簡潔に説明するなら、所属タレントがいなくなってしまった芸能プロダクションがアイドルユニットを作るために四苦八苦する話です。
メンバーを集めることに成功し、曲も作ってもらっていざデビューというところで、社長が資金を持ち逃げしてしまい窮地に立たされます。
しかしどうにもならず、最後になってしまうかもしれないが、ダメ元で地元でやっていた素人参加型のライブイベントに出て・・・といったところで終わります
正直、ストーリーはようやく始まったという感じで、これだけで評価することは難しいのですが、見るに耐えないようなものではなかったです。良かったと問答無用に言えるわけではありませんでしたが。
とりあえず、元トップアイドルだった島田真夢が自分が本当にやりたいことを諦めきれず葛藤するという部分は描かれています。
キャラクターの位置づけというのはそこまで悪くないので、深く掘り下げていければわりと面白そうなのですが、なんといってもキャラクターデザインが地味であまり魅力的ではありません。
ストーリーとあわせてリアル志向なのでしょうが、アニメとしては致命的です。
これなら実写ドラマにしたほうが得策なのではないかと思います。実写にすればアニメより表情豊かになるしリアリティも出るし外見に記号を付与しなくても区別できるようになりますので。
ドラマ「あまちゃん」のアイドルやアイドル業界の描き方を見てしまうと、やはりこの映画のプロットではインパクトはあまり大きくありません。1時間弱ではそれを見せるには明らかに足りないでしょう。
社長がつけたユニットの名前の由来が、事務所の近所のラブホテルの名前というのは面白かった
映像ですが、これが劇場作品だと考えると少し粗い気がしました。特に、髪の毛のハイライトが不自然に思えて常に気になっていました。
お世辞にもスクリーン映えするレイアウトではありません。テレビっぽい。
最後のライブシーンは全て作画なので見どころですが、TVアニメ1話でほとんど流用されてるとか?気になったのはパンチラ以上にキャラの身長なんかがおかしなことになってたこと。
神前暁先生の曲は良かったです。
もう一つ本作の特徴としては、Wake Up Girlsのアイドルの声を担当する声優が全員新人ということです。ほぼ素人で、最近のジブリ映画のキャストよりも演技は下手なのですが、不思議なことにそこまで気になりませんでした。
それよりも他のキャストの方が違和感がありました。場数踏んでる声優をキャスティングしてるのに、配役がおかしいというか。
Wake Up,Girls! 七人のアイドルは、ポテンシャルこそある程度高いものの、なんともパッとしない作品です
それは本作がプロローグにあたるものだからなのかもしれませんが、やはり映画にしたのなら1本でも満足できるようなものにしてほしいところ。この作品ならではの強みというものが薄い。
ともあれ、エンディング前のライブシーンで曲の2番からそのままスタッフクレジットにいく演出は好みだったのでこの点数です。