CUDAさんの評価レビュー

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改善されているが、続編ではなく後編

観賞手段:テレビ
リトルバスターズは発売後すぐに原作のゲームを買って、ハマりまくった思い入れのある作品なので、どうしても贔屓目に見てしまうのですが、今回はアニメ化という部分に絞ってレビューを書きます。

ストーリーは原作を尊重しており、必要な部分を残してうまいこと1クールにおさめています。本当はあと2話くらいあれば来ヶ谷や鈴のシナリオで削られた部分を補完できたのかもしれませんが、よくやったと思います。
Refrainはリトルバスターズの物語の核心部分なので、当然ながら1期よりも印象深いストーリーで見応えがあります。
個人的には来ヶ谷のシナリオがとくに好みです。難解なんですけどそれが紐解けると非常によく出来たシナリオになっていてぐっときます。

映像面は1期よりも格段に良くなっています。特に最初の方は素晴らしいですし、中盤以降もほとんどトーンダウンしません。
ただし全体的を見た時に、映像が本作の強みになるのかと言われるとかなり微妙です。ダイナミックさやアニメならではの楽しさ、面白さ、痛快さというものが少し欠けていると思いました。原作の静止画の方が迫力があると感じることもしばしば。
また、3DCGの違和感が半端じゃ無いです。バスの動き方とか。

原作プレイ時ほどキャラクターに愛着が持てなかったのは、やはり1期で魅力的な描かれ方がされていなかったと言わざるをえません。

音楽に関してはディレクションが1期よりも良くなっているのを実感しました。
1期では音楽の使い方が雑に感じましたが、Refrainでは効果的な使い方をしているように思います。
レギュラーのOPとEDの曲は正直あまり印象に残らないのですが、挿入歌や特別な回にだけ使われるEDは相変わらず素晴らしかったです。

声優では緑川さん、織田さん、田中さんの演技が際立っていました。
しかしごめんなさい、原作の声になれているせいなのか、どうしても堀江由衣さんの理樹はしっくりきません。

続編というより後編にあたるリトルバスターズRefrainを単体で評価するというのはちょっと違う気もしますが、ビジュアルノベルのアニメ化は残念なことになることが多いので、過去のそういった作品と比べるととても良いアニメ化だったと思います。満足度は3.8くらいです。


しかし、もし1期+Refrainで評価すると3点くらいに下がります。
リトルバスターズ!は決して物語のクライマックスだけが良いわけでなく、共通、個別シナリオ問わず、理樹があの世界で彼らと過ごす日常パートも面白いからこそクライマックスのシーンがさらに感動的なものになるからです。そういった意味で1期は足枷となる可能性があります。
リトルバスターズの"仕掛け"はゲームを意図したものなので、一度全て見終えたら、もう一度最初から見てみるのをおすすめします。もしくはゲーム。
また、本作を「麻枝准さんのゲームライター引退作品」として見るとまた面白いと思います。朱鷺戸沙耶のルートもそうですが、裏のテーマといっていいほどです。
CUDA
CUDA
ストーリー
4.5
作画
3.5
キャラクター
4.0
音楽
4.5
オリジナリティ
4.5
演出
3.5
声優
4.0
4.0
満足度 3.5
いいね(0) 2013-12-29 04:01:34

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