上。素晴らしいです。
メルヘンとはこうでなくてはいけません。ファンタジーとはこうでなくてはいけません。考え得る限りで最高のラストだったのではないでしょうか。ファンタジーだけど、すごく現実的かつ哲学的なテーマを含んでいたと思います。間違いなく、名作です!(ガウガウ)
- ストーリー
- 5.0
- 作画
- 5.0
- キャラクター
- 5.0
- 音楽
- 5.0
- オリジナリティ
- 5.0
- 演出
- 5.0
- 声優
- 5.0
- 歌
- 5.0
満足度
5.0
いいね(0)
2015-04-04 02:13:24